214話 9/25 15人目の客
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毎日誰かしらが来てくれる。これほどありがたいことは無い。毎日作ったものが売れるんだからな。在庫は抱え込むとしてだ。もう少し在庫が在っても良い気がしているんだよな。
売れていないのは、雷属性の魔法だけなんだ。それが売れていないんだよな。仕方が無い事ではあるんだけども。その内売れる様になるだろう。12月になれば、売れるはずだ。
ノイジーバードの季節だな。それまでは売れないだろうし、もしかすると、ノイジーバード用にも売れない可能性がある。飛んでいる魔物には無力だからな。
その辺りがどうなのかは、使ってみて貰ってからでないと解らない。使いどころが無ければ、アンデッドの季節を待つしかない訳なんだよな。その時期には確実に売れるんだから。
全ての魔法が無くなるのは、何時になることやらだな。早めに無くなって欲しいとは思わないけどな。なるべくなら遅い方が良い。客の顔と名前が一致しなくなるからな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりとしていってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「おう、邪魔するぜ。こんな所に魔法屋があったんだな。知らなかったぜ」
知らない人だな。また見つけて来てくれた人が居たという事か。良い傾向だ。どんどんと見つけてくれる人が増えてくれると助かる。宣伝もしているが、空振りの事が多いんだよな。
こうやって見つけてくれると、どんどんと客が増えていくんだがね。毎日1人ずつでも良いから、見つけてくれないものか。立地が悪いのは今に始まったことでは無いんだが。
当初は、良い立地だと思ったんだがね。いざやってみると、そうでもないと言うか。むしろ悪いまであるからな。メイン通りに構えればよかったと後悔はしている。
まあやってしまったことは、どうにもならないからな。此処でこうやって頑張っていくしかないんだよ。今回も新しい人が見つけてくれた。それでいいじゃいないか。
「すまないが、何処のクランの所属の誰かを教えて貰っても良いか? 顔と名前は一致させておきたいんだ。今後も来てくれる可能性があるのならば、なおさらだな」
「お? 良いぜ。俺はジョシュアって言うんだ。クランは『町娘の恋慕』だな。まあクラン名はあれだが、普通のクランだぜ? ちょっと小さめのクランだけどな」
「ジョシュアか。それで、小さめとはどの位なんだ? 小さいと言っても、魔法使いが居るくらいだ。100未満という事は無いだろう? そんなところに所属する魔法使いは少ないはずだ」
「いくらなんでも、そこまで小さいのは困るからな。俺らで大体900人って所か。非戦闘職は100人くらいいるが、まあこんな所だろう。因みに魔法使いは、俺含めて5人だな」
ふむ。いい感じのクランじゃないか。もうちょっと数が欲しい所ではあるのと、思ったよりも魔法使いが多くないという感じだろうか。魔法使いの加入には運が絡むからな。
となると、何処で活動しているクランなのかにも因るんだが、魔法を薦めるのは風属性だろうな。風属性は何処の狩場でも使える。この都市では風属性の需要が高いんだよ。
「そこそこの大きさのクランじゃないか。因みに狩りは何処で行っているんだ? それによって、お勧めしたい魔法が少し変わってくるんだが。どの方面になる?」
「俺らは平原をメインに狩りをしているぜ。今だとワイルドボアになるよな。まあ1クランだと結構な重荷になるから合同で行く事が多いけどよ。そこそこは稼いでいるぜ」
「平原か。ならば風属性の魔法になるな。だが、こっちの雷属性の魔法も有効だ。ワイルドボアの突進を止めるだけの効果がある。こっちも買い物の候補に入れてみてくれ。お勧めなんだ」
「見させて貰っても良いか? ……へえ、威力はそこそこだが、効果がおもしれえな。雷属性の魔法は弱点じゃないからよお。そこまで使う機会は無いんだがな」
まあそれはそうなんだよ。雷属性が弱点ではないのは解っている。解っているが、それは威力や属性でどうにかする魔法では無いんだ。状態異常にしてどうにかする魔法なんだよ。
説明しても解らないとは思うがね。こういうのは、使ってみて貰わないと、使用感が解らないだろうからな。無理にとは言わないが、ワイルドボアを相手にするのであれば、十分な効果を発揮する。
「使ってみて貰わないと解らないとは思うが、それの効果でワイルドボアの突進は止められる。属性で攻撃する魔法じゃないんだ。効果で倒す魔法になっている」
「効果で倒す、か。そう言った魔法はあんまり知らねえな。大体の魔法が属性と威力で倒す魔法だろう? そうではないっていうと、あんまり聞かねえな」
「聞かないのも無理はないな。この店のオリジナルであり、売りになる魔法でもあるからな。因みにワイルドボアには実証済みだ。平原の魔物であれば、何にでも使える筈だ」
「そこまで言うんだったら買ってみるか。とりあえずは風属性のも貰うとするな。これにしておこう。これでいくらになるんだ?」
「クライヴ君、会計を頼むよ」
「はい! 中銀貨2枚になります。……丁度頂きました」
「そうか。ありがとう。では、またどうぞ」
行ったか。麻痺魔法が受け入れられるのかどうかという所だな。受け入れられて欲しい所ではあるんだが、こればかりは使い手次第だからな。合う合わないはあるんだ。
大抵の魔法使いには合う気がしているんだけどな。タイラーには合うかどうかは解らないが。威力主義だからな。効果で倒す魔法を気に入ってくれるかどうかだ。
ジョシュアには気に入って貰えると嬉しいな。そして、どんどんと買いに来てくれると嬉しいな。麻痺魔法だけではないという所ではあるんだが。まずは買ってくれること。そこに尽きる。




