ローグ、ベガの占いで大変なことを知る
それからの俺たちの旅。
廃墟の街で手に入れた地図を見ながら、街から街へ移動する。その街を支配している魔物、魔族を倒して、捉えられている人たちがいたら開放し、”扉”を作って壁のそばへ送る。大体の街は無人だったけれども。
「こんなことをしていて意味があるんでしょうか?」
街から街への移動中のキャンプで、アルタイルが俺に聞いてくる。
「あるでしょ?魔物確実に倒してるんだよ?その旅、街が一つ戻るわけじゃん」
とリタ。
「確かに、倒してますけれども」
といって、数字と図を描く。
「私たち、移動を含めると、大体1週間にひとつ、街を攻略してますよね」
「で、この国だけで、大小合わせると300の街があるわけです」
「この国だけで、全部の街を開放するのに、6年はかかります」
「で、世界中の国を合わせると80もの国があるわけです」
「全部の街を開放するのに、単純計算で480年!」
「なるほど、480年かければ世界を救えるのか」
「そりゃあ!あんたは不老不死だから!」とリタ。
「しかも、実際はその間にも、世界中で増えた魔物が、開放した街をまた占拠します」
「15年で、世界中の街が支配されました」
「ローグさんが世界を救うのに、480年。その間に魔物たちは32回、世界を滅ぼすことができるわけです」
「なるほど、アルタイルは頭がいいな」
「ローグさんがものを考えないだけです!」
コツン、コツン。
俺たち3人が喧々諤々と話をしている中、ベガは一人、地面に絵をかいておはじきで遊んでいた。俺よりも物を考えてない人間がいたぞ。
「占いの結果が出ました。これから、私たちが行うことは3つ」
おはじきじゃなかった。占いだった。
「ひとつは、国、商会、そのほか、人間の大きな組織を頼ること、力を合わせるようにもっていくこと」
「もうひとつは、ケートスの街から出たという”なにか”それを探し出すこと。それが魔物増殖の鍵になっています」
「そして最後のひとつ。この状態を、影で操っている”人間”がいます。それを探し出すこと」
「占いの結果はそう出ました」
ベガ、いつの間にこんなことができるように。すごいな。アルタイルもすごいし、リタは方針を決めてくれる。もしかしたらこのパーティーで一番のお荷物は俺かもしれない。
「っていうか、待って!?ちょっと待って!?ベガ、あんた今、なんていった?」
なんていったっけ?
「『この状態を、影で操っている”人間”がいます。』人間、って、どういうこと?」
リタがうろたえている。なにか、大変なことが起こっているらしい。
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