220話 9/26 クランを統括する組織が欲しいんだけどな
昼になったので、昼飯を食べに行く事にした。とりあえず、私からだな。もう客は来ないとは思うが、クライヴ君には1人での留守番に慣れて貰わないと困るんだ。
そうしなければ、私が店から離れられないからな。何かと用事がある時もあるとは思うんだ。今の所、そんな用事は無いんだけどな。とりあえず、消耗品を買いに商業ギルドに行きたいくらいか。
別段、急ぎという訳ではない。あったら良いな程度の話でしか無いんだ。茶葉はまだまだ沢山ある。無くなって買いに行かないといけないという訳ではない。よくもまああれだけ持ってきていたな。
結構な量を貰ってきてしまった。何も思う所など無いけどな。貰えるものは貰ってくる。それでいいと思うんだよ。追い出したのは向こう側なんだから。追い出される立場にもなって貰いたい。
贅沢を言えば、生活環境を整えるところまでやって貰いたかったが、そこまではな。贅沢というものだ。なんとかなったので良しとするしかない。なんとかしていなかったらどうしたんだろうな。
生活するためには金が居る。贅沢をしようと思えば、金が必要だ。贅沢なんぞするつもりは無いけどな。日々の紅茶が贅沢だと思う事にしている。そこまで質素倹約に努めれば、大丈夫だろう。
外食も基本はお任せ料理だからな。小銅貨1枚が高いのか安いのかが解らない。まあそれを言ったら、洗濯の費用の方がもっと高いんだからな。小銅貨1枚だが。普通は出来ることだろうからな。
出来ないのだから仕方がない。やって貰えるのだから、やって貰うのだよ。流石にそれにクライヴ君を使うのは気が引ける。彼は弟子であって、小間使いでは無いからな。
やってくれと頼んだらやってくれるとは思うが、そこまでやって貰うつもりはない。あくまでも弟子。魔法を作るためにやってきたんだから、そのようにしないとな。他にも色々とやっては貰うが。
まあそんな訳で、昼飯を食ったんだ。当然のように店の宣伝も行ったぞ。空振りだったが。クランが小さいのがいけない。小さいと何も出来ないんだからな。何度も言っているが。
クランとは、パーティーでは無いのだよ。一定規模を集めておかないといけないんだ。それが、20人とかだと言われても困るだろう? 20人はパーティーの規模だ。
大きくしないと仕事が増えないだろうに。これから大きくしていくという夢を見るのは良いが、もっと現実をみないといけない。20人で何が出来るというのか。何も出来ないだろう?
だから合併をしろと。何度も何度も言っているが、そうしないとクランの意味が無いんだ。説教を垂れている様で嫌なんだが、言う事は言わせてもらう。そうしないと、私が魔法使いの居るクランの人と食事が出来ないじゃないか。
そう言う事だ。まずはクランを大きくすることを考えろよな。そうしないと色々と出来ないことが多いだろうに。大きければ、大きいほどに選択肢が増えていくんだ。
とまあ、そんな訳で、昼飯を食いに行っているのか、説教をしに行っているのか解らない状態になってきている。クランの統括が必要だろうとは思うが、そこに貴族が金を突っ込むのかという所になる。
間違いなく、金を突っ込まないだろう。現状で、そもそも貴族側が困っていることが無いんだから。そりゃあ、中級魔法の材料である魔物の討伐を行ってくれるクランが多い方が良いのは確かだ。
それでも、現状で足りてしまっていると思われているから困ったものだ。それに遠征部隊も中々集まらないだろうに。遠征と言っても東に向かうだけなんだがね。
東には、上級魔法の素材になる、飛竜が住んでいる飛竜山脈がある。そこで狩りをするクランが少ないと言うのは頂けないだろう。もう少し欲しいはずだ。
そうなると必然的に中級魔法が足りなくなってくるわけなんだが、そう言う循環が起こっていないのが現状の悪い点だろうな。上級魔法の需要が少ないのが原因だ。
魔法兵くらいしか、上級魔法を必要としていないのだから。その魔法兵も、戦争で遠征に行かなければ、使うところが無いんだから仕方がない。戦争が大好きな国王だったら違ったのかもしれないが。
現国王はそう言う訳では無いらしいからな。魔法兵なんぞ、飼い殺しにしているだけだという貴族もいるにはいるが、少数派だな。有事の時の戦力は多い方が良い。
まあだからと言って、有望な魔法使いを全員引き抜かれても困るんだがな。ある程度は冒険者に残してもらわないと。中級魔法を使える冒険者が居ないと、飛竜を狩れないからな。
で、飛竜を狩るには、ある程度の大きなクランが必要であって、最初の所に戻ってくると。クランを統括する組織は必要だろうと思うんだがね。貴族は作らないだろうな。
私は、作る気は毛頭ない。そんな金が何処にあるのかという話である。そんなものを作るだけの資金があるのであれば、弟子の確保に動くのが自然というものだ。弟子は多いに超したことは無いからな。弟子が少ないとお先が真っ暗なんだ。
クライヴ君が居るのは良いんだ。それはそれでいい。だが、流石に4個しか作れない弟子を沢山抱え込むもの得策ではない。なるべくなら10個以上作れる人材が欲しい所だ。
それも贅沢な話ではあるんだがね。魔法使いは割と貴重なんだよ。簡単に見つかってはくれないんだ。教会に良い金額を寄付しないといけない。そんな金は現状ない。
だから早く、売り上げを上げて、人材の確保をしないといけないんだ。動きは早ければ、早い方が良い。急ぎ過ぎてもいけないんだがね。とりあえず、今は客から増やさないと。まずはそこからだな。




