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僕は女の子になりたい。  作者: 立田友紀
4. 若葉ガール、始まりの時
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48.「新しい『わたし』」

 真夏の夜は、うだるような暑さで寝苦しい。

 冬ならともかく、同じベッドに秋奈と一緒に眠るというのはやっぱり無謀だったようだ。ただでさえ暑いのに隣にもう一人熱源があっては寝苦しくてたまったものではない。けど、寝苦しさの原因は本当に暑さだけなのか……。


 ――わたし、頑張って強いお姉ちゃんになるから。


 秋奈が隣に居るからこそ、僕の。いや、わたしの頭の中でそんな言葉がぐるぐると居座る。

 言葉だけならば爽やかでかっこいいのかもしれない。でも改めて考えれば、ずいぶんと偉そうで無責任な言葉だ。今まで年上の「きょうだい」らしいことなんか、何一つしてあげることができなかったしそれが出来たという実績も無いというのに。

 もちろん秋奈がそんなことを最初から気にしていないことは、わたしも分かっている。この子は、自身が思っても居ないことなんか絶対に口には出さない。だから、どこかでそれができると信じてくれているのだろうし、わたしのことを信頼しているということなのだろう。

 だけど……。

「……こいつも黙ってりゃ子供っぽいよなぁ」

 起き上がって、眠る秋奈の顔を見つめる。同世代の女の子よりも心なしか大人っぽくてしっかり者。もちろん時に年頃だなぁと感じることだってあるけど、そんな彼女も寝顔はあどけない。そのあどけない表情を持つ秋奈を、今の僕は。わたしは守ることができるのか。胸を張って、彼女の姉だと振る舞うことができるのか。

 そんなことを考えれば考えるほど、ますます思考がまとまらないというか目が冴えて眠れなくなってしまうのだ。

 頭を冷やそうとベッドから起き上がって外を見つめる。だけども反射で、外の景色では無くわたしのどこか情けない表情ばかりがガラスに映る。

「そもそも、だよ」

 ガラスに映る自分自身に問いかける。立派な姉とは何だ。強い女性とは――一体どのような人をさし示すのだろうか。

 腕力が。あるいは喧嘩というか、戦うことが強い女性なのか? 確かにそれは典型的な「強さ」の指標ではあるけども、女性に求められる強さの指標とはちょっと違うだろう。それに、例え誰かを守るために暴力を使ったとしても秋奈はそういうことに喜びはしないだろう。だってあの子は、自分自身が傷つく以上に他人が傷つくことを嫌う人だからである。

 では、腕ではなく口が強い女性なのか? 確かにそれもまた客観的にみれば「強い」の指標の一つではあるのだろう。だけどもそれは秋奈のほうが得意分野であるし、人と対立することがそもそも好きではないわたしには到底務まらない話だ。

 だったら、妹の。いや、家族全員の面倒をしっかり見れる女性なのか? 確かにそれならば世間一般から見ても立派な姉らしいことなんだろう。けど、そもそも秋奈も母さんもわたしがあえて面倒を見るような年齢でもないわけだし、あえて「強い女性」という条件で考えれば少しおかしくなってしまう。

 強いて言うなら、秋奈のそばに寄り添ってあげるってことなのだろうけど……そんなことは僕が強かろうが弱かろうが大して関係無いし、誰だって。何なら、いつかできるであろう秋奈の恋人でも出来る話だ。何もわたしである必要は……無いのだ。


「……わたしじゃなくて良いんだよ? だって秋奈を守る人は」


 そう、眠る秋奈に声を掛けた時だった。不意に目頭が熱くなって、涙がぽたぽたと落ちる。

 存在意義を認められなくなるって、こんなにも辛いことだとは思わなかったのだ。でも現に、わたしが居なくて秋奈が独りぼっちになっても彼女はきっと生きていける。だって秋奈を守ることはわたしにはきっと務まらないことだから。

 そして、そんな辛い気持ちになっているときに限ってさらにわたしを辛くさせる出来事が襲い掛かる。

「……っ」

 何かが漏れそうになり、こらえようと口を一文字に結ぶ。出口に栓をするかのようにお腹をおさえてうずくまる。だけどもそんな努力も虚しく、下半身から熱い液状のものが漏れ出すような感触がした。

「……っ……はぁ」

 いったんは落ち着いただろうか。最初は熱かったそれが、すぐに冷たくなる。秋奈を起こさないように、布団をめくって下半身をのぞき込む。すでに何度目か分からない、出血だった。

 もちろん、生理中なわけだから出血が起こらないはずが無いしそれが分かっているからこそ下着に血を受ける当て布だってつけている。だけども、だからといって真夜中にもこんなことが起こるのはなかなかにしんどい。

 本当はしんどいし行きたくないけど、放っておくと気持ち悪いし衛生的にも良くない。だから、秋奈を起こさないように気を付けながら当て布を変えにトイレへと向かう。

 一般的な一軒家なのだから、トイレまでの距離はさほどあるわけでも無い。それなのに、真夜中の暗闇の中ではトイレまでの距離がいつもになく遠く感じたのだった。


 ◇


 トイレで替えの当て布を下着につける。作業自体はもう慣れたけど、それでもこうやって何度も血と対面するというのはあまり気分の良いものではない。古い当て布をゴミ箱に捨ててトイレを出る。洗面台の鏡に映るわたしの顔は、散々休んだにもかかわらず疲れ切っているような表情だった。

 ……当然か。だって血はさんざん身体から出て貧血気味だし、体験したことのない経験や痛みで精神的にだいぶ参っているうえに家族との関係性までガタガタなのだから疲れないわけがない。

「……男のままだったらこんなことしなくて良かったんだよなぁ」

 そんな禁句ともいえる言葉を鏡に映るわたしへつい漏らしてしまう。

 事の重大性は、既に昨日までの出来事で十分に理解していたつもりだった。でも、いざこうやって現実を突きつけられるとやっぱり辛い。こういう時、元の性別のままだったらどうなっていたのかとつい考えてしまう。

 もしも()が男だったら、今頃どうしていたのか。確かに「生理」を経験することはなかっただろうし家族との間でのギクシャクだって無かったはずだ。1ヶ月に1度の苦痛も、自身の性転換による混乱も男であれば絶対に無縁だ。せいぜい今も、痛い思いをしている女性のことを傍観しているだけに過ぎなかっただろう。

 でもその代わりに、この世界にこうやって生きることができたのだろうか。3ヶ月前の時点ですでにこの世に絶望感を抱いていたくらいだ。もうとっくに生きることを諦めて……いや、そもそも生きることを自分自身の手で止めることさえしていたのかもしれない。

 でもだからといって、普通に生きるために女の子になろうとしたら今度はこんな痛い目を見なくちゃいけない。家族がぐちゃぐちゃになったというのもあるけど、それ以上にただ普通に生きるだけで血が出る。痛い思いをして、血が出ることを耐えないといけない。怪我をしたわけでも、まして傷ついたわけでも無いのに。そんな現実がしんどくて仕方なかった。

 とんでもなく理不尽な話だ。どうして普通に生きるだけで、そこまで痛い思いをしないといけないのか。

 訳が分からなくなって、頭を抱えてうずくまる。そもそもどうしてわたしは女になろうだなんて考えてしまったのか、と。どうしてこんな生き地獄を歩むことになってしまったのかと。

 でもだったら男として生きるのか? そう振り出しに戻ったところで、わたしはきっと彼らに(・・・)精神的に殺されてしまっただろう。結局のところ、男として生きて死ぬ道を選ぶか、女として生きて辛い現実に向き合う道を選ぶか。その二つしかわたしには与えられていなかったのだ。

 男が良かったか、女が良かったのか。頭の中で何度も考えが交差する。うずくまって、しんどい思いをしながら、どっちが良かったか、自分に今できる限り考える。

 だけども……。それが5分だったのか10分だったのか分からないけど、結局何度悩んでもそれは意味の無いことのように思えてきた。

 だってそれは、わたし自身が何度も考えて、納得をした結果なのだから。

 母さんからも忠告をされて、眞子からは立場が心持ちも変えないといけないことを言われて。もう元のようには生きていけないことを分かっていて。それでも、男の世界にはどうしても馴染めなくて絶望的だったからこそ女の子(・・・)になることを願ったのだ。

 わたしは自分で選んだんだ。女の子になることを。女性として生きることを。

 だったら……それはもうなるようにしかなるしかないし、これ以上文句を言うのは男らしくないではないか。男たるもの……。

「……男に、二言は無いっ」

 身体を起こして、洗面台に腕を掛けて鏡に映る自分自身を叱咤するかのように話しかける。すると、不思議なことに疲れ切っていたはずの鏡のわたしがふと笑いだしたのだ。いや、鏡の向こうのわたしだけじゃない。

「って、今は女の子だよ!」

 気が付くと、わたし自身が自身にツッコミを入れて笑っていた。 

 女なのに男に二言は無いだなんて、考えてもみれば何だかおかしな話だ。だけども、僕が本当の男だったときはこんな男らしいことは言えたのだろうか。むしろ、春樹(おとこ)だったときのほうが春奈(おんな)だったときよりもずっと女々しかったのではないか。

 男だったときは、そんな「らしさ」まで気を遣えるほどゆとりがなかった。でも、生まれ変わった今だから。いや、吹っ切れてしまった今だからこそそんな言葉が言える気がした。そして一度言ったからには、それは守るべきだ。だってわたしは。いや、僕は自分自身の意思で女の子になると決めたのだから。

「……せめて最後くらい、男らしくならなきゃ」

 その言葉を最後に、()は洗面台から踵を返したのだった。


 ◇


 そして翌朝。再び目を覚ましたときには、既に夜が明けているようだった。結局昨日は何時に寝ついたか覚えてないけど、日が出ているということはひとまずは寝れたということなのだろう。

 隣に目を向けると、秋奈は未だに眠り姫のまま。昨日と変わらずあどけない顔で気持ちよさそうに眠っていた。そりゃ午前5時だというのに、夏休みの中学生が元気に起きているだろうか。決して居ない、とは言い切れないけど居てもそれはかなりの少数派だろう。

 ともかく、わたし自身はこれからどうすべきか考える。休みだから無理に起きている必要も無いのだが、その割に眠気は全くと言って無いし昨日散々寝たせいかこれ以上は眠れなさそう。かといって早朝からやるべきことなんか大して思い浮かぶわけもなく……いや、やるべきことはあった。

 秋奈を起こさないように慎重にベッドから降りて顔を洗う。クローゼットからは七分丈のブラウスとロングスカートを選び出して、着替えやすい位置に掛けた。――ここまでは、わたしが毎朝行うことだ。だけどもここから先は、いつものわたしとは違う。

 普段は開けない、クローゼットの下の引き出しから小さなドット柄のポーチを取り出す。そしてポーチの中身を丁寧に一つ一つ机の上に並べていった。

 口紅。手鏡。マスカラ。ファンデーション……正直名前は全部覚えきれてないけど、一つ言えるのは男であればまず扱わないもの。そして、ある意味では女の武器といえるものだ。

 手鏡を片手に口紅をくちびるに差す。決して派手ではない色合いだけど、みずみずしいくちびるには確かな女性らしさが雰囲気として表れる。

 スマートフォンで調べながら、生まれて初めて自分の手で化粧をしていく。眞子がやってくれた時と違って手の動きはぎこちないし、そのやり方だってきっと下手っぴなのだろう。でも、手を動かすたびにわたしの顔にかつての面影が消されて、変わりに女性らしさが形作られていった。

「……うん、これで大丈夫」

 時間にして1時間は掛けたかもしれない。だけども、化粧をして着替えて姿見にかざしたわたしにはかつての面影はとっくに消えていて、一人の女性の姿がただ鏡に写し出されていた。

 ――正直、これで良かったのだろうか。

 わたしの中に、再び迷いが生まれてしまう。見たことも無い、生まれ変わり過ぎた(・・・・・・・・・)自身に恐れを抱いてしまって。だけども……。


「……ハル姉?」


 それは、わたしにとっては一番聞きなじみがあって。わたしが女性になることを一番初めに応援してくれて。わたしにとって一番長い時間を共に過ごした。そして初めて「わたし」の存在を受け止めてくれた……大切な女の子(・・・)の声だった。

「ごめんね、起こしちゃった?」

 眠い目を擦る彼女に問いかける。静かにしていたつもりだったけど、やっぱり同じ部屋で着替えたりすればうるさくて起きちゃうか。

「お姉ちゃん、ご飯作るからもう少し寝ていて良いよ」

 朝早いからね、そう言って寝かしつけようとする。実際に彼女が起きるには少し早い時間だ。だから妹を思っての行動のつもりではあった。

 だけどもそれは表面上の理由で、本当はどこかで誤魔化そうとしていたのかもしれない。今まで誰も見たことのない、生まれ変わり過ぎてしまったわたしのこの姿を。

「布団掛けてあげるね」

 そう言って、落ちかけていた掛け布団の淵を掴んで秋奈に掛けようとするのだが――。

「……ハル姉? だよね?」

 再び彼女は、同じ言葉を問いかけた。言葉と共に、秋奈は布団を掛けようとしたわたしの手を掴む。彼女はひたすら、わたしを見つめていた。わたしもまた、金縛りにあったかのように彼女を見つめるほかできない。

 掴んでいたはずの掛け布団がすり落ちる。だけども、布団が落ちた音は聞こえなくて、時が止まったかのような不思議な空間がわたしたち姉妹(・・)を包んでいた。

「……そのつもりではある。あるけども、わたしがあなたのお姉ちゃんといえるかは……」

 分からない、そう言い終える前に。

「……バカっ! 言えるかどうかなんて関係ない。戻るんだよっ!」

 秋奈はいきなり布団から降りてわたしのもとへと駆け込んできた。そして首の後ろを。肩を抱きしめられる。しっかりと、だけど優しいその抱擁はわたしのことを暖かく包み込む。

「……っく」

 感極まったのか、彼女は瞳から大粒の涙をこぼしていた。

「どうして、泣くの? 泣くことなんて、ないじゃない」

 彼女の抱擁の意味が分からなくて、戸惑いの言葉をぶつける。

「うるさいよっ。うるさいよっ!」

 だけども彼女は、ひどく泣きじゃくりながらひたすらわたしの背中を叩きつづけるのだ。胸元にわずかな熱が伝わる。秋奈の涙が、服をつたってわたしの心に染みこむ。

「こらこら、叩かないの」

「だって! だって……」

 まるで堰が切れたかのように涙を流す秋奈。普段から気が強くて弱いところなんか絶対見せない秋奈がこれほどまでに泣くとは、正直わたしも思わなかった。でも、少し考えれば彼女の気持ちが何となくだが分かってくる。

 気が強いから泣かなかった、のではない。気が強いがゆえに、気を強くせざるを得なかったがゆえに泣くことができなかったのだ。

 片親で仕事が忙しい母さん。兄らしいことも大してあげれなかったわたし。そんな人たちしか居ない我が家でどうして秋奈は誰かに甘えられたのか。私がしっかりしないといけない……きっといつもそう意識して振る舞っていたのかもしれない。ましてわたしが女性になってからは、なおのこと。

 だからこそ、秋奈の叩き方には今までずっと抑えていた衝動のようなものが一発一発ごとに詰まっていて、叩かれるごとにその感情がどしんと心に響いて来る。身体は痛くは無いけど、心が痛む。そんな叩き方だったのだ。

「……そう、だよね。辛い思いをさせたよね」

 反省だ。姉なのに何もしてあげられなかった。それもあるけど、それ以上に妹にばかり我慢をさせて辛い思いをさせていた。辛いのは、わたしばかりじゃない。秋奈だって辛くて苦しくて、それなのに彼女は逃げずに立ち向かった。そんな彼女に、今姉としてできることは何なのか。

 さっき以上に優しく包み込むように抱きしめる。

「今までありがとう。よく頑張ったね」

 そう声を掛けて、頭を撫でてあげる。それが正しいかはわたしにも分からない。

「今はこれくらいしかできないけど」

 分からないけども。秋奈が尊敬した「ハル姉」ではなくて、情けなくて弱虫で自信も何もないわたしだけど……それでもわたしは、秋奈のお姉ちゃんなんだ!

「今度はわたしが、姉ちゃんになるんだから。だからもっと甘えて良いんだから」

 ……なんて、説得力が無いか。散々妹に甘えた姉が今さらそんな包容力を持つことなんてできるわけが、そう言葉を漏らしかけたとき。

「……やっと帰ってきた。遅いよ!」

 わたしの言葉を覆いかぶすかのように、秋奈は言葉を返した。身長も目線の高さも同じくらいだから、自ずと彼女とわたしの目が合う。その時の彼女の表情に、思わず驚いてしまう。なぜなら、涙を流していても彼女の目線は真っ直ぐとわたしの瞳を射抜いていたのだから。

「立派かどうかなんてどうでもいい! ただ、あたしのそばに居てくれればいいの。ハル姉じゃないとダメなの!」 

 立派かなんてどうでもいい。わたしじゃないと、ダメ。そんな言葉が、心に突き刺さる。

「……だから、今度は勝手に居なくならないでね」

 そんな言葉を残し、彼女は黙って部屋の外へと出て行った。袖で涙を拭きながら。でも、務めて平静を装うかのように。

 そうか。わたしは重要なことを見誤っていたのかもしれない。「立派な女性」に。「立派な姉」になることばかり意識していて、肝心な秋奈の気持ちには向き合っていなかった。わたしの代用品なんかいるわけもなく、今のわたしから変わる必要があるわけもなく。

 難しいことなんかどこにもない。今までよりももうちょっとだけ秋奈のそばに並んであげるだけで、ただそれだけで良かったのだ。

 だけども、いまさらそんな普通のことができるのだろうか。秋奈のそばに並んであげることができるのだろうか。

「難しいね、普通の姉妹になるって」

 そう、誰も居なくなった部屋で独り言つ。……だがそんな心配は、思っていたよりも長くは続かなかった。


「ハル姉何してるの? 今日、あなたが朝食当番でしょ?」 


 静かな部屋が一転。いきなりドタドタと床が鳴ったかと思えば今度はまるで叱りつけるような、でもそこまで言葉にとげが無いというかじゃれあうような言葉が耳に入る。声の主はさっきまで大泣きしていた少女。でもその表情に、もう涙は無い。

「しょうがないから手伝ってあげる」

 秋奈はそう照れ笑いを浮かべながら、わたしに手のひらを差し出す。

「ありがとう」

 ……すぐにはつかめなかった。でも、秋奈の手を掴んで初めて分かったんだ。

 姉妹ってこうやって自然で居られるような関係のことをいうんだってことに。


お待たせしました。1ヶ月越しの最新話です。

正直、これまででも類を見ない難産回でした。昔書いていた「僕なり。」でもここまで難産回になった話は無かったと記憶しています。そんなわけで3章も大詰めです。次回あたりで母親視点の短編を挿入してこの章を終えれればと思います。(こう言って終えれた試しが無いですが苦笑)

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