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一章3〜“剣と魔法”

 この世界には魔法なるものが存在するらしい。

 ヒーリングって名前だ、ゲームやマンガ通り治療や回復魔法だろう。

 実際治療してるの見たしな。

 魔法というものが何処まで出来るのかわからないが、間違い無くに前世にはなかったものだ。



 その後もミリターナの仕事の隙をみては、魔法についての質問を続けた。

 まず魔力である。

 名称はマナと呼ばれる。

 マナはすべての人間に備わっており、マナを体から放出する事で魔法にする。

 ザックリ言うとこんな感じだ。


 具体的に魔法を使うには古代文字を使ってマナに命令する事で魔法を使う。

 これに関しては見たほうがイメージしやすいだろうと見せてくれた。


 不思議な光景だった。

 ミリターナを中心に光を放ち、その光から理解不能な文字のような何かが浮かび上がるように見えた。

 つまりこれが古代文字らしい。

 これをヒーリングと繋げる事で魔法を発動する。


 原理としてはマナに古代文字で指示することで、マナが力を発揮する…というのが通説らしい…。


 ちなみに俺が初めてヒーリングを見た時にこんな現象を見ることがなかったのは当然らしい。

 魔力を込めるとより効果の高い魔法が使える。その込めるという行為が、今回のようなもの…つまり光の強さや範囲である。


 擦り傷を治す程度であれば、手の周りにマナを放出して、手元で古代文字を選ぶだけ。

 今回は俺にわかりやすくするためにわざと派手に演出してくれたらしい。

 ありがたいことだ…。

 極大魔法となると小さな町を包み込むような光を放つようなので、これはこれでコントロールできるのだろう。



 つまりは転生先は魔法や扱うファンタジーな世界だったということだ。

 男の子なら一度は行ってみたいと憧れるファンタジー世界。

 その世界に来たのだ。

 しかも転生で、赤ん坊から記憶を持って行うことが出来る。

 これほどのアドバンテージはないだろう。



 別に世界最強を…なんて考えるわけではないが、やれるだけやってみたいと思うのも男の子だ。

 そうと分かれば早い方がいいだろう!

 前世でもスーパースターのようなスポーツ選手なんて、物心つく前からボールをおもちゃ代わりに遊んでたなんてこともある!

 俺は行動に移すのだ。




 ――――――――――――――――――――――――



「母様…魔法を教えてください!」



 母クリスと庭を散歩している時に唐突に聞いてみた。

 母は一瞬驚いたように目を丸くして、その後すぐに嬉しそうな顔をしたが、すぐにバツの悪そうな顔を浮かべる。

 忙しい人だ…、そんな顔をしたら美人でも少しマヌケ面に見えてしまうぞ?


「んー…レオは剣じゃなくて魔法がいい?」



 俺はよくわからなかった。

 剣…ソードの事だよな?理解はしている。

 しかしまさか剣はポピュラーなのだろうか?

 そもそもファンタジーだとは思ったがそこまでファンタジーなのか…。

 そんなことを考えながらキョトンとした顔をしていると、母が真剣な顔を近づけてきた。


「私達アストラル家はね、代々王国に仕える剣の家系なの…そして私は剣聖クリス・アストラル、王国一の剣士よ」


 王国、剣聖…ははーん…そこまでファンタジーなのね、よし理解した。

 俺がうんうんと頷いていると(別の事で頷いている)、理解していると解釈したのか話を続ける。

 そもそもこんな子供がそんな話を理解していると思っている辺り、この母もちょっとおかしい気はするが……。


「私の前の剣聖はおじいちゃん…ドレイク・アストラルなの、そしておじいちゃんはレオを次の剣聖になって欲しいと考えてるの…」



 なんとなく理解した。

 我が家はつまり由緒ある家系であり、しっかりと後を継いで欲しいと祖父は思う。

 多分母はその様な事は気にせず、やりたい事をやらせたいという思いがあるのだろうが、祖父の事もあってそうも言えない…と言う事なのだろう、俺の名推理ッ!と言いたいがこれはあくまで憶測、なんせ母も剣聖らしいしな。


「えっと…僕は剣をすればいいのでしょうか?」


 とりあえずそんな事を聞いてみた。

 俺的には普通に言ったつもりなのだが、母からはすごく不安そうに見えたのか、またバツの悪そう顔をした。

 何を思っているのかわからないが、そんな顔しないで欲しいと素直に思った。

 前世の記憶がある俺にはクリスが母であるいう認識はやはり薄いのだと思う。

 でもそう思ったのだ、そうさせてはいけないと…


「母様」

「どうしたの?」

「じゃあ、母様が僕に剣を教えてください!」


 母は少し驚いた。だが、少し嬉しそうに微笑んだ。

 俺が俺の意思で選んだ事だからなのか、それとも母も剣を選んで欲しいと思っていたからなのかわからないが、でも確かに微笑んだ。

 俺の選択は間違ってなかったはずだ。


「私こう見えて厳しいから覚悟してね!」


 実感はなくとも母であり、女性である。

 やはり笑っていて欲しいというのはわがままかな?

 ただ手加減してほしいと、心から願いつつも苦笑いするのでした。




 その夜、家族会議があった。

 会議といっても祖父や祖母も揃う夕食の時に、母が俺に剣を教えると言った。

 元々教える予定であったがもう少し大きくなってから、という事になっていたようだが、俺個人の意思がある事と、他の子に比べ俺の成長が早いことから、英才教育は早くてもいいんじゃないかという話になった。


 祖父はすぐに了承し、祖母はもう少し子供らしく遊ばせても、と珍しく意見を出したが祖父が了承したことで意見は合っても通ることはなかった。


 つまり俺の英才教育がスタートした。

 一緒に簡単な読み書きや計算、歴史などの勉強も始めていくことになった。

 忙しくなりそうだが、俺は今やる気に溢れているのだから、そういう時にやる気を使わないといけないと思う!



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