22話 9/9 幟は流行るんだろうな、4人目の客
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冒険者ギルドに張り紙をしてもらった。これで少しは宣伝になるだろう。幟も立っているんだ。見間違えることはあるまい。幟は今後流行るんだろうがな。商業ギルドが流行らせるんだろうが。
情報を買ったのは商業ギルドである。それならば儲けの事を真っ先に考えるだろうからな。都市全体に幟がはためくことになるんだろう。見やすくなっていいとは思うんだがな。
看板はあくまでも看板だ。建物に吊り下げて置くものだからな。目立つかと言われたら目立たん。目印には使えるだろうが、目に留まるのかと言われたら留まらないからな。
その点幟は目に留まる。はためいているからな。人間、動く物には目が行くものだ。文字も読めるものが大半を占めているからな。教会の恩恵だな。
さて、戻るか。戻って魔法の作成といこうじゃないか。夜でもいいんだが、やることが無いんだ。初めの内は緊張していたんだが、段々と面倒になってきている。
店番というものは面倒なんだ。ただ突っ立っているだけだからな。……頭の中では色々と考えてはいるんだが。それでもメモを取りたいときはあるんだよ。
魔法陣魔法の事はまだ秘密だからな。出来るだけ作業は工房の中で行いたい。……真似されてもどうという事は無いんだが、先に発表されても困るからな。発表は私自身が行いたい。
さて、戻ってきたが、客はいないな。それでは工房の方に行っているか。ともかくまずはワイルドボアの魔法を改良しないといけない訳だ。それをどうにかしてしまいたい。できうる限りで要望は叶えた方が良いだろうからな。
だがどうする?横一列に並んでくれるにはどうしたらいい。形は変えられん。魔法陣魔法の特色だからな。それに後ろを追従するのもワイルドボアの特色と言えば特色なのかもしれん。
……この際だから魔法陣を複雑化させるか。今は2重丸に正三角形を内接させているんだが、六芒星にするか。もう1つ正三角形を逆さ向きにして書いてしまおう。
こうすることでどうなるのかと言えば、解らんのだが。とりあえず何か、形が決まるのは仕方が無いにしても、効果を付け加える事が出来るのではないかと思う訳だ。
スクロールを作るときはいつも精霊語で作っている。人語でもいいんだが、精霊語の方がやりやすい。スクロールになったら全部精霊語になってしまうんだがな。それでも発音は同じなんだ。
精霊語を人語で無理やり読んでいるだけだからな。実際は読み方が違うのかもしれないが、それでも魔法は発動している。昔の人はよくもまあ解読したものだとは思うがね。その精霊も倒して魔石にしてしまうのだから始末に負えない。
まあ今が読めているんだから良いんだ。詳しい歴史は専門家に任せるよ。でも精霊語の方が魔法陣魔法には合っている。そう思って使っているんだ。
簡単に言うと、人語はひらがなで、精霊語は漢文みたいな物なんだ。ひらがなだけで書かれているのが人語。漢字だけで書かれているのが精霊語と言えるだろう。
表音文字と表意文字その違いだな。魔法陣に記載するのは表意文字の方がやりやすい。数文字だけを書く場合が殆どだからな。表意文字である精霊語の方が適しているのではと思うんだ。
……邪道ではあるんだが、ハイブリッドでもいける。両方使っての作成でもデメリットは特に無いんだ。やりたがる人は余りいないけどね。私はこれでも転生者。表音文字と表意文字のハイブリッドくらいは余裕で熟して見せる。元々使っていたからな。
魔法陣魔法という邪道を進んでいるんだ。この際何方の文字をなんてどうでもいいか。禁忌にさえ触れなければ問題ない。禁忌なんて早々に触れる機会は無いがな。
だが、文章を書くにしても書く場所が無い様な気がするが……2重円の間に書いてしまうか。ここに横一列に並ぶように文章を書いてしまおう。どれだけ影響が出るのか解らないけど、とりあえずは作ってみない事には話にならない。
魔法陣魔法は新しい領域。開発者たるもの、色んな事を試してみなければいけないだろうな。邪道に邪道を重ねていこう。これが正道になることを信じて。
カランカラン
ああ、いい所だったんだがな。とりあえずはお預けだな。どうせ下書きだ。本番はもう少し時間をかけてしっかりと書くさ。ともかく、今は店に出なければな。
「いらっしゃい」
「どうも~。見せて~貰ってますよ~」
「ああ、一応何処のクランか聞いておいても良いか?」
「ええ~。わたくし~、「天蓋付きの寝台」の~カレンといいます~。以後~お見知りおきを~」
何とも緩い人が来たものだな。アリアナとは少しタイプが違うな。こちらの方が緩い。テンポが遅いのは何方も同じなんだがな。時間が緩やかに流れているような気がする。
「初めて聞くクランの名前だな。どの辺りにあるクランなんだ?」
「わたくしどもの~クランは~北の~中央通りに~あるクランです~」
「なる程、わざわざそんなところから来てくれたのか」
因みにだが、ここは東の中央通りから2本離れた所にある。冒険者ギルドの横の道をまっすぐ見ると幟がはためいているのが見えるはずだ。ついでに魔法ギルドは西の中央通り、商業ギルドは北の中央通りの貴族街との接細部にある。
「冒険者ギルドに~用がありまして~。そしたら~ぱたぱたと~しているじゃないですか~。何かな~と覗きに来たんです~。そしたら~魔法店がありました~」
「そうか。その幟も役に立ってくれたのか。買った甲斐があるというものだな」
冒険者ギルドに来る人に取っては目に留まる可能性はあるよな。何かが動いているわけだからな。特に冒険者は動く物に敏感だからな。……この女性は鈍そうなんだが。
まあともかく客には違いない。とりあえずは買って貰わんとな。オススメは幾つかあるが、そう言うのは好みの問題だからな。好きなものが見つかれば嬉しい所だな。




