141話 9/18 まあ午後からは客が来ないだろうしな、大規模クランは自前で魔法を作っていると思われる
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カランカラン
「ただいま戻りました」
「お帰り。じゃあ今度は私が飯屋に行ってくるから、店番を頼む。来た客には名前とクラン名を聞いておくこと。その位かな。後は値下げはしない事。ちゃんと中銀貨1枚で売る事。いいね?」
「解りました」
まあ注意することなんて殆ど無いんだけどさ。碌でも無いのに絡まれる可能性はある訳だ。はっきり言って迷惑以外の何物でもないんだけど、悪気があってやっているわけじゃないってのが一番質が悪いんだよ。明確な悪意があればやりやすいんだがね。
まあ大丈夫だろう。初めて店番をさせる訳じゃないからな。まあ前回も客は来てないみたいなんだがね。客はもう来ないだろうと思っている。そんな時間だからな。
来るとすると完全に新規の客となると思うんだがね。まあそんな客は稀だろうと思う訳だ。多分だが、客は来ない。残念ながらな。時間帯がそうなんだから仕方が無いんだよ。
まあまだ調査結果を完全に当てにしている訳では無いんだが、とりあえずはそう言う事だろう? 魔法使いは午前中に魔法を買い漁りに行く。それで決定だと思うんだがね。
現に午後に来店した例は殆どない筈だ。大体が午前中だったと思う。記憶が正しければだがな。例外は殆ど無かったように思えるんだがね。
まあ何時来ようが私の店は歓迎するんだがね。午後からでも来てもらっても構わない。売れ残っている魔法は沢山あるからな。風属性以外の魔法な訳なんだがね。
風属性が売れるのは必然だよな。このまわりに土属性の魔物が多いんだからな。その辺の市場調査をもっとしっかりしておけば良かったとは若干後悔している部分でもあるんだが。
一応、表には出してはいないが、雷属性と氷属性の魔法も死蔵されている。いつ使うのかという魔法たちではあるんだが、今ではない。今は風属性の時期だからな。
兎に角、在庫を始めに作り過ぎたというのが現状だ。作るのであれば、風属性だけでも良かったという事だな。かなりの魔法を無駄に作ってしまっている。
そんな事は始めてみないと解らない事だからな。仕方がないと割り切るしか無いんだよ。何処にも売れないのであれば、最悪は商業ギルドに流すと言う手も使えるからな。
別の町であれば、使える可能性はある訳だ。……若干手数料を取られる訳なんだがね。売り上げの1割ほどを持っていかれる。前購入なんだから仕方がない所ではあるんだけどな。
簡単に言うと、小銀貨9枚で売ることになる。そして、商業ギルドは自由に値段を付けることが出来るんだな。あくまでも移動距離や何やらを加味して値段を決める事となる。
基本的には魔法屋と魔法使いの関係は他の都市でも町でも変わらなかった筈だからな。魔法屋が足りていなくて、魔法使いが多いというのがスタンダードだったはずだ。
別段この都市が魔法屋が不足している訳ではなくて、魔法屋が足りている町や都市の方が少なかったと思われる。この辺は貴族教育で色々と聞いたところではあるからな。
魔法使いが自分の使う魔法を作れれば、魔法屋なんてものは必要ないんだが、基本的には文字列閥でしか作れないからな。詠唱が嫌いな魔法使いも居るからこそ、魔法屋がある訳なんだよ。
文字列閥の作り方で良いのであれば、作れる。色々と盛り過ぎて中途半端になるのが目に見えてはいるが、作れることは作れるだろうな。それでいいのであれば良いんだがね。
良くないからこそ、この都市でも魔法屋は流行っているんだからな。貴族教育で教わるとはいえ、平民が魔法を作ること自体が余り無いんだよ。魔法屋くらいなんだ。
本当に大規模なクランは解らん。あそこには魔法の作り方があってもおかしくは無いと思う。そうでないと、魔法屋が足りなさすぎるからな。明らかにおかしいからな。
需要と供給が合っていないと思われる。供給が圧倒的に足りていないと思われるのにも関わらず、魔法屋が今の状態でいられるという事はそう言う事なんだろうと思う訳だ。
大規模クランは自分たちの為の魔法は、自分たちで作っている。そう思わざるを得ないんだよ。そうでもしないと、大規模クランが魔法を買い漁るだけで終わってしまうというもの。
何百人と魔法使いを抱えているんだ。1回の戦闘でどの位の魔法を消費するのかは知らないが、1人につき1つでは足りないだろうからな。結論としては自分たちで作っているとなる。
恐らくだが、過去に私と同じような境遇の者がクランに在籍していた過去があるんだろう。そこから魔法の作り方が漏れて行ったのだと思われる。
全体に漏れてしまっては、魔法屋の価値が無くなってしまうが、大規模クランに漏れる分には問題はない。むしろ漏らしてくれてありがとうと思っていることだろう。
殆どの魔法使いがな。そうしなければ、魔法屋の軒数は倍以上必要になるだろうからな。魔法屋を志してくれる魔法使いが多くいれば良いんだが、大抵は冒険者に流れて行ってしまうからな。
私の様に没落貴族が魔法屋を始めない限りは、店を持つなんてことは出来ないだろうからな。出来る場合も暖簾分けと言うか、そう言う兄弟店の様な感じになるだろう。
魔法の作り方を貴族が独占しているのが悪い。メインは魔法兵の為の研究なのだろうが、貴族が知識を独占してしまっているがために、魔法屋という職業が成り立っているという訳だ。
まあ、作るのに絶望的に向いていない魔法使いも中にはいるんだろうがな。自分の使いたい魔法を作れるメリットがあれば、自分の魔法しか使えないデメリットも出てくるからな。
創意工夫が得意な人間とそうでない人間が居るからな。基本的には文章を転写するのが基本なんだろうが、転写するにしても文字の綺麗さが色々と関係してくるしな。
魔法を作るのは、色々と制限が掛かって面倒なのだよ。簡単に改良という言葉は口には出来ないはずなんだ。魔法陣魔法が世に出れば、誰でもとまではいかないが、比較的簡単に魔法が作れるようにはなるのだろうが、私はそこまで善人ではない。
私は私の道を行くまでだ。私にしか出来ないことは無いに等しいが、それでも魔法陣魔法は考えて作った。まあ少しばかりずるをしているのは仕方がないと思う訳だが。
そんな事を言っても仕方がないものは仕方がない。あったものを利用しただけに過ぎない。それ以降は碌に使えていないのだから、もう少し何とかなって欲しいとは思うのだがね。
もう少しだけでも前世の記憶が役に立ってくれれば良いんだが。贅沢な事だとは解っている。解っているが、何とかならんものなのか。何とかしたいとは思っているんだけどな。




