ローグ、女性を救う
街の中の服屋の跡地を探す。見つかったが服は置いていなかった。布はあったので布を拾ってくる。ガントレットに『衣類作成』のメダルを入れる。俺の手が高速で動き、服を作成する。その服を、町の地下でとらわれたいた女性たちに渡す。最初に城からかき集めた毛布を渡していたが、いつまでも布を羽織ったままというわけにはいかないからだ。
リーダーと思われる女性に話を聞く。名前はリタというらしい。
俺が山籠もりを始めてからすぐに、大規模な魔物の侵攻があったらしい。人間の暮らせる場所は以前の数十分の一になり、大きな壁を作り人はそこに閉じこもって暮らしているらしい。その壁の内側に入れなかった地域、王政府に見放された地域の人間は、魔物におびえ暮らしている。次々と街は滅ぼされていき、男たちは殺され、女たちは、このように集められ、慰み者にされていたらしい。壁の外側は地獄だ。
その壁までの距離を聞く。およそ、300キロ。女たちは100人近くいる。何とか連れていけないこともないが、おそらく過酷なたびになるだろう。途中の食糧の問題もある。
「アンタがものすごく強い、ってことはわかる。でも、一人の人間にはできないことがあるよ。アンタがアタシたちを助けてくれた、それだけで十分だ」
「確かに、歩いていくのは無理そうだな。まあ、でも、何とかできないこともない」
リタに、1日あけるということを伝え、その間、何とか身を守ってほしいと伝える。一応、街周辺にいる大きな魔物は倒したし、小さい魔物はちりぢりに逃げていったから大丈夫だと思うが。
『瞬歩』のメダルをガントレットに入れる。
駆け足。あっという間に景色が後ろに遠ざかる。300キロの距離を5時間で駆け抜ける。
壁、が見えた。高さが50mほどある。城壁に近づいていくと、見張りが走ってきた。随分と驚いた顔をしている。生きている人間が、壁の向こう側から歩いてくることが珍しいらしい。街で女たちを助けて、今から連れてくる旨を伝えると、大慌てで、今から兵団を用意するから7日待ってほしい、と言われる。もちろん、そんなに待てないので、『扉制作』のメダルを近くの岩場で使う。このスキルは少し時間がかかる。丸一日寝ずに作業をして、”扉”を作ることに成功する。
再び、『瞬歩』のメダルを使い、リタたちにいる村に戻る。街のそばの岩場で、再び、『扉制作』のスキルを使う。また、1日かけて、扉を作る。
翌朝、自分で、扉の出来を確かめてから女たちをくぐらせる。扉をくぐると、300キロ離れた、壁のすぐそばの岩場につく。女たちは、神様を見るような目で俺を見る。口々に感謝の言葉を述べられるが、それは俺の手柄じゃない。俺にこのガントレットとメダルを残してくれた、アキラと、リナハと、アビーの手柄だ。
壁の向こうから数十人の兵隊がかけてくる。女たちの保護をお願いする。みな、うれしそうだ。奇蹟を叫んでいる男もいる。こちらは大丈夫だろうと思い、廃墟の街側に俺は行き、全員が街へ移動し終わるのを待とうと思った。
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