175話 9/21 11人目の客
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紅茶を飲んで落ち着いていることしばしば。お客は来ないぞ。まあ当然ではあるんだけどな。ここの店は売り切れが無いんだから。そこまで客は来ていないと言う話だな。
客の入りは仕方がないよな。1日に3人来れば多い方だからな。それはどうなんだと言いたくもなる。魔法屋としてはかなり客数が少ないと言う事だからな。
多ければ多いに超したことは無い。多い方が良いに決まっているからな。当然だよな。魔法が売れる方が良いのは誰がどう判断してもその通りなんだから。
売れる魔法が沢山あるのは良いことではあるんだけど、それでもな。何とかならんかねえ。客を一気に呼び込む方法があれば知りたいくらいだ。無い事は無いんだが、やりたくないし、させたくない。
東の中央通りでサンドイッチマンをやれば、必然と魔法使いの客は増えるだろうさ。そんな辱めをしたいのかと言う話でもあるんだが。やりたくはないよなあ。
1年後も同じような状態であれば、考えるけどもだな。それ以外であれば、とりあえずはこのままで行きたい。まずは地道に宣伝を頑張ってみる。それからだな。
成果が出ないことは仕方が無いんだよな。ランダムマッチングなんだからさ。食事をしている冒険者が魔法使いのいるところなのかどうかは運次第だしな。
それにだな。非戦闘職を抱えている所だと、飯屋に来る回数も減るんだよな。非戦闘職が飯を作るんだから当然の話ではあるんだけどさ。飲みたい奴らが来るだけだろう?
そんな気がしているんだが。まあ偶には外食をしたいよねって話もあるんだろうがね。自分の金で食いに行く分には誰も止めたりはしないだろうからな。クランの金で食事を用意しているんだから、当然自腹で食いに行く事になるんだよ。
そんなに人数がいるとは思えないんだがね。でも、食事処は常に満員状態なんだよなあ。それだけ冒険者の数が多いって事なんだろうが。冒険者とも限らないんだがね。
多くても冒険者の数は1割だからな。他の仕事もあるんだからそれくらいになるのは当然の事なんだろうと思う訳なんだが。まあそれでも多いとは思うけどさ。
冒険者の数が多くて困ることは特にないな。私としては、魔法使いの数がもっと居てくれた方が有難いんだが、それだと競争が激化しそうだけど。まあ魔法屋としては嬉しい限りだ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりとしていってくれ」
「へー。こんな所に魔法屋があったんだ。知らなかったな。新しくできていたんだ。何かあるなと思って来てみて正解だったよ。店主さん魔法を見させて貰うよ」
「ああ、自由に見て行ってくれ。それと、名前とクラン名を教えてくれないか? 一応は覚えておきたいんでね。まだ客数が少ないんだよ」
「それは仕方が無いんじゃない? 場所が悪いとしか思えないよ。あ、僕はウィリアム。クラン「掌握の審判者」の所属だよ。魔法次第では何度も利用することになると思うんだ」
そうかそうか。新しい客が来たか。何とも嬉しいことだな。宣伝もせずに魔法使いが見つけてくれるのは本当に助かる。立地が悪いのは後から解ったことだからなあ。
まあ何にしても魔法が売れてくれればそれでいい。後は何とかなるだろうからな。魔法が少しばかり特殊なのは仕方がないとしてだな。それは仕様なんだ。
形を気にすると思うんだよな。威力や範囲、……範囲も少し特殊か。色んなところが特殊なのは目を瞑って貰うしか無い訳なんだよな。それしか選択肢が無いんだよ。今の作り方だとな。
「うーん。初めてみるタイプの魔法だね。何と言うか、威力は結構高いんだけど、それ以外が解りにくいと言うか。数も十分だけど、範囲の地上って言うのはどういう事なんだい?」
「範囲が地上と言う事は、形に由来する。魔法の形が特殊なのは見て貰っている通りなんだが、魔物の形をしている。その魔物は空を飛べない。すなわち地上の敵しか攻撃できないとなっている」
「あー、そう言う事。例えばゴブリンだと空を飛べないと。そう言う事ね。まあ魔法が解りにくいのはいつもの事なんだけど、これってどのくらいまで遠くに行くのか解る?」
「ゴブリンだと、走って行くからな。30分くらいは走って行くんじゃないか? 今の所、範囲が狭いと言う報告は受けていないし、それとは違う魔法にはなるが、試し打ちの時には10分は走り続けていたな。そのくらいは遠くにいけると言う事だな」
普通の魔法よりは範囲は広いぞ。地上しか攻撃出来ないけど。その分範囲は広いんだよな。それが利点でもあるんだから当然ではあるんだけども。
まあ使ってもらわないと感覚は解らんとは思うぞ。それについては他の魔法と大差ない。使ってみて、駄目なら諦めて貰うだけの話だな。風属性の魔法を見ていることから平原で活動しているんだろうけど。
「うん。とりあえずは使ってみることにするよ。それで様子見かな。良ければまた来るし、悪ければもう来ないと思うから。じゃあこの2つをお願い」
「中銀貨2枚になる。……毎度どうも。また来てくれると嬉しいな」
「それは魔法次第だね。じゃあまたね」
リピートしてくれると凄く有難い。お客は多いに超したことは無いからな。徐々に増やしていきたいと思う。徐々にでも増えていっているのは良いことだよな。
何にしても売れたと言うのは良いことだ。売れないと寂しいことになるからな。1日に数本でも良いから売れてくれるのは有難い。特に新規のお客は有難いよな。
良く見つけてくれたと言いたくなるよ。立地がなあ。初めは良いと思っていたんだが、よくよく考えると悪いんだよな。やっぱり東の大通りに面していた方が良かったのかねえ。




