161話 9/19 続クライヴ君とのティータイム
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「まあ解っていないんだろうな。作り方は秘匿している。そうしないと魔法屋が成り立たないからな。作り方を知らなくても使えるものは使えるからな。魔法の使い方は教わるだろう?」
「使い方を教わると言うよりは、魔力を計るのに魔法を使わされると言う方が正しいとは思いますけどね。僕の場合は2回しか使ってませんし」
「それ以上は使わせても無駄だからな。魔法兵に成れるのかどうかの選別を行っているだけだからな。魔法兵には成りたくは無いけどな。あんな仕事は御免だな」
「え? でもエリートじゃ無いんですか? お金も結構な額を貰えると言うのを聞きましたし、強制的に魔法兵になることになりますが、待遇は良いと聞いているんですけど」
魔法兵はエリート。それは間違いではないな。エリートだからどうしたと言う話ではあるんだが。結果的に戦争に駆り出されるのだからマイナスでしか無いと思っているんだがね。
所詮は兵士なのだよ。エリートと言えどもそこは変わらない。魔法が使える兵士。上級魔法が使える兵士。魔法使いという認識よりも兵士という認識の方が強いんじゃないかな。
それでもごく少数の魔法兵に選ばれたんだから、凄いことだとは思うがね。思うが、私は魔法兵なんぞに成りたくはない。わざわざ戦争に行きたがるような性格でも無いしな。
私は魔法屋を細々とやれていればそれでいいのだよ。その方が良いんだ。何も戦場に行かないといけない兵士よりは健全な精神の持ち主だと思っているよ。
「エリートではあるし、お金もたんまりと貰えるぞ。その点はいいかもしれないが、所詮は兵士だ。貴族の使いやすい駒でしかない。それでもいいと言うのならば別だがね」
「そうなんですか。魔法兵って何と言うか、憧れ的な位置に居るものですから、そっちの方が良いのかなって思っていたんですけど、そうでも無いという事なんですか?」
「憧れの対象にするのは間違いではないな。確かに上級魔法を使えるし、待遇ももの凄く良い。平民が出世を考えるのであれば、魔法兵は最高の位置だとは思う」
「そうですよね。僕も魔法がもっと使えれば良かったんでしょうけど、現実は2回だけですし、成れっこないのは解っているつもりなんですがね」
夢見るのは勝手だが、要するに魔法兵とは、戦場で魔法を使う者たちの事なのだよ。虐殺者と言っても過言ではない。上級魔法を対人間に使えば、そうなることは解っている。
過剰なのだよ。人間相手に使うのであれば、せめて中級魔法で十分なんだよな。威力が上級魔法レベルに高められていても、そこまで意味はない。
意味はないが、戦場では上級魔法を使うのだろうな。素材が勿体ないだけな気がするんだが、それはどうなんだろうな。私としては、戦場では中級魔法で十分だと思うんだがね。
人を殺すのに当たって、上級魔法では過剰すぎるからな。何が悲しくて上級魔法を捨てる様な事をしなければならないのかと言えば、相手もまた上級魔法を使ってくるからだな。
相殺するのには上級魔法で無ければならない。中級が束になったところで、上級魔法は止められない。だから上級魔法を持っていくのがセオリーだという事は解っている。
解っているが、何ともな。そもそも戦争をするんじゃないという話でもあるんだがね。戦争が無ければ、戦場で魔法を使う事が無いんだからな。
「魔法兵に成りたかったのか? 魔法兵は魔法を使うだけの兵士だぞ? 結局は戦争の道具とされているだけに過ぎない。そんなのが良かったのか?」
「……戦争の道具ですか? でもあんまり魔法兵に対して悪い話は聞きませんでしたよ? 教会の人も魔法兵に成れるのであれば、魔法兵になった方が良いって言ってましたし」
「教会はそう言うだろうな。そのために金を貰っているんだからな。疑えとまでは言わないが、大人のいう事をまともに聞いているだけでは碌なことにならないぞ」
「でもそれって、誰も信じられる人がいなくなりませんか? 魔法兵が憧れの様な存在なんですけど、それがそうでも無いって言われても困るというか」
それが正常な反応なんだろうな。魔法兵の素晴らしさを教えていれば、そうなるだろうな。洗脳教育と一緒だ。その辺は貴族と教会が手を握っていることだろう。
教会も慈善事業で教育を行っているわけでは無いからな。当然お金がかかる。そのお金の出所は何処なのかと言えば、商業ギルドや貴族から出ているわけだ。
彼らに取って不都合な事は教えないだろうな。どんな教育をされているのかは知らないが、魔法兵を礼賛しているんだろうか。その可能性もあるんだよな。
「まあ全てを否定しろとは言わん。もう魔法兵に成れないことは確定しているんだからな。特段害のあるものでもない。私の認識としては魔法兵は戦争の道具だという事を覚えておいてくれ」
「解りました。でもそうなると魔法を作っても良いものなのか疑問になってくるんですけど、その辺はどうなんですか? 魔法もそんなに良いものでは無いんですか?」
「魔法が良いものか悪いものかは判別が付かないな。魔法が無ければ、魔物に対しても有利な状況を作れない訳だしな。魔法を全否定するつもりはない。全否定するくらいなら魔法屋をやっていないだろうという事だな」
「それもそうなんですけど、魔法に対して何か恨みの様な物があるのかなって思って。でも魔法を作っているし、なんでなんだろうって思っただけです」
魔法は便利なものだ。これはその通りなんだよ。便利であっても問題ない。便利である方が良いに決まっている。不便な物を使おうとは思わんだろう。
魔法は便利でも良いんだが、魔法兵はなあ。所詮は駒。貴族の点数稼ぎの様な側面があるからな。この都市が大きいのもそう言う事だろう。魔法兵を効率的に集めるなら人口が必要だ。
馬鹿デカい都市をしているのにも理由はあるという事なんだよ。貴族の都合なんだがね。どうしようもない欲望の塊なんだよ。自分本位で欲望に塗れたのが貴族だからな。




