13話 9/6 幟を作ることにしたんだ、アリアナ来店
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9月6日闇曜日、昨日は1日暇だったからな。少し商業ギルドに行ってきて宣伝用の幟を作って貰うことにした。宣伝の為だ。少しばかり恥ずかしいが、暇すぎてもな。
「ガブリエル魔法店、魔法屋始めました」と文字を書いてもらうことにした。店の名前も入れることにしたんだ。大分悩んだんだが、覚えて貰った方が良いだろうからな。何処の魔法店かを伝えないと解らないだろうからな。かなり恥ずかしいが。
商品の出来上がりはもう暫く待ってくれとの事だった。幟を作って欲しいと言う依頼が来るのは軍からくらいで、個人では無いそうなのだが、まあそこは商業ギルド。少数の発注でも何とかしてくれると言うので、金を払ってきた。
作って貰うのは2本だ。左右にあれば十分だろう。1本でも良かったのだが、なんとなくな。店の前に1本だけあっても寂しい様な気がしたからな。こういうなんとなくって感覚は必要な物なんだ。
後は幟を固定する台を発注しておくのも忘れない。どういう使い方をするのか色々と聞かれたからな。幟を店の前に立てるだけなんだがな。
そして、話している間に気が付いたことがある。これは商売の種になる話じゃないのかと。そんな話を商業ギルドの受付に話して良いものなのかと。立派な情報ではないかと思ったわけだ。
そして、諸々の説明をした後に、幾らになるんだと聞いた。小金貨1枚が帰って来た訳だが、多すぎるな。幟とその台で大銅貨6枚だったと言うのに。
大銅貨6枚はまあまあのお値段だ。市場調査をして解ったことだが、大体日本円換算をすると、大銅貨6枚は6000円だ。小金貨1枚は1千万円だな。10億オリオンだが、1円100オリオンと考えてくれていい。大体はその位だったから。
食費は外食1食で小銅貨を取られる事を考えれば1食10円と思ったわけだが、1円は100銭だからな。それを考えると、ちょっとどうなのかと思うところはある。
外食は冒険者価格なんだ。普通の都市の人間が3食食べるには大体中鉄貨8枚もあればお腹が一杯になるらしい。外食は10倍以上の値段がするんだが?
3食食べて小銅貨3枚だ。安い飯でな。それを考えて以降、安い飯しか食わないと誓った訳だが。出費が思った以上に馬鹿らしい。自炊が出来ないのが恨めしいな。自炊は出来る気がしない。
出来ない奴は金を毟り取られると言う事が解った。そして、案外情報というものは高いんだと言う事も解った。これからは用心しよう。ぺらぺらと商売の種を話しそうで怖すぎる。
因みに幟の納品時期は9月9日だ。何分初めての事だから時間がかかると言われてしまった。まあ仕方がないな。出来の良いものを頼むと言ってきた次第だ。
カランカラン
客か。……確かアリアナだったな。2つも魔法を買って行ってくれた女性だ。言葉は少ないが、そこまで悪い印象を持たなかったな。いい印象も持たなかったが。まあ普通だな。
「いらっしゃい。使った魔法はどうだった?」
「……良かった。思っていた以上の威力があった」
「そうか。それは良かった。魔力の癖は感じなかったか?」
「……癖は感じなかった。相性が良いのかもしれない」
おっと。これはいい情報だな。相性が良いのは嬉しいことだ。相性が悪いと使い心地が悪いと聞く。威力から何から下がるし、良いこと無しだ。まずは良いことだな。
「それは良かった。2つとも魔法を使ったのか?」
「……そう。ワイルドボアのは威力が高かった。矢よりも遅いけど、ワイルドボアを吹き飛ばしてた。ただ、追尾が思ったよりも弱かった」
「そこは仕方がないな。威力と速度を重視した魔法だからな。追尾は今一つだったわけか。実用レベルに達していたか?」
追尾が弱いのは仕方がない。そういう形の魔法だからな。だが、実用レベルに達しているのかどうかが問題だな。使えるのであればそれはそれで問題ないんだ。
「……使える。大きな群れには有効。小さな群れだと威力が強すぎるかも」
「ほう。その辺は調整のしどころだな。威力よりも数を優先することも出来る。そうした方が良いのか? 確かあれはワイルドボアが17頭発生する魔法だったと思うのだが」
「……威力はあのくらい欲しい。ワイルドボアが横に並んでくれると嬉しい。数よりもそこが問題」
……なる程な。後ろを走るワイルドボアの効果が薄いと。その辺りは調整で何とかなるのかもしれんが、数は少なくなるだろうな。その分範囲が増える様になるのかもしれんが。
「調整してみよう。何とかなるさ。ゴブリンの方はどうだった?」
「……あれはあれでいい。ゴブリンが突進中のワイルドボアを止められた。それで十分」
「そうか。あれもあのくらいの威力で丁度いいのか。なる程、勉強になった」
いい情報だ。ワイルドボアの魔法は改良の余地ありだが、ゴブリンの魔法は上手くいったようだな。少し改良案も考えていこうか。
「……魔法を見ても?」
「ああ、構わんよ。ゆっくりしていってくれ」
「……」
魔法を読み進め、時には読み比べ、色々としている。主に風魔法の所だな。ワイルドボアの時期は風魔法を補充していけば良いのかもしれないな。
「……これ。解説」
「ん? ああ、これか。これは風属性のウルフが18出る魔法でな。離れた敵を追い立ててくれる魔法だな。使用実績はある。まあ遠すぎると駄目だろうが」
「……追い立てるとは?」
「そのままの意味だ。使用者の側に魔物を、もしくは群れを誘導してきてくれる。20分歩いた先の群れを連れてきた実績もある。それ以上は解らんが」
もし、使っても群れまで到達しなかった場合などを感想として教えてくれるのであれば、嬉しい所だな。使えなかった場合のデータも欲しいからな。
「……そう。解った。これとそれを買って行く」
「中銀貨2枚だな」
「……安くならないの?」
「お前も情報料を取るのか。まあいいさ、中銀貨1枚と小銀貨4枚だ。これ以上は負からん」
「……良かった。お代」
「ああ、また利用してくれると助かる」
……行ったか。ウルフの魔法とワイルドボアの魔法を買って行ったな。ワイルドボアの魔法は弄ってみる必要がありそうだがな。ギースも買って行っているが、まだ使っていない感じだしな。
とりあえず、2人には売れると言う事が解ってよかったな。客が居ない事には魔法屋も成り立たんからな。一先ずは生活できるだけの金額は手に入れている。後はもう少し、客が来てくれると嬉しい所だな。