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ローグ、仲間の死を知る

 3年の月日が流れた。必死で修業をした俺は相当強くなった。ランクC程度の魔物でも一撃で倒せるくらいに。そして、町に降りてきた。そしてアキラたちの消息を探す。悔しいがアキラたちの才能と実力なら、今頃大きく名が知れた冒険者になっているだろうことは予想ができた。


 酒場でアキラたちの消息を尋ねる。


「なあ、アキラという男がリーダーをしているパーティをしらないか」

「ああ、もしかしてあの伝説のパーティのことか?」

「どういうことだ?」

「3年前のことだ、死の呪いに犯されながら、戦った三人組のパーティがいた。彼らは感染性の呪いに犯されたことがわかると、命がけで当時魔物に支配されていた街にに突撃して、その街を命と引き換えに奪還したんだ。今でもその街では英雄扱いさ」

「死の呪い?そんなことは知らないぞ?」


 そういえば、思い当たったことがあった。封印の洞窟で俺が一人パーティではぐれたことがあった。その後、どうにか合流できたのだが、その時の様子がかなり変だった。そのすぐ後だった。俺がパーティから追放されたのは。

 俺は、ずっと開かずにとっておいた、別れの際にあいつらから渡された革袋を開いた。革袋には手紙が入っていた。



「「「

ローグへ。


 お前のことだから、この手紙を読むのは、俺たちが死んだ後だろうな。

 俺たちは、死ぬ。最後に行った封印の洞窟で、致死性で感染性の呪いに犯されてしまった。俺たちに残された時間は、あと1か月無いそうだ。そして、この呪いはそばにいる人間にどんどん感染していく。このまま一緒にいるとお前にうつしてしまう。それだけは避けたかった。

 俺たち三人は相談して、一芝居打つことにした。もし正直に話したら、お前は絶対に俺たちについてくるというからだ。それだけは絶対に避けたかった。俺たちが死んでも、お前にだけは生きていてほしかった。

 お前がいたから俺たちはここまでやってこれた。本当に感謝している。

 俺たちはこれから最後の冒険に行く。お前がいない中でどこまでやれるかわからないが、やれるところまでやってみるつもりだ。

 生きろ。ローグ。俺たちの分まで生きてくれ。そして、できればもう冒険者なんかするな。田舎で、畑でも耕して、幸せに暮らしてくれ。


      アキラ。


------


ローグくんへ。


 たぶん、わたし、ローグくんに、酷いこといっちゃうですケド、それ、本心じゃないですぅ。ローグくんは、いつも、足手まといの私を、体をはって守ってくれていて、とても、それが、うれしかったですぅ。いつまでもローグくんと一緒に冒険がしたかった。でも、それはもう、無理なことですぅ。ローグくん、いつまでも、元気でいてください。それが私の願いですぅ。


     リナハ。


------


ローグさんへ。

 

 何度も、手紙を書きなおしました。そして、そのたびに、紙を丸めて捨てました。何を書いていいのかわかりません、何を伝えていいのかわかりません。頭がぐちゃぐちゃして、自分でも、どうしていいのかわかりません。私は、もうすぐ死にます。それがとても怖いです。一人で死ぬのが怖いです。いえ、アキラさんとリナハさんも一緒ですけれども、そういうことではなくて。私が死ぬときに、あなたがそばにいないのがとても怖いのです。

 あなたは、以前、私に、死ぬときは一緒だと言ってくれました。それが、その時の勢いだったとしても、それがとてもうれしかった。いつまでも一緒にいたかった。冒険者をやめて、あなたと二人で、小さな店を持つ夢を見たこともあります。でも、それももうかないません。

 あなたは、優しい人だから、私が、死の病に侵されたことを言えば、きっと、一緒に、死んでくれるというでしょう。私は、その誘惑に今でも揺れています。あなたには生きていてほしい、でも、それとは別に、あなたに、そばにいてほしい。

 だから、私はローグさんに、芝居をうってもらうようにお願いしました。私とアキラさんが付き合っていると。あなたのことは遊びだったと。

 それは、優しいあなたをとても傷つけると思います。ごめんなさい。それでも、私はあなたに生きてほしい。私のことを忘れて、幸せになってほしい。


   アビゲイル。


」」」



「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 気が付くと、俺は、叫んでいた。


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