表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集

グレイマルキン

作者: 古葉一樹

 タイトル落ちシリーズ第4弾です。


 吾輩は悪魔である。名前は言えない。

 真名を知られることは命を握られることと同じである。

 いや、命ならばまだいい。死ねば自由になれる。


 真名を知られるということは魂を握られることである。

 死んだとしても自由になれない。

 何度死のうと何度生まれ変わろうと、魂が縛られているから逃げられないのである。




 吾輩は悪魔である。名前は言えない。

 悪魔である吾輩は名前=本名=真名である。

 契約を尊ぶ悪魔として偽名を名乗るという選択肢はない。

 故に吾輩は名前を言えないのである。


 名前を言えないから契約者は吾輩を好き勝手に呼ぶ。

 好きに呼べばいい。

 本契約ではないから吾輩も好きにさせて貰う。




 吾輩は悪魔である。本来は地獄に住んでいる。

 冷酷な悪魔が闊歩する地獄とは異なり、地上は自由でよろしい。

 非常にのんびりした気分だ。


 何百年も生きた悪魔である吾輩に取っても、こんなにのんびりできる生活は初めての経験である。

 此度の契約は長く続くことを願っている。




 吾輩は悪魔である。地獄が故郷である。

 今は日本という島国にて気ままな生活を送っている。

 はっきり言って食っちゃ寝の繰り返しである。


 陥れる相手も呪い殺す敵も存在しないのに、よくも吾輩と契約したものだ。

 ウワサに聞いたところによると平和ボケと言うらしい。


 することがなくて暇すぎるが、くだらない仕事を強制されることもないので差し引きゼロとしておこう。

 今ものんびりと微睡んでいたところだ。


          ・

          ・

          ・


 ふむ、契約者が吾輩を探しているようだ。

 吾輩の契約者である小娘の気配が近づいてきた。


「クロー、ごはんだよー!」


 吾輩は黒猫の悪魔(グレイマルキン)である。

 吾輩は何も言わない。黙って黒猫のフリをするだけだ。

 かくして我輩は此家の求める役割を極めることにしたのである。


【あとがき】


 はい、『グレイマルキン(黒猫の悪魔)』というタイトルと、『吾輩は猫である』出だしのパロということで、思いっきりネタバレ全開だったわけですがw


 あ〜、猫いいですよね、猫!

 作者も『みかん絵日記』みたいな、しゃべる猫とお友達になりたいです(切実)

 じゃなければ、せめて『日常』の阪本さんとか?


 でも、やっぱり『へべれけ』のおーちゃんが一番大好きっ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ