105話 9/16 考察に耽る、結局は売りになる魔法が欲しいんだよ
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で、帰って来た訳だが、クライヴ君が帰って来るまで特にやることがない。店番をしているだけだな。まあそれが一番の仕事な訳なんだがね。客が来ないと何もすることが無いんだけどな。
それでも良いとは思っているがね。毎日客が来る方がおかしいんだよ。討伐の合間に来るのが魔法使いだからな。必ずしも私の店の魔法を使う訳では無いんだから。
まあゆっくりと待てば良いんだよ。ゆっくりとな。その内需要が追いついてくるさ。今はまだ雌伏の時。大規模なクランに見つかっていないだけなんだよ。
とりあえず、紅茶を入れてくるか。のんびりと待とう。その位の余裕を持って構えていなければ魔法屋は勤まらんよ。何も売れない日があったって良いじゃないか。
こういう時にはゆっくりと考察に耽るに限る。使える魔法について考える時だ。売りになる魔法を考える時だ。まあ早々そんな魔法は作れない訳なんだがね。
私の魔法についてはご存じの通り、魔法陣を作成して作る方式を取っている。他の派閥とは違い、図形も用いる。そこが最大の違いだろう。この作り方を採用している。
それの特徴と言ってはなんだが、欠点は形が限定されること。素材になった魔物の形を取ってしまう事。それが一番の欠点だ。この形を変えることは可能だ。
素材を混ぜれば、形は変わる。何に変わるかについてはランダムだが、形を指定してやれば、その形に変えることが出来る。それは確認済みだ。
ただし、そうすると、威力や効果、範囲が減少する。そうなると、散文閥の魔法と似通ったものが出来ることになる。詠唱が単純だが、威力が足りない魔法になってしまう。
結局はこの欠点たる形は変えられないと思った方が良い。形をそのままに活かして行くしか無い訳だな。そういう魔法なんだ。仕方が無いんだよな。
それで、前世の魔法の考察をしていっていた訳だな。色んな魔法が前世ではあった。空想の中の産物な訳だが、それが使えないかどうかを試していたと言うか、考察をしていた。
結果は惨憺たるものではあったがね。碌に使えないと言うのが結論になった訳だ。まあ見て作ったわけでもないからな。こうであれば良いなというのを魔法として分類しただけなんだよ。
願望を魔法として叶えたわけだ。空間魔法然り、回復魔法然り、使役魔法然り、召喚魔法然り。こうであれば良いなという願望を魔法にしてきた。
ただ、この考え方自体は間違っては居ないと思われる。こうで在りたい。そう在りたい。こういう願望を魔法にしていくのは有りだと思う。決して無しではない。そもそもが願望を形にしたようなものが魔法な訳だ。今さらと言えば今さらなんだよ。
それが実現可能性があるのかどうかは置いておくとしてな。現に索敵魔法は出来たわけだ。殆ど完成形と言って良いほどの出来だっただろうとは思う。
鑑定魔法も使えたわけだ。解って何がしたかったのかは解らないが、とりあえず、魔力らしきものと身体能力らしきものが見えると言う結果になった訳だ。
この2つの魔法は封印することになってしまったわけだが。これらを売り出すと、ある一定の問題が出てくることが解ったからだな。
索敵魔法については、便利すぎた。願望を叶えすぎてしまった。その結果、斥候という職業が無くなるのではないかという危険性があった。多くの人から職業を奪う可能性があった。故に封印したわけだ。売る場合は中級魔法として売り出すことに決めている。
鑑定魔法は研究者にしか売れない魔法となるだろう。まずは研究をしてみない事には始まらない。本当にあれが魔力なのかどうかの確認と、魔力の相性について考察、実験をしなければならない。
そうなると、当然だが、作成方法の公開を迫られる。勿論貴族からのな。当然断ることは出来ない。そうなると、自動的に魔法陣魔法の発表に繋がる。
正直な所、まだまだ研究の余地は残っている。だから早く公開するべきなんだろう。本来はそうなんだろうが、それでは私の売りが1つ無くなってしまう。
この形だからこその魔法が他人にも作れてしまうことになる。それでは私の利益に繋がらない。それだけでは私の利益に繋がらない。よってまだ封印状態を解くことは出来ない。
魔法陣魔法はしかるべき時に、ちゃんとした恰好で公開をする。その時に鑑定魔法も公開する。順番はこの通りだ。先に貴族からの公開しろという命令が来ると色々と台無しになる。
結局は自分の利益の事を考えているんだよ。卑しいとは思わない。これが正常だと私は思っている。独占できるものは独占した方が利益になる。それはその通りだからな。
そうなると、売りになる魔法が無くなってしまうんだよな。私の店しか売っていない魔法。ここでしか手に入らない魔法。形は確かにここでしか手に入らないが、真似は出来る。
特に文字列閥は真似が可能だ。文字列閥に作れない魔法は無い訳なんだがね。売りになる魔法も直ぐに真似をされるだろう。が、それでも他の派閥には真似をされない。
売りになる魔法が欲しい訳だよ。形が特殊なだけの魔法では無く、売りになる魔法が欲しい訳だ。それを考えているんだが、中々に難しい。これは既に誰かが通った道だろうからな。
特に文字列閥は考えただろう。好きな魔法を作ることが可能なんだ。作成不可能な魔法が無いとされているのが文字列閥だ。その代わり制約は色々と付くが、それは仕方がない。
詠唱が読みにくいのもかなりのデメリットだからな。詠唱が苦手な魔法使いは割といる。難しい詠唱になると嫌だと言う魔法使いは結構いる。アリアナみたいなのが特にだな。
だから散文閥の魔法も売れるんだよ。詠唱が短いからな。威力や範囲を低くしてでも、詠唱を簡単にしたいと思う魔法使いは居る訳だ。
後、最大のデメリットが消費魔力が若干多いという所だな。この若干というところが、実にいやらしい。6回が5回になる程度の多さだからな。これが多いとみるか、少ないとみるかは魔法使い次第だ。
魔法陣魔法にはそう言ったデメリットがあるのかは知らないが、消費魔力は恐らくだが、増えていないはずだ。私が実験して17回使えたのだから大丈夫の筈だ。
売りになる魔法は作れるに超したことは無いんだ。無いんだが、碌な魔法が出来ないんだよな。もう少し何とかならないのだろうか。なっていたら苦労はしていない訳だ。どうにかしたいんだがね。




