19話 9/9 幟が届いたぞ、アリアナ来店
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9月9日水曜日。幟は先ほど届いた。届いたので早速幟を設置して置いたんだが、目立つな。通行の邪魔にはならないはずだが。馬車の邪魔にもならんはずだ。……この前の通路は馬車の通り道では無いことが解っているがな。
何と言ってもスラムに近いからな。因みに冒険者ギルドにも近いぞ。魔法ギルドには少しばかり遠いんだがな。冒険者ギルドはそこの大通りに出て直ぐの所にある。ここは大通りから2本ほど離れた場所にあるんだ。
因みにスラムの人間がよく使う導線の所に店は立っている。時間が時間なら荷車を引いて大量の冒険者が通るのが見えるぞ。そんなような場所だから、スラムの魔法使いばかりに見つけて貰えるんだろうがな。スラムに近いのも悪いことばかりじゃないってことさ。
なんだかんだ良い都市だとは思うがね。ボロ屋敷が無いのが素晴らしいじゃないか。全部、都市営の建物なんだから。この建物だって建てる代金は払ったが、私の物にはならないからな。
その代わり、ボロくなったら新しいのを同じところに同じように建ててくれる。魔法屋だろうが、料理屋だろうが、病院だろうが、同じことだ。全て都市の持ち物なんだ。
なのにスラムがあるというのも不思議な話ではあるんだがね。路上で生活をしている人が何人もいるんだよ。大半はクランに参加しているとはいえ、中々な。上手いことは行かないんだろう。
スラムも何か所かあるんだよ。その内の1つと言うか、一番大きなスラムの近くに建っているんだ。冒険者ギルドが近かったから選んだと言っても過言ではないんだがね。
冒険者ギルドにもっと魔法使いが集まってくると思っていたんだ。他の魔法屋からの導線的にも外れてないしさ。もう少し人が入ってくるのかと思っていたんだが、思った以上にはこの道には入ってこないな。殆どがスラムの生活者の導線だ。
大きな道なんだがな。まあまだ始めて9日目だからな。客足が多くなるのも不思議な話なんだがな。むしろ既に3人に認識されていることを幸運に思わないといけないだろう。どうやって見つけたのかと言えば、近かったからといいそうな感じはするがね。
まあいいさ。補充も間に合っているんだからな。店番が終わってから魔法を作ってもまだ間に合うくらいには余裕がある。1日に何十本も出ていくような店になったら解らんが、今のところは大丈夫だ。
兎に角宣伝を怠るような事はしてはいない。飯屋では、必ず相席になった人には魔法店の宣伝をしている。今朝も先ほど宣伝をしてきたばかりだ。
魔法使いに当たるとは思っていないが、恐らくだが、飯屋に食いに来るのはクランの連中だろうからな。普通はあんな高い値段での飯なんぞ食べれるかと言ったところだからな。
儲けてるクランは儲けてるぞ。今の時期だとワイルドボア狩りで忙しいんだろうが、何かとイベントと言うか、強化月間の様なものがあるんだよ。その辺は冒険者ギルドが仕切っているんだがね。
その時期に合わせて、その時期に合った魔法を用意しないといけない訳だよ。魔法屋と言っても、同じ魔法を置いているだけでは駄目なんだよね。
今は風属性が売れ時な訳だ。ワイルドボアを狩るんだから当然なんだがね。後はウルフ対策に火属性でも持っていれば十分と言ったところか。平原、草原方面ではそんなところだろうさ。
ここの都市には大きく分けて3つの魔物の領域が存在する。まずは東西南北に主要な道路が走っているだろう? そこから山脈側。北から東周りに南までが平原・草原エリアだ。こっち側で農業をやっていることが多いから、ワイルドボアもこっちから来ている。
北の主要道路から西の主要道路までのエリアが森林地帯だ。そこから木材の調達や何やらをするんだが、こっちのエリアも奥に行けば行くほど、魔物が溢れている。
最後に西の主要道路から南の主要道路までのエリアが沼地だ。東側から河川が流れているんだが、そこに流れ込んでいる。で、大湿地帯になっているわけだ。そこにも魔物が出る。まあそこでも農業をやっているんだがね。
3方面で農業をやっていて、もう1方では林業。そんな感じだな。その奥に魔物のエリアがあって、時期がくると魔物が増えるから討伐依頼が入ると。そう言った感じになっている。
沼地でも農業が出来るのかだって? 沼でしか栽培できないものだって沢山あるんだよ。詳しくは知らないが、そっちの方でも色々とあるんだよ。
カランカラン
お、客だな。アリアナか。これで3度目か。アリアナのクランはワイルドボア狩りに力を入れているようだな。何度も魔法を買いに来るという事はそう言う事なのだろう。
「いらっしゃい」
「……ん。見ても?」
「ああ、どうぞ」
最低限の会話しかしないが、まあ気に入ってくれたという事なのだろう。それに魔力の相性が合っていたと言っていたしな。合えば使ってもらえやすいのは確かだからな。
魔力との相性が良くても、魔法との相性があるからな。それもまた仕方が無いことなんだよ。合う合わないは何かしらで必ずあることだからな。
「……これとこれ。お代は?」
「ウルフとゴブリンだな。中銀貨2枚だ」
「……値引きは?」
「今回は情報を貰っていないからな。流石に無しだ」
「……残念。はい」
「はいよ。毎度あり。またどうぞ」
ワイルドボアの魔法の改良が終わっていれば良かったんだろうがな。まだ終わってないんだ。横一列に並ぶってのが少し難しくてな。どうにかならんものかと考えてはいるんだが。
何はともあれ、今回も2本売れたわけだな。順調順調。認知されていると、こうやって魔法が出ていくからな。もっと広く知れ渡って欲しい反面、忙しくなりすぎるのも困りものなんだがな。
まだ1人でも何とでもなる。名前が売れて来れば従業員を雇う事をしなければならんが、それはそれでまだまだ先の話だな。まずはどんどん売ることを考えていっても良いだろう。