212話 9/25 14人目の客
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クライヴ君が帰ってきて、本格的に店がスタートした。いや、始まっているのはその通りなんだがね。私は店のカウンターで待機、紅茶を飲む係に就任している。
クライヴ君は掃き掃除を終えて、現在拭き掃除の真っ最中だ。いや、そこまでやる必要は無いと言ったんだがね? クライヴ君が是非にやらせてくださいって言うからさ。
綺麗な方が良いのは解る。解るんだが、拭き掃除と言っても、結構大変だぞ? これは工房の方も掃除をお願いした方が良いのか? という事で、掃除をお願いすることになった。
私は掃除が出来ない。出来ない訳ではないが、やり方がよく解っていない。……前世では嫁さん任せだったんだ。仕事一筋と言えば、聞こえは良いかもしれないが、要は使い物にならなかったんだよ。
今世でもそれは発揮されている。やり方を覚えろという話なんだがね。汚部屋が出来上がりそうでやばい。というか、私の部屋は汚部屋になり掛けていると言っても良い。
これは、洗濯だけではなくて、掃除もお任せしないといけないパターンか? もうそれでいい気がしてきたな。次に洗濯に来たときに、少し話をしてみよう。金額の増加は任せて貰いたい。
そんな訳で朝から綺麗になっていっている訳だ。今はクライヴ君が工房の方を掃除してくれている。店番も大切なんだがな。掃除も良い所で切り上げてきて欲しい所である。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「ええ、ゆっくりと見させて貰いますわ、店主さん。こんなところで店をやっていらしたんですね」
「ああ、少し奥まったところに店を構えてしまったなと、少しだけ後悔しているところだ。それで、初めましてだな。所属クランと名前を教えて貰いたい」
「失礼いたしました。私、クラン『祝福の魔女』の魔法使いである、バーバラと申します。今後はお世話になるかもしれませんね。どうぞよろしくお願いいたします」
『祝福の魔女』か。それはあれだな。昨日の宣伝したところのクランだな。タイフーンウルフに挑戦しようとしているクランだ。メインは平原での狩りだな。
季節としては、そろそろウルフが増え始める頃合いだ。タイフーンウルフは増えないんだがね。平原の奥に行かないとタイフーンウルフには出会えない。奥まで行くだけの戦力を持っていると、そう言う事なんだろうな。
見ている魔法は風属性だが。まあ狙っていると言っても、今の季節はワイルドボアの季節。そう簡単にタイフーンウルフを狩りに行こうとは思わないだろうな。平原での狩りが安定しているだろうから。まだタイフーンウルフには時期が早い。
ただ、私の店の売りの魔法は麻痺魔法なんだよ。そっちを重点的に見て欲しい所ではある。売りにしていきたい魔法だからな。ワイルドボアにも良く効くんだぞ?
「風属性を見ているのは、平原をメインにしているからであっているよな? 確か、『祝福の魔女』はタイフーンウルフを狙っていると聞いているから、平原での狩りを想定しているんだろうと思っているんだ。火属性と氷属性はまだ見ていないようではあるが」
「そうですわね。クランの方針としては、そろそろタイフーンウルフに挑戦してもいいのではないか、との機運は高まっております。ですが、今はワイルドボアの季節。機運は高まっておりますけれど、時期というものがありますわ。今はワイルドボアを念頭に置いています」
「まあそうだろうな。今から挑戦しようというのであれば、余程大きな所でないと厳しいだろう。そこまででの規模では無いという事なんだな? それであれば、こっちの魔法はどうだろうか。雷属性ではあるが、ワイルドボアにも有効であると他の魔法使いからもお墨付きを貰っているんだ」
「ワイルドボアに、雷属性の魔法ですか? 少し見せていただいてもよろしいでしょうか? 興味がありますわね。確かワイルドボアには雷属性が弱点だという事は無いのですが」
そうだ。弱点ではない。当然ながら、弱点をついて大ダメージを与えるという魔法ではない。動きを止めることに特化した魔法なんだ。まあまずは見て欲しい所だな。
そして、使って見て欲しい。恐らくだが、生物系統の魔物には効果があるはずだ。ゴーレムは解らん。効果が無い場合もある。だが、平原で活動するのであれば、問題なく、使える魔法であるだろう。
恐らくだが、効果は見たことが無い様な事を書いてあるはずだ。読めないという事は無いだろうが、まずは使ってみて貰いたいところではある。この魔法は便利であると、そう知って貰いたい。
必死になって、考えたからな。そりゃあもう、頭の中では使えない魔法を量産させてもらったさ。色々と使えない魔法の中でも、これは使えると判断した魔法だ。是非とも使って見て欲しい。
「効果が特殊ですが、使えないという事は無さそうですわね。雷属性であることが唯一の懸念材料ですが、実績もあるという事ですし、まずは1つ、買わせていただきますわ」
「ああ、使ってみてくれ。効果は必ず付いてくるはずだからな。ワイルドボア相手には実験済みなんだ。他の魔物でも効果が見込めるはずだ。ゴーレムには効果が無いとは思うんだがね」
「そうなんですの? その辺りはよく解りませんが、マッドゴーレムと戦う事もありませんし、平原にゴーレムが出るという事も聞いたことがありません。大丈夫でしょう」
「問題無い筈だな。タイフーンウルフにまで効果があるとは言いにくいが、ウルフやゴブリンには効くはずだ。試してくれるのであれば、これほど嬉しいことは無い」
「私が使う事で、他の人たちも安心して使えるようになるという事ですか。ですが、この季節ですもの。恐らくはワイルドボアに使う事になりますわね。それと、これも含めて2つお願いしようかしら。お会計はいくらですの?」
「ああ、中銀貨2枚になる。……確かに。またどうぞ。今度は魔法を使ってみた感想も聞けると嬉しいな。まだまだ発展途上の魔法なんだ」
「そうですか。魔法が合えば、また使わせてもらう事になるかと思います。では」
行ったか。まあまずは、麻痺魔法が売れたことを喜ぼう。大丈夫だ。大丈夫の筈だな。お勧めできることはミーガンに確認してもらっているんだからな。
後は、風属性を1つ買って行ってくれた。使ってみてからのお楽しみだな。形は特殊かもしれないが、威力は保証しよう。使える魔法ではあるんだ。是非に使ってくれたまえ。




