2話 貴族院3年目、魔法屋の準備始めてます
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貴族院3年目だな。もう既に魔法の研究か社交しかしていない訳だが、中々に捗っているぞ。実家からの小遣いが中々にいい値段がするのでね。他愛もない情報でも小金貨1枚で買ってくれるのだから。
金の種類はこうなる。小鉄貨⇒中鉄貨⇒大鉄貨⇒小銅貨⇒中銅貨⇒大銅貨⇒小銀貨⇒中銀貨⇒大銀貨⇒小金貨⇒中金貨⇒大金貨⇒小魔銀貨⇒中魔銀貨⇒大魔銀貨⇒小魔金貨⇒中魔金貨⇒大魔金貨。10進数でこれだ。単位はオリオン。だから実家には他愛もない情報で10億オリオンで買ってくれているのだよ。まあ毎回そう上手く情報を仕入れられる訳では無いのだがな。
因みにこの都市の平民の平均年収は中銀貨5枚だな。ああ、冒険者を抜きにして考えてくれ。冒険者はいい給料を貰っているよ。命の対価には少ないのかもしれないが。
後は時間か。時間は簡単だ。地球とそれ程変わっていない。60秒で1分だし、60分で1時間、24時間で1日だな。30日で1か月なのと、12か月で1年な所が少し違うのか。360日で1年だからな。
曜日もあるが、誰も意識していないな。一応は各属性の6種類で曜日が決まっているわけなのだがな。1日から光、火、水、土、風、闇と6日で1週間だ。基本的には意識しなくてもいい。
そう、魔法は基本は6属性なんだ。勿論派生や何やらと沢山ある訳だが、基本はこの曜日の6属性だな。雷は風属性に含まれるとされているし、氷は水属性に含まれるとされている。
実際の所は解らん。風属性が効いても雷属性が効かなかったり、水属性が効かなくても氷属性が効いたりと、魔物によって違う訳だ。そうなってくると属性を分けた方がいいんじゃないかと思う訳なのだが、言っても無駄だ。教会がそのように決めているのだからな。
この世界にも宗教はある。6神教という宗教がある訳だな。6属性にそれぞれの神がいて、どうのこうのといった感じだ。教育にも熱心な宗教で、このヘザリントン王国の95%がこの宗教だ。
当然、ラッセルクルーもこの宗教の1強だな。教会自体が大きいのと、平民の教育機関を兼ねているので、都市からも資金が入っている。金がある宗教は強いという訳だな。他の宗教については調べていないので解らん。宗教には関わらないつもりでいるからな。
そんな訳で、魔法の研究をしながら、社交に出ていた訳だな。資金はたんまりと稼がせてもらった。まだまだ少ないのだろうが、魔法屋をやるには十分な資金だと思っている。
魔法屋をやるにあたって、絶対に必要な物が建物だ。魔法屋をするのだから当然な訳だが、この建物を建てるというのが一番金が掛かる。何せ中金貨が5枚も必要だからな。
都市の建物というのは、基本的に税金で建てられている。そこを中銀貨1枚程度で貸し与えて税金としているのが、この都市のシステムだ。だから建物を建てるとなると、他の建物を潰して、建てなければならない。都市に払う金額が大きくなるという事だな。
一応、その金額は貯め終わっている。たんまりと稼がせてもらったからな。後は何処に魔法屋を建てるかにも因るんだが、なるべく安く済ませる方法というのもあるにはある。
既に廃屋に指定されていそうな所を建て替える方法だな。これだと中金貨2枚程で建てられる。私が狙うのはその建て替え時期に来ている建物を探すことだ。魔法の研究の合間に探していたのだが、いい所を見つけてある。既に目星は付けてあるのだよ。
少しばかりスラムに近いという点がネックなのだが、それは仕方がない。他の魔法屋との導線は繋がっている。立地は少しばかり悪いが、別にどうということは無い。
要は魔法が売れさえすれば良いのだからな。冒険者という職業に就いている者は都市の1割に達する。その中で中級魔法使いは0.05%程度もいる。初級1回しか使えない者も含めれば10%以上にはなる計算だ。割に合わないという事は無い筈だ。
それにスラムに近いというのにも利点は少ないがある。スラムにも冒険者クランが存在している。そこの魔法使いに売れれば問題は無い。冒険者の仕事は多岐に渡るが、クランならば討伐系統の仕事を受けているという事だからな。買い手は何人もいるという事だ。
そんな訳で、順調に準備は進めている。勿論、魔法の研究だってサボってはいない。色々な材料を試し、魔法陣作成での利点と欠点も洗い出している。
利点は狙った魔法がほぼほぼ確定で作れるという事だな。同じ魔法陣を描ければ、同じ魔法になってくれる。詠唱は違う物になることも多く有るが、基本的には同じ魔法になる。そして詠唱も単純化しやすい傾向にある。長い文章にならないというのは利点だぞ。
欠点としては、形が皮紙や魔石インクの影響を受けやすい所だな。皮紙と魔石インクの血と魔石は基本的に同じもので揃えるのだが、揃えると、魔法の形がそれに引っ張られてしまう。
例えば、ウルフで一式揃えたとしよう。そうなると魔法がウルフの形をとってしまう。簡単に言うと、地上の魔物相手にしか使えない代物になってしまうという事だな。
皮紙と血と魔石を別々のものにした場合は形が決まらずに火球や水矢といった形も取るのだが、そうなると威力が下がってしまう。形が決められても、同じもので揃えた方が基本は良いという事になるのだが、基本はあくまで基本だ。応用は出来る。
後は皮紙の大きさが決まってしまう。魔法陣は円を使う訳だ。正方形が望ましい。そうなると、皮紙が大量に余る。散文閥や文字列閥にしか売れない皮紙が出来上がってしまう。だから原価が高くなる。
そして最後に、図形が歪むと威力や範囲が大幅に落ちる。これについては問題ない。道具を使えばいいだけだ。定規にコンパスと言ったものを使えばいいだけなので欠点にはなり得ない。……その手の道具があるのかという事もあるのだが、最悪紐さえあれば何とでもなる。
威力や範囲はそこまで低くはないと思っているが、どうなのだろうか。地上の敵にはウルフの魔法が使いやすいと感じたのだが、これは使ってもらってからでないと解らんな。空の敵にはとりあえずノイジーバードの魔石インクを使うのがいいとは感じたが。
まあ幾ら作ったところで、今の私には回収の見込みが無い訳なのだが。まずは店を構えてからだよな。それまでは研究費として無駄金を費やしていく他ない。
店はそろそろ建て始めないと行けない頃か。まずは建築屋との相談だな。都市からの依頼も溜まっているだろうからな。私の店の建て始めは何時になるのやらだ。そろそろ独立の準備を始めよう。




