115話 9/17 夜型のクランの話、樵も大変なんだよな
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「それでも平原の夜でって話だけどな。森や沼だと今度は勝手が変わってくるからな。特に森だ。森は大人数で行っても意味が無い時があるからよ。荷車も通らねえような奥に行くんならな」
「まあ大半は樵が間を切っているからな。その切り株を掘り返す冒険者もいるんだろう? 薪として売れるとは聞いているが、戦闘は余り発生しないんじゃないのか?」
「そうでもないぜ? 森にも何度も行ったことはあるが、樵の活動場所でも平気でゴブリンやアントが出てくるからな。樵も斧で戦うからよ。大抵は冒険者を護衛に付けるんだけどな」
「まあそうだろうな。木材の供給は止められないし、樵も手前の木を切り過ぎるのも駄目なんだったな。そう法で決まっていた筈だ。しっかりとは覚えていないが」
確かそんな法があったと思う。森が無くならないようにしないといけないからな。木を切るだけが樵の仕事では無いんだよ。森の管理という全体の事をするのが樵なんだ。
不測の事態があっても良いように、樵も戦える者が多いとは聞くが。樵の必要な部分は切った所から先までの部分なんだよな。枝や葉も必要になるんだが、切り株だけは必要ない。
それを冒険者が人力で掘り返すんだけど、それも薪として売れるからな。冒険者の収入になる。森に行く冒険者の収入は色んなところから発生するんだよ。
それこそ、薬草から始まり、キノコ類や切り株、虫の類も金になったはずだな。大抵は何かしらの用途に使われるんだ。何に使うのかは色々とあるんだが。
薬になったり、染料になったりだな。色々とあるんだよ。大抵は薬になるんだがね。虫の薬というのもあるんだ。お世話になりたくはないがね。
「そうなんだよな。森の管理も樵の仕事だからよ。森が無くなるような真似はしねえ。そんな事をする樵は皆殺されるからな。冒険者からも見捨てられるしな」
「そうなんだな。それよりも驚いたのは、夜にも樵が活動しているように聞こえるところだな。夜に活動するクランなんだろう? 夜の森は危険じゃ無いのか?」
「危険だぞ? ただでさえ大きな音がするんだからな。危険も危険だ。だがな、危険を知ってでも木を切らないと木材が足りねえんだよな。この都市の木材の消費量は多いからよ」
「ああ、そうだろうな。木材の消費量は多いだろう。それこそ、建て替えや何だと大量に木が必要だろうな。都市の維持管理に大量に木材を使う訳だ。そりゃ樵も夜にいかないといけないって事も在り得るのか。夜の冒険者しか雇えなかったという訳だな」
普通は午前中に木を切りに行くだろうさ。安全が確保出来ていて、且つ、時間が押していなければな。昼間に活動できることに超したことは無いだろう。
が、護衛を雇うのにも年間契約をするのであれば、纏まった金が要る。それを用意出来ない樵は、何か月かの契約で冒険者を雇うことになる。
当然だが、冒険者も利益は欲しいわけだな。だからこそ、利益の出る夜の方が良いという訳でもありそうだ。魔物が活発に動くのは夜だからな。
樵の護衛である程度の金を稼ぎつつ、自分たちは魔物の討伐で利益を伸ばす。そう言う手も有りだろうな。切り株も空いているもので掘り返せば良いわけだしな。
「ま、樵も楽な仕事じゃねえって事な訳よ。大規模にやっているところなら兎も角、小規模にやっている樵連合なんかは夜に木を切ることが多いな。それでも利益は出るんだがよ」
「危険な事には変わりは無いという事か。なる程。樵も相当に金が必要な訳だ。専属でクランを持てているような大規模な樵集団であれば良いんだろうが」
「そう言う事よ。樵だって何組もクランみたいなものがあるんだぜ? 樵の利益がどれだけで、収入がどれだけって決められてるんだよな。安全を取るか、危険でも給料の良い方を取るのか。樵次第だ。俺たちはそれの手伝いをやっているだけに過ぎねえ」
「色々とある訳だな。夜の活動をメインにしているクランと言っても、夜に何をするのかで全然違う訳だ。今は平原が儲かるから平原にいると。そう言う訳なんだな?」
今はワイルドボアが熱いからな。かなりの利益が望めるだろう。クランも慈善事業では無い訳だ。きっちりと利益を出さないといけないんだよな。
その辺はどの業種でも同じことではあるんだろうが。魔法屋だって利益を出さなければ食っていけないからな。食っていこうと思うと、それなりの利益を求めるものなんだよな。
流石に樵ほどには危険なことは無いとは思うがね。樵は危険な仕事の1つでもあるんだからな。魔物の被害もそうだが、木を倒す方向をミスっても駄目だからな。
怪我は何をしていても付き物ではあるんだよ。魔法屋で怪我をすることなんてそうそう無い筈なんだがね。危険性はゼロではない。そういうものも扱っているからな。
「ま、俺らの仕事は基本的には魔物と戦う事だからな。平原の今は一番儲かる時だからよ。特に魔法使いがいないクランはな。魔法使いがいれば、もう少し、戦い方も変わってくるんだろうがな」
「その辺りは運だろう。魔法使いが入ってくれるのかどうかは運に左右されることだからな。知名度を幾ら上げようが、魔法使いに認知してもらわないといけないからな」
「そう言うこったな。魔法使いも多ければ良いんだろうが、思った以上にはいないからな。大きい所には集まる傾向にあるんだがな。俺らの所には中々来てくれねえわけだ」
「まあ基本的には昼間の活動を良しとするだろうからな。昼夜を逆転させるのには時間がかかる。教会で教えてくれるのは日中だ。それを夜型にしないといけない訳だからな」
夜のクランのネックはそこだろうな。夜型に合わせてくれる魔法使いがどれだけいるのかにかかってくる。基本的には昼間の活動に行きたがるだろうからな。基本的には。
例外は沢山いるのは解っている。当然だが、夜型の方が良いって魔法使いも沢山いることだろう。そこにそのクランがあると認知してもらっていなければいけない訳だがな。
何にしても冒険者は多く入れど、魔法使いは1%いるかどうかなんだ。偏ることも考えれば、そう言う事もあるだろうさ。厳密に何人と数えたわけでも無いからな。




