187話 9/22 細工店で買い物
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感覚の世界に口出しすると後々面倒になりかねないからな。クライヴ君には自分にあったものを選んでもらうとしよう。とりあえず、定規とコンパスがあれば何とかなるんだ。
コンパスはともかく、定規はどれも一緒だろうって? そうでもないんだな。この世界のものは全て手作りだからな。工業製品では無いんだよ。全部が全部違っているんだよな。
その辺は仕方が無い事ではあるんだけどな。工業化を達成できていない世界はそうならざるを得ないんだよ。全く同じものを作り出すには職人の技が必要だ。
「どういった定規を買えば良いんですか? 似ているものばかりなので、どれを買えば良いのかが解らないんですけど……」
「そうだな。やって貰う事は、直線を書くことと、長さを計ることだ。それができれば、定規としての役割を果たせたことになる。基本的にはどれも同じだ。これだと思ったものを買えばいい」
「そうなんですね。コンパスもそんな感じで選ぶんですか?」
「コンパスも同じだが、ペンを挟めるタイプのものを買った方が後々楽になるはずだ。後は、自分が使いやすそうだなと思ったものを買えば大丈夫だ。基本的には円を書く道具だからな」
道具との相性は使ってみない事には解らない部分もある。使ってみて、これじゃないなあって思う事もあるだろう。そういう時はまた別の道具を買えばいい。
道具はあくまでも道具なんだ。使ってなんぼの事なんだよ。使わない事には色々と解らない事もあるとは思う。慣れてきたら道具を変えることもあるだろうが、その時はその時だ。
「おう、客に呼ばれるのは珍しいな。俺が此処の店主のマーカスだ。んで? 今回の用事は何なんだ? 呼ぶって事はそれなりの仕事って事なんだろう?」
「ああ、店主がマーカスさんだったのか。商業ギルドでコンパスを買わせてもらった。今は大変重宝している。先にお礼を言わせてくれ。ありがとう。役に立っている」
「使い勝手が良いなら問題ねえな。何かあったら整備はしてやるから持ってきな。それで、仕事の話だ。そっちが優先だろう? 何を作って欲しいんだ?」
「閉じれる傘を。今の傘では場所を使いすぎる。閉じて持ち運べる様な傘を作って貰いたい。幸いにして、大体の案は出来ている。それを作って貰いたい」
そうなんだよな。今回の目的の1番はそっちなんだよな。クライヴ君を連れてきたのはあくまでも序でなんだよな。メインは傘の方だ。クライヴ君には悪いかもしれないが。
折り畳み式を作ってくれとは言わない。あっちは構造が解らない。前世では使っていたが、詳しくは見たことが無いからな。普通の閉じれる傘なら構造も解るんだよな。
詳しく傘を見ていた訳ではない。ないが、分別して捨てる時にはある程度の構造が解るってものだろう? 多分だが、普通の大人であれば、誰でも閉じれる傘の構造が解っているはずだ。
流石に材質をなんとかファイバー素材にしろとかは言わないからな。金属で大丈夫だ。金属で十分だ。とりあえず、傘が閉じれれば良いわけだから、それでいい。
「閉じれる傘か。まあ今の傘が邪魔なのは解る。閉じるってなると、色々と弄らないといけないか? ああ、だから細工店に持って来たのか。鍛冶店でも良いわけでは無いのか」
「鍛冶店でも良かったんだが、閉じるための動作部分を作るのは細工師の仕事だと思ってな。それに私の知っている鍛冶店は無かったんだ。知ってたのは此処だけだからな」
「なる程な。伝手が無かったって訳か。まあこれも縁だ。縁ってものはどうつながるのか解ったものじゃねえ。とりあえず言ってみな。そのように作ってみらあ」
「素案については出来ているから、皮紙とインクを貰えないか? 書いた方が解りやすいだろう。後は手でなんとか説明をする。それの方がやりやすいからな」
とりあえず、書くものをくれれば、ある程度は書けるんだよ。後は理解してもらうのに手でなんとか説明をする。そうすれば、解って貰えるとは思うんだよ。多分だが。
何といっても職人だからな。その通りになるとは思えないんだがね。自分のやりたいように作って貰えればこちらとしても嬉しい。イメージはこっちが用意するからさ。
とりあえず、傘になれば大丈夫だ。皮なんかの素材が丈夫であることが必要なんだが、それは何とでもなるだろうからな。その辺は完全に任せる事になる。
そもそもの話、傘を作っているのは何処なんだという事もあるんだがね。傘の専門店がある訳でも無いんだろうしな。多分鍛冶店が作っているんだろうと思っている。
金属の部分が多い訳だしな。傘は金属製品だ。木材ではない。だから結構重いんだよな。傘を差しているのは結構腕が疲れるんだよ。
木材でも良い気がするのは確かなんだがね。木材は他の所に需要があり過ぎるんだよな。金属なら傘が駄目になっても、鋳つぶして作り直せばいいだけだからな。
まあ今後は細工師の仕事になるんだろうと思う。細工店が忙しくなるな。細工店が足らないって事になりかねないが、それは私の知るところではないのでね。
忙しくはなるだろうさ。とりあえず、人数分は確保しないといけない訳だからな。そして雑に使って壊れることもあるだろう。そうなると、傘専門店になりかねないが。
傘専門店もできれば良いとは思っている。傘を専門で作るだけの店があっても良いじゃないか。それでも十分に儲けが出るとは思うぞ。細工の技術が必要にはなるけども。




