表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子の姉妹の竜騎士/ドラゴンナイト  作者: 早乙女
ホムンクルス育成期
30/39

第29話 育成開始

 ホムンクルス。

 ゼルセラ様からのご褒美として貰ったこのホムンクルス。

 せっかくなので、ゼルセラ様をモチーフに作らせてもらった、どちらかと言えば、リーエルさんに近しい見た目だ。

 翼は無いが桃色の長髪に青色の瞳、服装に関しては持ち合わせがなかったので白を基調とした騎士鎧を着せている。

 流石に目が覚めた時に全裸だと可哀そうだと思ったからだ。


 さっそく起動だ。ゼルセラ様の話によれば、初回起動のみ言葉が必要になるらしい。


「目覚めよ【リンゼ】」


 私の言葉に触発されホムンクルスは目を開く。


「起動プロセスを開始・・・完了。主導権譲渡の作動を確認・・・完了。マスター情報の登録・・・完了。個体名リンゼ・・・起動します」


 無表情を貫き、機械的に読み上げる。

 少々気味が悪いが、それは置いておく。


「とりあえず...起動成功?」


 イチゴ達と顔を見合わせ視線をホムンクルス、もといリンゼに戻す。


「マスター情報と一致。個体名ミーシャ・ストロニアご命令を」

「なんか仰々しいね」

「了。言葉遣いを変更します」


 リンゼは一度瞼を閉じ再び開く。


「ご主人様~なんなりと命令を~」

「えっ」


 あまりにも変わった言葉遣いに一同は固まってしまった。

 既に教養の面で挫折を味わいそうだが、言葉遣いよりもステータスの確認だ。


「話し方はさっきのでいいからステータスを見せて」

「了。ステータスを開示します」


 Lv:1

 名前:「リンゼ」

 種族:【ホムンクルス(少女)】

 職業:【  】

 称号:【人造人間】

 HP:1000000

 MP:1000000

 ATK:1000000

 DEF:1005000

 INT:1000000

 RES:1000000

 SPD:1000000


 スキル:【収納】

 特殊スキル:【全装備適正】

 究極スキル:【瞬間記憶】【模倣】【能力吸収】


 つ、強い...。

 ゼルセラ様に問いたい...ホムンクルスっていったいどこのレベル帯でとれるアイテムなんだ?!

 明らかに序盤でもらって良いアイテムではない、レベル1の癖に全ステータスの初期値が100万?私なんて最初1桁からなのに!!

 なんて心の中で、愚痴ってはいるがこれからは頼もしい味方だ。


 ひとまず戦ってもらうとしよう。


 やってもらいたいのはタンクだ。

 なので大盾を装備させる、シンプルな【鉄の大盾】だ。特殊な効果も無く、たまたまドロップしただけでレア度も☆1のノーマルレア平凡でありきたりな盾だ。


「まずはそうだなぁ...あそこのドラゴン達!能力値的に全然いけると思う!」

「了。対象を討伐します」


 仰々しくお辞儀をし、ドラゴンの群れに単騎で突入していく。

 そして、私は今気づいた。


「待って!武器!!盾しか渡してない!!」


 だが、私の声は届かない。

 既にリンゼの頭の中には対象を殲滅すると言うプログラムで埋め尽くされている。

 そしてそれは確実に執行される。


 うそでしょ....。

 なんで盾だけなのに竜の首を切り落とせるの?なんで盾だけなのに竜を一掃できるの?ねぇなんで?


 大盾を大盾としてではなくただの鈍器として扱う。一応盾としての役割も果たしている、相手の攻撃を防ぐなどだ。

 だが、あれではもう、大盾ではなくハンマーだ。


 数分後。

 あっさりとドラゴンの群れは討伐された。恐るべきはその戦闘センスだ、的確に対象の攻撃を回避し急所を突く。

 言うは易し行うは難し。この言葉がある様に、言うのとやるのでは全然違う。

 リンゼ...私達は恐ろしい存在を生み出してしまったのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ