176話 9/21 12人目の客
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客が来てくれるだけで、大変助かる。紅茶を飲みながらそう考えている次第だ。客の入りはかなりの重要事項だからな。客が入らない店に価値は無いと言っても過言ではない。
結局売らないと話にならないからな。買ってくれる客がいない事には話にならんのですよ。兎も角誰かしら何か買って行ってくれと願う訳だ。魔法しか置いていないんだがね。
魔法は消耗品。温存するものでも無いからな。どんどん使って消費をして欲しい所ではある。売れる魔法も売れない魔法もあるんだろうが、とりあえずは使って見て欲しいよな。
魔法屋が足りていない以上、売れないという事はまず無いと言って良い。作れば作っただけ需要はあるんだよ。それだけ魔法というものが市場に足りていないと言う事なんだから。
逆説的に言うと、市場で足りていない筈の物が此処に余っているのだから、認知度が低すぎると言う事なんだろうな。認知度を上げていかないと、誰も買いに来てくれないからな。
常連たちだけでも、十分に利益が出るのかもしれないが、他の魔法屋に比べて、利益が低いだろうからな。向こうは1日に50から100近く生産して、全てを売り払っているわけなんだから。
私の様に、1本売れた売れなかったで一喜一憂している暇などなく、常に完売を目指しているのだから、勝負にもなっていない。まあ向こうも競争相手として見てる訳ではないだろうが、私の方からすると競争相手だ。それももの凄くハードルの高い。
まずは売らないと話にならない。毎日生産して売り切れるところを目指さなければ、お話にもならないんだよ。ライバル店とも言えないんだよな。認知度が低いのがいけない。
かといって、認知度を一気に上昇させるスペシャルAがある訳でもなく。なんだかなあ。地道にやって行かないといけないんだろうな。なんともまあ気の長い事で。
認知してくれることを祈るしか無いんだよ。宣伝はやって行くさ。やって行かないと人が来ないからな。普通の魔法屋は常に人が入っている状態だろうからなあ。
そこまでの域に到達するのはまだまだ先の話だ。紅茶を飲んでいる余裕がある内はまだまだと言う事なんだよ。仕事終わりの紅茶が美味いと言えるくらいにならないとな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「へえ。冒険者ギルドの宣伝していた店は此処かい。魔法が沢山残っているじゃないか。まだまだ新米の店って事かい。良いじゃないの。あたしも買わせてもらうよ」
「買ってもらえるのは助かる。一応名前とクラン名を教えて貰えるか? 今後もあるかもしれないからな。覚えておきたいんだ」
「いいさ。あたしはケイト。クラン「情熱の旋律」で魔法使いをやっている。今回限りにならないことを願っているよ。よろしく、店主君」
元気のいい感じの魔法使いだな。なんだか前衛を張ってますって感じの女性だが。これでも魔法使いなんだよ。魔法屋に来ていると言う事はそう言う事なんだよな。
まあ前衛も魔法使いも見た目では解らんからな。見た目で解るのは前衛かどうかくらいじゃないか? 流石に前衛ではないと言うのは解るぞ。アリアナとかを前衛に立たせたら死んでしまう。
勝手なイメージで申し訳ないが、前衛でも戦えそうな女性なんだよな。割と筋肉が付いている。特に足回りがしっかりしているように見える。どっしりと構えて居られそうな雰囲気を感じるな。
「へえ。変わった魔法が多いね。と言うか、そう言う魔法だらけかい? 範囲も形も普通の魔法とは違う感じしか見受けられないんだけど」
「そうだな。作り方からして違う魔法だからな。好みはあるだろうが、形はそんな形ばかりだな。後は何処で戦うのかにも因るんだが、使えない場所と言うのがあるな」
「魔法に因っては使えない場所があるのは当然だろう? 特に属性なんかは気を付けないといけないからね。有利な属性を叩きつけてやらないといけないのさ」
「まあそれもそうなんだが、この魔法群の中だと、ノイジーバードの魔法は森では使えない事になる。それ以外は他の場所でなら使えるとは思うがね。ノイジーバードは森では鬼門なんだ」
飛び立つ関係上、目標をロストする可能性が高い。見失わない特性がある訳でもないからな。多分駄目な筈なんだ。後の魔法は何処でも使えるとは思うんだがね。
後は、ノイジーバードには使えない可能性があるって所か。飛んでいる敵にはノイジーバードの魔法でないと対抗できないと思われる。ノイジーバードが下に降りてきているなら別なんだが。
「それならあたしには関係ないね。あたしは沼地で活動しているからさ。魔法も欲しいのは土属性と風属性だ。特に土属性は欲しい所さ。他の店では余り売っていないんだよね」
「正直な所、沼地で活動する冒険者が少ないのもあるとは思うぞ。後は、沼地と言っても、ロードゴーレムの方を狩りに行くのであれば、風属性だからな。土属性はマッドフロッグだけだろう?」
「そうなんだよねえ。だから土属性の魔法を置いてある魔法屋は少しばかり珍しいんだよ。こっちとしては有難いことではあるんだけどねえ。売れないと魔法屋もいけないんだろう? だから土属性が置いてある店は有難いのさ。この3つを買って行くよ」
「中銀貨3枚だ。……毎度どうも。また来て欲しい」
「それは魔法次第さ」
行ったか。沼地で活動をしている冒険者が少ないのはその通りだからな。森に比べても少ない。だから土属性は置かないという店は確かに多そうだ。土属性を作っても売れないんだからな。
私は作るがね。一定数は確保しておかないといけないだろうさ。土属性を求める客はこれで2人になった訳だからな。ある程度は確保しておきたい。今後次第でどうなるのかは解らんけどな。




