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七章2〜“一緒に学校へ”

 部屋の中は朝から騒がしい。

 腹が減っただの、風呂に入りたいなど……。

 暗くなる前に宿に入ったのに、半日近く眠っていた奴らが朝から忙しいのである。


 ちなみにそれは隣も同じのようだが、俺も腹は減っている。

 各々風呂だのなんだのを済ませてから本日の予定の確認である。


「まずはリンドルム大陸に渡る船の確認だよね」


 レイスの言葉の通り、船の出る日や時間を確認しておかなければならない。

 10分に1回は出る地下鉄じゃないのだから必要な事である。


「私は買い出しに出るつもりです」


 食事を終えると男部屋に入ってきて、全員の荷物を漁ったエイルーナは全員分の必要な物の買い出しを担当してくれるのだ。

 頭が上がらない…出来る事な社会勉強ついでに荷物持ちをしたいところだが、俺は俺でやる事があるのである。


 なのでレイスとミシェイルが情報集めに行くことになった。

 レイスは少し嫌そうだったが本人がこっちの方が船に行くのだという事で同行することになった。


 エイルーナも今回の買い出しに人手はそんなに必要ないと、1人で買い物である。


 そして俺はというと……。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「どこまで行くんだ?」

「海行くの!」

「………」


 先行するメリエルを俺とルシエル2人が追いかけるように歩いている。

 何故このメンバーかというと、ビジネスの話である。


「まずはこれ…」


 俺は隣を歩くルシエルに金貨の入った皮袋を渡そうとしたが、ルシエルはそれを拒否した。


「引き受けた仕事は護衛だ、だが俺はそれを果たせてない、だから報酬は要らない」

「…いや、でも」

「いるねぇ!俺にもケジメってのがある」


 本人としてはエイルーナに自ら危害を加えた事をまだ引きずっているらしい。


「……じゃあ半分とか」

「しつこい…」


 怒られてしまった。

 少なくとも今は貰ってくれなさそうなのでとりあえずは一時中断することにした。


「…なぁ、ルシエル達はこの後どうするんだ?」

「…中央大陸をもう少し回って探してみる…」


 何を探すのか…それは聞かない、知っているからだ。

 ルシエルが探しているのはクリス…俺の母。

 クリスはルシエルの母を殺した容疑者である事は揺るぎない。

 数少ない証言だけで決めつける起きてたら大体無能な探偵が犯人を決めるのならクリスは犯人だ。

 だが真実はまだ解き明かされていない。


「……やっぱり復讐の為だよな」

「…ああ、前にも話したがクズみたいな親でも…親なんだ」


 俺はルシエルの言葉を否定なんかしない。

 俺の親は父は知らないが、母は良い人であったと思うし、前世でも母は良い人だった。

 俺の経験からして父になるとあまりポイントは高くないが…ルシエルも母を亡くしたのだ。

 真実を突き止めたい、そして復讐をしたい…そう思うのは自然な事なのだろう。


 俺はもしクリスがなんらかの理由でルシエルの母を手にかけていたらルシエルはクリスへ復讐する。

 そしてその復讐の成否を問わず俺の心境は複雑だ…。

 ルシエルが死んだとしても、恐らく悲しい…そりゃそんなに仲良く慣れたわけじゃないだろうし、付き合いもたいした事ないが、共に死線を潜り抜けた仲間だ。


 とは言っても、ルシエルがクリスを殺したとすれば俺はルシエルに復讐しようとするのかもしれない。


 物事とは簡単にはいかない…難しい…。




「……ルシエル…」

「…悪いな」


 その言葉は…その謝罪は何に対してなのだろう?


 風の音や波の音が耳に入ってくる。

 ふと足を止めて海を見れば、来る時に見た美しい水平線から、こちらに向かって船がやって来ているのがわかる。

 港にあった船とはまた違う大きな船。


「ルル!レオッ!」


 すぐに視線を戻せばメリエルは目を輝かせて船を見て、俺とルシエルに船を指差してテンションが上がっているのがわかる。


 風に揺らされるメリエルの髪の毛。

 ルシエルと同じ青い髪だが、パーマでもかけたのかと思う程に癖がある。

 実際の長さは恐らくもっと長いのだと思う。

 風に靡いて美しいのは直毛なんだとばかり思っていたが、メリエルのような髪でもそれはそれでアリだ。

 そんなメリエルの横を通り過ぎるように歩くルシエルの背中は何処か寂しそうだった。


「ルシエル!」


 そんな背中を見て呼び止めるように声を上げる。

 ルシエルも足を止めて半身こちらに向けていて、メリエルは俺とルシエルを交互に見ている。


「……2人とも俺達と一緒に学校に行かないか?」


 これは決してルシエルの目的を阻害する為に言った言葉ではない。

 ルシエルは口数が少ないのに言葉足らずだが、何だかんだ周りに気を遣えるいい奴だ!俺もレイスもミシェイルも、そしてエイルーナだって知っている。

 メリエルは子供のように裏表の無い純粋で、優しい良い子だ、アレ?歳上だった気がするが…まぁいい。

 そんな2人ともっと仲良くなれると思う、せっかく出会い、そして共に戦ったのにじゃあサヨナラってのは寂しいじゃないか!


「お、俺もエイルーナもまだまだ剣とか教わりたいしさ、レイスやミシェイルにだって教えてやって欲しいし……」


 半鬼の2人はもしかしたら学園で風当たりが強い可能性だってある。

 でもそんなんでもしイジメが発生したり差別が起こるなら俺は味方してやる!

 てかそもそもルシエルを虐めれる奴なんてなかなかいないと思うが……。


「ほら、メリエルだってさ、ミシェイルやエイルーナと仲良くしてくれてるし…」


 ルシエルは再び俺に背中向けた。

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