143話 9/18 貴族院の発表は年間何回かあるぞ、魔法は不便だが便利なものなんだ
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カランカラン
「いらっしゃ……おかえりなさい」
「ああ、今戻った。客は来たか?」
「いえ、来なかったです」
「そうか。まあそうだろうな。まあいい。このまま店番を頼めるか? 客が来たら呼んでくれ」
「解りました」
店番はクライヴ君に任せた。客が来たら呼びに来てくれるだろう。客では無かったら知らないんだがね。客で無い者が来るのかどうかは未知数だがな。
普通は来ない。客以外が来るって言うのはどういう状況だろうか。宗教の押し売りとかか? まあこの都市ではというか、この国では6神教の1強なんだがね。
6神教以外が碌に息をしていないんだからそんな事にはならんだろう。物の押し売りの方がまだ現実的だな。それも殆ど無いとは思う訳だが。何を押し売りされるんだろうな?
魔法屋に押し売りをかけてくるのであるから、魔法関連の代物なのだろう。新しい魔法の作り方でも押し売りをするのか? それなら商業ギルドを通じて、貴族院にでも発表に行けば済む話だからな。
それか新しいインクの開発にでも成功したかだな。しかしながら、それにしたって、貴族院に発表をすればいい話だな。使い物にならなくても賞金は多少貰えるぞ。
そうだ。賞金は貰える。ある程度の成果であれば、賞金は貰えるんだよ。貴族だって馬鹿ではない。将来性のありそうな物については、とりあえずの賞金は出るんだよ。
流石に将来性の無さそうな物については出ないが、発表に足ると商業ギルドが判断した段階で、賞金が幾らか出るのは確定と言っても良い。
まあそんな事はそうそう在り得ないんだがね。簡単にあって堪るかという話でもあるんだが。そもそも簡単に見つかるようならば、他の誰かも見つけているという事なんだよ。実用レベルの発表なんて殆どないと言っても良い。
それでも年間に数度は発表されているそうだぞ。平民がではなく、貴族がだが。平民の発表は10年に1度あるかないかくらいのものだからな。貴族の発表は何度もある。
大体が碌でもない事なんだがね。実績作りに躍起になっている貴族がいるという事なんだよ。既にあるものを発表するのも珍しくも何ともない。
偶に偶然の出来事によって、画期的な物が生まれることもあるんだが、まあ大抵は実績が欲しい貴族の為の発表会だ。既に発表を終えている物の続きとかで良く発表をしている。
勿論だが、蹴られる。論を持ってぼこぼこにされる。それでもめげないのが貴族の凄い所だな。あの場面を経験するだけの為の発表なんてものもある訳だな。
利点? そんなものはない。貴族院で意味ある発表をしたことがあると威張れるだけだ。大抵は後で調べて碌でも無い発表だったとバレる訳なのだがな。
それでも何も無いよりはマシではあるんだよな。偶にウケる事もある訳だしな。何を根拠にウケるのかは全くわからん所ではあるんだけどな。
聞いた話に寄ればだが、領主の子息の発表でさえもぼこぼこにしたという実績が残っているくらいだからな。貴族院の連中は誰に媚び諂うのかを考えていない。
考えていたら実家を継いでいるという話である。実家を継げなかったが、貴族のままでいて貰わないと困る人材のたまり場みたいな場所ではあるんだよ。
流石にお家断絶となってはならないからな。スペアでとっておかないといけないんだよ。貴族ってそう言うもんだよ。戦争がありました。死にました。次期がいませんでは話にならないからな。
まあ戦争とも無縁とまではいかないが、この辺は平和なもんだ。特に出兵の話も聞いたことが無いしな。小競り合いはよくあることなんだろうがな。
一応これでも大都市なんだよ。人口は馬鹿みたいに多い。その分軍の人口も多いんだがね。誰が何処まで広げろと言ったのかは知らないが、阿保程広いこの都市、ラッセルクルーはどういう位置づけなのかが、今一つ解っちゃいない。
その辺の事も探りをいれたんだが、周りの連中は知らなかったし、母親からも教えられなかったからな。私には渡せない情報だったんだろうな。
一応解っていることは、ラッセルクルー公爵家の領地であって、此処が領都だって事くらいまでしか解らない。後は、海は無いのと、国境には隣接していないという事くらいか。
戦争とは縁遠い領地だという事だ。公爵家だからな。何かしら王族との繋がりがあるんだろうな。王族が有能かどうかは知らないんだよな。
流石にそこまでの情報は拾えなかった。所詮は平民落ちを決められていた身分であったという事なんだよ。まあ誰の領地でも構いはしないんだがね。魔法屋をやるだけなんだから。
さてと、ゴブリンの魔法はこれで最後として、皮紙が無くなったな。まあまた買って来て貰わないといけないな。それはまた今度で良いが、後はどうするか。
そうだな。レッドベアの魔法を作ってしまうか。残り3枚しか残っていないしな。これも全部使ってしまうとするか。とりあえず、風属性で作るとしよう。タイラー君は買って行くだろう。
これはもしかして、在庫管理をするのがかなり面倒な事になるのではないか? 将来的にだが、定期的にもの凄い量の皮紙と魔石インクを買いに行ってもらわないといけないのでは?
1度の買い物で300枚400枚と買わないと、毎日仕入れに行ってもらう羽目になりそうだな。それでも材料が足らないという事態にはならないんだろうがね。
材料は足りる。その分冒険者が狩ってくるだけだからな。魔法1つで数十枚分は確保するだろうからな。もしくは百枚に達するかもしれないしな。
魔法は不便だが、便利な物には違いない。威力や範囲が決められているが、強力な武器である事には違いない。冒険者も魔法使いもそれは解っているからな。
だからこそ、魔法屋が出来ている訳なんだがね。魔法がある程度簡単に作れるのであれば、そんな苦労は誰もしていないという事なんだよ。もうちょっと簡単であって欲しかったが、そうはいってもな。
誰が考えたのか知らないが、よくもまあこんな魔法の作り方を考えたものだ。考えた奴は天才だったんだろうな。天才は理屈を通り越すからな。そう言う存在なんだよ。
凡人の私はその恩恵に預かる事しか出来ない訳だ。ちょっと特殊な魔法の作り方をしているが、これで天才だと言われても困る。本当の天才は理解できないからな。そんなものだ。




