168話 9/20 10人目の客、買い方が豪快過ぎる
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さて、なんだかんだと紅茶を飲む仕事をしているわけなんだが、客が来ないのは仕方が無い事なんだよ。そろそろ10時ごろ。早い所は売り切れで閉め始める頃だろうか。
私の店は売り切れの心配が無いからな。まだそこまで客が多い訳ではない。毎日作っても売れるのは精々10本が限界ラインだろう。何故か大量に買って行くやつもいるんだがね。
大量買いしてくれるのは有難いな。まだまだ売れる見込みの無い魔法を大量に買ってくれるのはとても有難い。新規の客が増えてきたら何かしら考えないといけないのかもしれないが。
そんな心配が出来るようになってくれれば良いんだが。まだまだ先の話だな。まだ客の名前と顔が一致するだけしか来ていないからな。そんな事を気にしていられないくらいには客が来て欲しい。
そんな日々は1年後になるだろうがね。とりあえずは宣伝をしながら、徐々に増やしていくしかない訳なんだよ。忙しくなるのは良いことだが、早々になるとは思っていない。
まだまだ木っ端の魔法屋ですよ。認知度が低い魔法屋なんだよなあ。認知度を上げるにはどうしたらいいのかは考えてもな。時間と共に、宣伝をしていく他ない。地道な作業になるな。
その前に、売りになる魔法を作らねばならないんだがね。普通の魔法しか置いていない店なんて正直な所、他の魔法屋と大差が無いからな。売りになるものが無いと、固定客が出来ない。
その魔法を求めるのであれば、此処に買いに来ないといけないという魔法が欲しい訳だな。今現在であるのは、形が特殊な魔法だけだからな。それが売りになるのかは解らん所だ。
後は、ミーガンに渡した状態異常魔法がどの程度の威力を誇ってくれるのかによるんだよな。結構強いと思っているんだが、ワイルドボア相手に通用するのかどうかだな。
後は、属性の相性なんかがあるんだろうが、状態異常魔法が使えないという事は無いだろう。恐らくだが、生きている以上、麻痺にはなるだろうと思っている。
それでも耐えてくる魔物は居るだろうがね。それこそ、中級魔法の素材となる魔物たちはレジストするだろうからな。それでも多少は効くのでは無いかと踏んでいるんだがね。
生前のゲームの話をするのであれば、状態異常は強い部類の攻撃だった。麻痺が強かったのかと言われると、微妙な所はあるんだが、現実世界で考えると麻痺が妥当なラインだと思うんだよな。
そりゃあ眠り続けてくれるのであれば、眠りの方が強いんだろうし、即死級の毒を盛れるのであれば、毒の方が強いだろう。まあ初級の範囲で考えるのであれば、そんな強い毒は在り得ないんだろうがね。流石に無理だろうと思う訳だ。
状態異常の考察はしたさ。結果麻痺が一番使いやすいんじゃないかって落ち着いたんだからな。何にせよ報告待ちだ。早めに解ると嬉しいんだがね。そう簡単には事は運ばないだろうな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「ああ、見させて貰うよ。新しい魔法屋の魔法がどんなのかは興味があるんだ」
「そうか。はじめてみる顔だからな。クラン名と名前を教えてくれ。一応覚えておきたいんだ」
「ああいいぜ。私はスーザン。クラン「闇を払う灯」に所属している魔法使いさ。ぞろぞろと大所帯で来るわけにもいかないからね。今回は私1人で来たんだよ」
確か、タイフーンウルフを狩っていると言っていたクランだったか。早速来てくれたようで嬉しい限りだな。魔法使いが多いから期待をしているクランなんだよな。
沢山で来るのか、買い出し要員がくるのかの何方かになるんだったんだろうが、買い出し要員が来た感じだな。まあいいさ。とりあえずは魔法を見て行ってくれると嬉しい。
で、やっぱり見るのは火属性か。まずはそこからだろうな。幾つか手に取り、属性を確認したんだろうな。今は火属性のところで立ち止まって読んでいる。ゆっくりと見て行ってくれよな
「随分変わったタイプの魔法なんだねえ。形が特殊だ。こんな形にしないといけない理由があるのかい? 形なんてどうでもいいとは言わないが、これは初めてみるからね」
「ああ、形は変えられないんだよ。そう言う魔法の作り方をしているんだ。まあ変えられないという訳でも無いんだが、威力や範囲が犠牲になる。であれば、形はそのままにしておいた方が良いんだ」
「まあ深くは聞かないさ。どうせ言えないんだろうからね。とは言いつつも、形はこの近辺で倒せる魔物ばかりだね。種類はもう少しいるとは思うが、使い勝手のいい形だけを使っているのかい?」
「材料で確定してしまうからな。材料が取れない魔物はそもそも魔法に出来ない。そう言う法則があるんだよ。使い勝手は悪くないはずだ。ウルフ相手にも戦える筈だが」
形にも寄るんだが、ある程度は戦える筈だ。ウルフの知能ではマッドフロッグの魔法がどう働くのかが解らない所があるが、使ってみてくれない事には解らんだろうからな。
「まあ見たところ、変な魔法では無さそうだ。とりあえずは全部だ。火属性と氷属性の魔法を全部出しな。今回はそれだけ買って行くからさ。皆の分が必要だろうからね」
「……全部か? 倉庫にある奴も買って行く気か?」
「ああ、そうだ。まだ普通の冒険者には火属性も氷属性も売り出さないだろう? ならば今が買い時だ。全部買うから準備を頼むよ」
「まあ、別にこちらは構わないが、小金貨2枚になる。……毎度どうも。じゃあ運んでくるからな。まずは店頭にあるものを持っていってくれ」
全部買うのか。豪快にも程があるだろう。まあ確かに、10月頃にならないと使い道が無いとは言え、全部買われるとは思わなかった。大口の客になってくれることは有難いが、これは、ちょっと。
駄目とは言えない手前、全部を売り払ったんだがな。買い方が強すぎる。これが大手のクランの買い方なのか? 解らんね。これを標準としても意味がない気がする。
売れたという事で良いことにするか。在庫が無くなってしまったが、材料も無いんだよな。クライヴ君に買ってきてもらわないといけないな。ちょっとこれは想定外だ。




