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僕は女の子になりたい。  作者: 立田友紀
3. 若葉ガールは苦悩する
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34.「優等生の挫折」

 宮川が警察に連れていかれてからは、この喧嘩の。というより事件とでも言うべきか。その処理が警察と消防によって速やかに進められた。といっても、その処理を進めるうえで役に立ったのは後から追いかけてきた会長さんで、そこに僕たちが出る幕なんて無かった。

「後のことは、私がやっておくわ。だから今は、怪我を治してくること」

「ですが宮川がっ!」

 もちろん、僕だって好き好んでこの話に協力しようとは思ってはいない。でも、宮川はただ暴力を振ったわけではないことは確かで、そこだけは明らかにしておくべきだ。もちろん会長さんだってその意図は汲んでくれるだろうけど……。

「分かってます、会長さんならば伝えてくれるって。でも、現場を見たわたしがそういうのを伝えないと宮川が」

 何よりもそれは、守られたものがやる責務だと思う。だけれども。

「あのね……。気持ちはわかるけど、今のあなたに求められていることは何?」

 会長さんの言葉が耳に刺さる。

「確かに宮川君のことが心配なのは分かる。しかし彼は言っていたんでしょ?」

 ――結衣と三春を守れッ!

 ……それはそうなのだろう。実際に、今ここで二人のそばで見守ってあげることが出来るのは僕だけだ。それに僕自身も、それなりに怪我を負っている。怪我人が出来ることは、二人が病院に連れていかれることを見守ることくらいなのだろう。

「安心して。これでも私は、こういうのには慣れてるの。分かるでしょ?」

「……」

「それとも、春奈ちゃんにはそういうことがイメージできないの? 違うよね、あなたならそれくらい想像つくはずだから」

 かなわない人だ。だって顔では心底呆れたと言わんばかりの表情をしているくせに、口では本当に彼を取り返してきそうな、そんな口ぶりをするのだから。

「お願いしましたからね」

 そうとだけ言い残して、僕たちは彼の置き土産である救急車に乗り込んだ。寝台には眞子が寝かされて、比較的軽症な僕と結衣はベンチのような座席に座らせられた。蛍光灯に照らされた二人の表情が、先ほどのチンピラによって受けさせられた傷の深さを物語っていた。

「……やはり僕も」

 現実を直視できず、つい救急車から降りようとするが……。

「やるべきことから逃げないでっ!」

 会長の怒鳴り声と共に、救急車の後ろのドアが閉められた。ほどなくして、車が動き出す。

「病院にはすぐに着きます。着き次第、ご家族の方に連絡を取りますので連絡先を教えてください」

「じゃあ、私が代表して……」

 そう言い、結衣が震えた声で救急隊の人に連絡先を伝える。続いて僕が、眞子とうちの連絡先を伝えた。

 どうしてこうなったのだろう。だって僕は二人を守るために戦ったはずなのに――なんで二人は傷ついてこうなったんだ。

 僕が弱かったからなのか? 僕が女で、今は力がないからなのか?

 答えは分からない。でも今の僕にはそんなことはどうでも良かった。ただ、二人を傷つけた責任が怖くて逃げ出したいってそんなことばっかり思っていたのだった。


 ◇


 救急車に乗せられて程なくすると、地域でも一番大きい病院に到着した。自力で動ける僕たちはともかく、眞子はすぐに担架に乗せられたまま救命救急センターと書かれた重々しい金属の扉の彼方へ運ばれてしまった。さっきまで普通に話せたわけだし、命に別条がなければ良いのだが……それでもあんな部屋の向こうに居るとなると心配だし、責任感で押しつぶされそうな気分だ。

 そして彼女を見送ると、僕たちもまた治療されることになった。結衣は外傷は少なくて簡単な擦り傷の処置程度で終わったみたいだが僕はそうもいかないようだ。外傷だけなら僕も相当なものらしく、やっぱり局所麻酔を打たれて口内や額を縫うことになった。

「安藤さん、ちくっとしますよ?」

「……」

 担当のお医者様はそう言って麻酔と思われる注射を打つ。最初の注射は痛いだろうと思っていたけど、そんな痛みを感じることも無く、さらに言えば治療中も自身の「痛み」は全く感じなかった。正直今一番堪えたのは、治療の痛みという身体的なダメージではなくむしろ宮川が逮捕されたという事実や眞子と結衣に怪我をさせたという精神的なダメージのほうだった。

 さらに、治療がひと段落して待合室に移ると、どこから嗅ぎつけてきたのかマスコミの人たちも病院にまで取材にきていた。もちろん僕も取材されかけた。彼らの無神経さに頭にきて追い返してやったけど、明日の朝刊の一面はきっとこの騒動になることだろう。

 そして、落ち着いたかと思ったら今度は警察と学校の担任教師が待合室に来た。何でも会長さんの説明では不足していた分の状況を聞きたいとのことらしい。未だに二人は治療室から戻ってこないので、代わりに僕が事情聴取に応じた。

「それで宮川はどうなるんですか?」

「……はあ、さっきからそればかりじゃないか」

 分かってる。そればかりになってしまうのは。でも自分の振る舞いでたくさんの人に迷惑をかけていて、気にならないわけがないじゃないか。ただ話を聞く限りでは、宮川の正当性が認められる可能性が高く、明日の朝にでも親御さんが迎えに来たら解放されるようだ。もちろん立派な事件だから、今後とも僕や宮川が証人として警察に出向くことにはなるらしいけど。

 そしてそんなこんなで全てが終わったのが日付が変わった0時くらい。宮川が解放される可能性を聞いたせいか、今まで表には出てこなかった疲れが急にどっとあふれてくる。

「って全部僕のせいだけどさ」

 もちろん僕がまいた種だけど。僕があの時自分の正体を明かさずさっさと帰っていれば。眞子を強い調子で諫めて無理にでも帰らせていれば。あの時僕がムキになってチンピラにやり返さなければ……三人はこんなことになっていなかった。

 僕自身だって、至る所に包帯が巻かれるような羽目にはあわなかったはずだし、せっかく高いお金を出して買った浴衣だってこんなボロボロにはならなかったはずだ。

「眞子は何してるんだろう……」

 未だに眞子は救急治療センターから戻ってこない。やっぱり、重傷を負ってしまったのか。それとも、まさか命の境を彼女は今もさまよっているのか。

 鬱屈した気持ちを覚まそうと窓ガラスを見つめるが、それが映し返すのは惨めな僕の姿だけ。

 気持ちを変えたくて、とっさに向かいの自販機でコーヒーを買う。口に含むと、やっぱり苦くてますます苦々しい気持ちになる。全てから逃げ出したくなって、待合室のベンチに横たわったまさにその時だった。

「ハルちゃん?」

 聞き慣れた声だ。誰だと思い、腕にうずめていた顔を上げる。そこには、結衣と彼女のご家族が立っていた。いつの間にか結衣は着替えて、私服姿に戻っている。きっとご家族から着替えを受け取って着替えたのだろう。

 それよりもご家族の前でこんな情けない姿では居られない。ボロをまとえど心は錦だ。

「はじめまして。わたし、結衣さんの友達の安藤……」

 立ち上がって、襟を正す。

「あぁ、大丈夫よ無理に起きなくても。結衣から話は聞いているわ。春奈ちゃん、いつも結衣と仲良くしてくれてありがとうね」

「いえその……むしろすみません」

 深々と頭を下げる。当然だ。僕の不手際が、彼女を傷つけてしまったのだから。もちろん怒られることは怖い。責任を取れといわれたら、どうするべきなのかも分からない。それでも、誠意を見せることくらいしか今の僕には出来なかったから。

「春奈ちゃんのせいなの?」

 皮肉にも、今まで優等生で通ってきたぶんこういう時の上手い立ち回り方なんて分かるわけもない。だから僕はひたすら頭を下げることしか出来ない。

「ですからその……わたしの不手際で娘さんを傷つけてしまって」

 それなのに、彼女の母さんの言葉は――不思議なものだった。

「結衣からも話は聞いたけど、私はそうは思わないわよ?」

「えっ?」

 彼女は怒ってない?

 いや、こんな判断基準は失礼なのかもしれない。それでも、現実に何が起こっているのかもよく分からず顔を上げる。確かに彼女は怒っていなかった。厳しい顔もしておらず、むしろ穏やかな表情をしているようだった。

「確かに、三人ともどうしてそんな危ないことをしたの? とは叱るべきだと思う。でもあなたが勇気を持って結衣を守ってくれた。むしろ感謝するべきは、命を懸けて娘を守ってくれた私のほうよ」

「ですが……」

 危険に巻き込んだはずの僕が……。

「難しいことは今は考えないでね。まずは傷を治すことを考えないと、よ?」

 そう言われ、頭を撫でられる。どうしてこうなっているのか訳が分からず、頭をひねっても答えが出るわけでもなく。

「あと結衣が何か話したいみたいだから、もうちょっとだけ付き合ってあげて。結衣もあまり長話すると、春奈ちゃんの身体にさわるからほどほどにするのよ」

「はーい」

 そう言って、結衣の母さんはその場からいったん離れていった。


 ◇


「ゴメンね、その……気を遣わせちゃったよね?」

 訳が分からないながらも、とりあえず彼女の言葉にうなずく。かなり苦い缶コーヒーを口に含むと、さすがに思考が現実に戻ってきたようで状況を飲み込めてきた。

「……いや、大丈夫。親御さんへの説明責任もあるし」

 辛うじて、彼女の言葉を返す。

「気にしないでいいのに。でもそういう生真面目なところ、やっぱりハルちゃんも春樹くん譲りなんだね」

 そう言われ、彼女は微笑んだ。そっか、微笑むだけのゆとりが結衣にはあるのか。ということは、僕が思っていたよりは結衣はさほどダメージを受けていないと考えるべきなのか。

「違うよ。僕は……真面目なんかじゃない。むしろいい加減で卑怯だよ」

「そうかしら。私は、ハルちゃんは頑張ったと思うけどなあ」

 そうなのかな。彼女の顔を見る限り、その言葉はたぶん本当のことなんだと思う。だけどそれは、彼女は純度100パーセントの被害者であり、僕は彼女を傷つけた加害者なのだから。だから頑張ってるとかそう思うのは、変というか傲慢な気がするのだ。

 ますます分からなくなってきて、表面のことを見つめる。

「それより結衣、怪我は大丈夫?」

「私は大丈夫よ。むしろハルちゃんこそ、傷は大丈夫?」

「それは……不思議と痛くは無い。でも、お風呂とか入るときが面倒かもね」

 包帯が巻かれた脚を見つめる。仮にも女の子なのに、なんと酷いざまなのだろうか。しかも見るだけではこんなにも痛そうなのに、不思議と感覚が無いだなんて。

「……嘘だ、本当は痛んでるはずだよ」

「そんなことは無いって。本当に痛く……」

 無いと言い切ろうとしたその時だった。

「ハルちゃんが痛んでいるのは身体じゃない。きっと心なんだと思う」

 その一言が、心に刺さった。図星を言い当てられたような、そんな気がしたからだ。

「……そんなことないよ?」

 だけどそれを認めるのは、彼女を傷つけるような気がして。だから不安にさせまいと、あえて微笑をつくって答えた。

「無いわけ、ないじゃない。……そんなの見たら、励ますつもりだった私のほうが辛くなっちゃうよ」

 そう言い切る彼女の目には、涙が流れていた。涙を流しているのに彼女は笑っていて。

「だって一番怖い思いをしたのはハルちゃんのほうで、身も心も一番傷ついたのもハルちゃんで。私は守られてばっかり! なのに私は何も出来なくて……こっちが辛くなっちゃう」

 彼女はその言葉と共に、僕の胸元に顔をうずめる。涙が胸に染みてくる。

「どうして?」

 僕は分からなかったのだ。どうして僕は結衣を危険に巻き込んだのに、彼女は僕を抱きしめて涙を流しているのか。それが先ほどのような怖い思いをさせた抗議だとしたら、僕はもう謝るしかない。ただ、謝ることしか出来ないのだ。でも彼女は、僕に謝っている。立場が逆で、訳が分からなくなってしまったのだ。

「何もできなかったのは僕のほうだよ。結衣が謝ることじゃない」

 そうだ。今回の件は明らかに僕の思慮不足だ。僕はただ、二人を守らなきゃってそればっかりで頭に血が昇っていて。でも実際は、力が強ければ二人を守れるというのはただの幻想でしかなかったわけだ。

 確かに僕は傷ついた。でも僕のそれはきっと一週間もすれば治るものだ。だけど二人はどうなんだろう……。せっかく仲直りして、友達に戻ったのにそれがこんな出来事に見舞われたらそれこそ空中分解しちゃう。そんな気が、今はするのだ。

「そんなことはないよ! 二人は。ハルちゃんも正ちゃんも、いつも矢面に立って私を守ってくれた。でもね、自分がやったことに責任を感じて私から離れていった。正ちゃんはそうだった……」

 ……その言葉に、僕は何も言えなかった。この出来事が、図らずも結衣の過去のトラウマを思い返すような出来事になってしまったわけなのだから。

「正ちゃんの件は過ぎたこと。だからもういい。でもハルちゃんとはそうなりたくない。私のワガママだけど、正ちゃんと同じ道を歩んで欲しくないの。辛かったら、私に本音を言って欲しいしきつかったら一緒に気持ちを共有したいから」

 なのにどうしてこの子は優しいんだろう。

 本当なら、大切な思い出をぶち壊して過去の苦い経験を思い返させるようなことをしでかしたのに。それでも彼女は、僕のそばに寄り添おうだなんて。彼女の優しさが僕には、どうしても理解できなかった。どうしてそこまで人に尽くせるのか、僕には考えも及ばないことだから。

「……優しいんだね、結衣は」 

「当たり前じゃない。もう友達を見捨てたくないから」

 友達、か。

 あいにくと友達が少なくてそういう経験がないぶん、今の僕には何と声をかけてあげれば良いのか分からなかったのだ。


 ◇


 結衣を彼女の親御さんへ送り返してからさらに1時間。仮眠をしようとソファに横になっていたことのことだった。

「春奈っ!」

 聞き慣れた声だと感じて、ソファから身体を起こす。エレベーターホールのほうへ目を向けると、そこには血相を変えた母さんと秋奈の姿があった。二人とも普通の私服姿。まあ、お祭りに行った秋奈だとしても浴衣なんか着てくるわけもなく。そして二人ともまとう雰囲気はどことなく暗く重たいものだった。

「……母さん。秋奈」

 当然だ。どういう形でこの一方が二人の耳に入ったかは知らないけど、良いニュースでは無いことは確かなのだから。そして開口一番。

「母さんは言ったよね? 夜遅くまで出歩くなって。どうして守らなかったの?」

 言われるとは思ったけど、僕の軽率な行動を咎める言葉を浴びせられたのだ。

「それでこれだけ大怪我をして……あなた女の子なのよ! ちょっとは自分を大切にしなさい」

 それは、確かにそうだ。母さんの言うことを聞いてれば、そもそもこうはならなかった。でも、じゃあ自分を大切にするあまり二人を見捨てるなんて出来ただろうか。女だからって、誰かが守ってくれるわけでもない。最後は自分でどうするしかないのだ。

 だいたい、僕が女であることを否定した母さんのどの口がそれを言うのだ。矛盾じゃないか。

「だけどっ!」

 でも反発は……今回に限っては出来なかった。

「だけれども良かった。まずは生きて帰ってきてくれて」

 だって母さんはそう言うと、人目もはばからず僕を抱きしめて泣き始めたのだから。

「恥ずいし、大げさ。だいたいこんなんで死ぬわけないじゃん」

 死ぬわけない。そりゃそうだ。でも普段勝気な母さんがここまですることなんて、普通は無い。変な話だけど、僕は今までいわゆる優等生として通ってきた。そもそも親を心配をさせるという概念が無かったのだ。それだけに、裏を返せば今回の件はそれだけこの二人を心配させたってことなのだろう。

「……ごめん、なさい」

 ごめんなさい。たった6文字の謝罪の言葉だ。そう言わなくちゃいけない気がした。だけれども、なぜか腑に落ちない。ものすごくモヤモヤした、そんな言い方だった気がしたのだ。

 そんな時だった。

「春奈っ! あと佳奈さんに秋奈ちゃん」

 検査室の扉が開く。中からは、車椅子にのせられた眞子の姿があった。頭には包帯がぐるぐる巻きにされていて、腕には点滴のチューブがつながっている。三人の中では、見る限り一番ダメージを負っているようだった。

「眞子、大丈夫か?」

「だいじょばないよー。あんたが喧嘩吹っ掛けたぶんの負債がわたしに降りかかったじゃない」

 幸い、口調は一番軽くて元気っぽいからそこまでダメージは無かったのだろうけど。そこだけが、救いのような気がした。

「それは、ホントごめん……」

「ったく仕方ないなあ。許そう!」

 まるで時代劇のお殿様のような偉そうな口調で返す眞子。病院の人にうるさいと怒られていたけど、思っていたよりは元気そうである意味では良かったのだろう。

 ただし、眞子の身体へのダメージはやっぱり相当なもので念のため短期の検査入院をすることになったようだ。まあ車椅子に点滴という状態で病院から帰らされても困ってしまうだろうし、頭を打っているのだから妥当なところだとは思うけど。

 眞子の軽い口調に救われたのか、最初は泣きじゃくっていた母さんも徐々に元の調子に戻ったらしい。加えて、両親が不在の眞子にとっては親代わりをしないといけないこともあってか、いつの間にか僕を放って眞子の面倒を見ているようだった。

「眞子に救われたよ、本当に」

 秋奈にそう本音を漏らす。だけど秋奈は、その言葉に返事はせずひたすら眞子のことを見つめていた。

 そして……。

「色々ありがとうございます。ご迷惑をお掛けしますが、明日の退院手続きもお願いします」

「気にしないでね。ゆっくり休んでね」

 30分程度眞子のことを見舞って、僕たちも帰ることにした。

「春奈ー? 夜更かししないで早く寝なさいよ?」

「それは僕のセリフだわ。病院だからって浮かれてないでさっさと寝るんだぞ?」

「はいはい。じゃあ、おやすみね!」

 そういって、僕たちは眞子の病室を後にした。

 時刻は既に夜の2時過ぎ。草木も眠る丑三つ時というだけあって、帰り道には誰も居なかった。祭りの喧騒も嘘のようで、帰り道は僕たちの足音だけがこだましていた。そして、家に帰る直前。あの大通りを渡った時――。

「姉ちゃん、一つ聞いていい?」


「これが姉ちゃんが望んだことへの結果? 姉ちゃんが言う『人を守る』って、こういうことだったの?」


 路上に残された瓶の残骸を見つめながら、秋奈はそうつぶやいた。

大変お待たせしました。

「僕なり。」最新話です。年明けから忙しかったというのもありますが、正直難産回でした。3人がお互いを思いやっているはずなのに、それが「重い槍」になりつつある感じを表現することに苦戦をしたという感じです。

そして次回以降、この小説の核心に触れるテーマを描くことになりそうです。

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