1.「最低な僕」
この物語は、少年――安藤春樹が自己嫌悪から立ち直る過程を描いたものである。
(ご注意)
○本作品は「性別転換」というテーマを取り扱っています。全年齢対象で性的な、あるいは残酷な表現はありませんが苦手な方は閲覧を差し控えられることをおすすめします。
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女の子になりたい。
男なら、一度は夢見たことではないだろうか。
きれいな服を着て、みんなにちやほやされて蝶よ花よと育てられ。あるいは、甘いお菓子に舌鼓を打ってみたり。友達とわいわいはしゃいでみたり。ちょっとヨコシマなところでは、自分の胸を揉んでみたり、合法的に女湯に入れたりといったところか。
ともかく、女という存在は男にとってはまったく想像もつかない世界。だからこそ、多くの男が女に憧れを抱くし、女になってみたいと考えたりするのだろう。
……とはいえそれは、えてして冗談の一種にしかならない。お酒の席で、あるいは悪友たちとの間で。場所はどうであれ、男同士で交わされるちょっとした与太話の一つにしかなりえないし、そんなこと現実に起こるわけもないのだ。
そう、普通ならばね。そんなことを思いながら、僕はそんなふざけた言葉に斜線を引いてノートを閉じた。
◇
バカげたことだとは、分かってる。それなのにどうして、こんなことを書いてしまったのだろう。
思春期コンプレックス? あるいは変身願望? まあ、それも多少はあるのかもしれないけども。
でも一番大きいのはきっと、『僕』って存在を完膚なきまでに叩き壊したいというものなんだと思う。そのためには、僕という存在を存在たらしめる大きな構成要素である「性別」を否定しないといけない。
どうしてそこまで性別にこだわるのか。それは――僕が男らしくないから。
一般的に、中学生男子というものはその姿を急速に変えていく。それまでの未発達な身体から脱却し、より男らしい身体へと変化していく。身長が伸びて声が低くなり、個人差もあるとはいえ体毛が濃くなるってこともあるのかもしれない。少なくとも、僕の周りの男子はそうだった。そう、僕以外は。
では僕の場合はどうなのか。
正直なところ、自分でも言いたくないところではあるが――相も変わらず今の僕に「男らしさ」というものは微塵も持ち合わせていなかった。背は低いわ声は高いわ、身体能力は子どものままであるわ。そしてそれは、努力だけではどうにもカバーできない。
どんなに速く走りたくとも、身長も足も低ければどうあがいても速くは走れない。どんなに男らしい渋い声を出したくとも、声帯がそれに対応しなければ出せるわけもない。
それでもそれが自身にだけに関わるなら、別にいいのだ。だけども学校というのは、嫌が応にも身体の成長を証明するためのような行事を催したがる。
その典型例が、体育祭や合唱コンクールだった。体育祭では、男子の競技なのに女子が走っているなどと揶揄され、合唱祭では一人だけ女子と同じパートで歌うはめになる。一人だけで歌うのが嫌になって男子の中に混じろうとするも、今度は自分の声域では出せない声を無理に出さなくてはならない。
何もかもが不便だった。いや、不便なだけならばまだ良い。周りと違うという事は、言われのない迫害を受けるみたいだ。集団意識の強い日本人であり、かつ学校と言う閉鎖された集団生活を送る場にいるならば、その感覚も尚更である。
先生にも相談はしてみた。だけども決まって答えは――。
時が解決する、の一言。
では聞くが、その時というものはいったいいつになったら訪れるというのだ。いつになったら、このいわれのない迫害から解放してくれるのだ。いつになったら、かつてのように――みんなと楽しい日々を送れるようになるのだ。
結果として、僕はもう何もかもが嫌になってしまった。学校が嫌いになり、自分の事が嫌いになり、終まいには人間という生き物が嫌いになってしまった。
「お前は、逃げてるだけだ」――人はそう言う。そうさ、その通り。
だが、軽々しく言うお前らにこの生き地獄の苦しみが理解できるのか?
街を行く、平凡で何の苦しみも感じないまま生きてきた人々への怒りをふつふつと湧きあがらせながら、それでも僕は今日を生きることになる。
◇
長い長い1日がやっと終わり、やっとの思いで放課後。周囲は部活や、明日から始まる連休をどう過ごすかですでに盛り上がっているようだ。
しかし僕にとっての放課後は、容赦のない生き地獄がいったん終わるっていうくらいの意味しか持たない。多少の安堵という気持ちくらいはあるものの、だからといって楽しいとか喜びの気持ちなんてあるわけもなく、機械的に荷物を鞄につめてそのままそそくさと帰ろうとした。
だが世の中には、こんな僕と一緒に帰りたいだなんてのたまう酔狂な人が多少はいるらしく。
「待って、春樹」
僕とは違う、明るくてきれいな声が聞こえた。
本当ならば無視するべきなのかもしれない。だけどもついついその声の主の方を向いてしまう。いや、声の主へと目を向けたのは僕だけじゃない。その場居たほとんどすべての人が、彼女のほうに目を向けていた。
どうしてみんなが揃いも揃って、たった一言に反応したのか。
それは、クラスの嫌われ者だった僕に接触したというのも多少はあるだろうけどそれ以上に……。
「あんた、今から空いてたりする?」
声を掛けてきたのが、クラスでも中心人物のうちのひとりにあたる少女。三春眞子だったから。
普通こういう時、クラスの日陰者に当たる子はどのような対応を取るのか。一つは、オドオドして慌てる。もう一つは、一周回って黙り込んでしまう。そこに悪意はないけど、対応できずにといったパターンだ。どちらにせよ、普段起こり得ないことに対する焦りや戸惑いが根底にあるのからというのがあるのだろう。
だけども僕が彼女にとった反応は、そのどちらでもなく。
「……何?」
突き放すように、わざと冷たく酷い言葉を返した。
周囲からは、「薄情だ」とか「ひでぇ」なんて声が聞こえてくる。確かに客観的にみればそうかもしれないが、それは僕の気持ちを知らないからこそ言えることなわけで、そう考えれば全く人間とは随分と勝手な生き物だと感じた。
だいたい僕は、生まれつき人と話すことが割と苦手な性格だ。注目を浴びるのも同じく苦手で、出来ることならば注目もされず静かに生きていたいとさえ思っている。なのに彼女から声を掛けられると、嫌でも周囲の視線を浴びてしまう。
今回は一回目だから仕方がないとはいえ、同じことはもう二度とされたくない。
だからこその、そういった警告の意味も込めた言葉なのである。だがそんな意図を理解できるはずも無く、彼女はなおも明るい声で話を続けてくる。
「『何?』じゃないよー。せっかく幼馴染みが声を掛けたって言うのに、ちょっと酷くない?」
どうしてそんなに怒るのよ――そんなことを言わんばかりの表情で答える彼女。
本当に、タチの悪い女だ。しかも、言わなくても良い「幼馴染み」だなんてワードを織り込んでしまったおかげで再びこのクラスの中でどよめきが生まれる。しかも中には、この女と僕が幼馴染みであることさえも不服に思う人間が居るらしい。なんでも、こんな人間と彼女が幼馴染みだなんて釣り合わないと。
それについては僕も同意だが、お前たちの理想を押し付けられてもこっちとしては困ってしまうのだ。
「酷いかどうかは知らん。用件があるなら手短に」
普通に話していても嫌な気分になるのに、これ以上こんな拷問など受けたくない。故に、ますますキツい口調で問いかける。はっきり言って、お前と関わるだなんてお断りだと口にしたいくらいなのだ。だがそれで諦めるほど彼女は優しくはなく。
「用件なら、ある」
「はっ? そんなわけが――」
くだらないことならばもうこれで話が終わるはずだ。そう思ったはずなのに、先ほどまでの明るい顔が一転。彼女の瞳からは、真剣なまなざしを感じた。
「今日は、わたしと一緒に帰るよ」
「お断りだ」
「いや、帰る。これ、決定事項だから」
そういって、腕をがっしりと掴まれた。
顔こそ合わせないものの、その腕の掴み方。こういった時のこいつは頑固だ。ゆえに何を言ってももう聞かないことだろう。
「分かった。教室の外で待つから、さっさと支度をしろ」
やむを得ず、僕はその申し出を了承した。それが最速で解決する手段だと判断したからだ。
だがその時の僕は、知らなかったのだ。
その了承が――僕と眞子の。いや、僕が関わる全ての人たちの運命を大きく変えてしまうことになる一言だったとは。
◇
そんなわけで、やむなく彼女。三春眞子と共に家に帰ることにした。
一見すればデート。あるいはそれに準ずる甘い時間だと思われていたことだろう。だが僕からすれば、ただでさえ教室でも存在感があって様々な人に好かれる彼女の存在があまりにも眩しく、日陰者にとってのしんどい時間でしかない。
とはいえそれも15分程度の我慢だ、と考えていたのだが。
「あっ、ちょっと寄り道するね」
そう言って彼女は通学路の公園へと手招きする。
勘弁してほしいというのが本音だが、それを言って話がこじれるのもそれもそれで面倒だ。
ベンチに座るように指図されたため仕方なしに待っていると、すぐに彼女は近くの自販機からジュースを二本買ってきた。一本は僕に渡されて、もう一本は爽快な開栓音と共に眞子によって開けられる。
「やっぱり真夏は、コーラに限るよ!」
そう言って彼女は、腰に手を当てて豪快にコーラを飲み始める。相変わらず、見た目と裏腹に男勝りな女だ。黙っていればそれこそお人形のように可愛らしいのに。とはいえ、昔からお人形遊びとかよりも鬼ごっこやザリガニ釣りといった遊びのほうが好きだったことを考えれば、こうなるのは当然な話なのだろう。
「まあ、のど越しが良いからな。せいぜい飲み過ぎて、腹を下さぬことだな」
そう、これから起こり得そうな出来事と、それに対する心配だけつぶやいて、僕はコーラの缶を隣に置いた。
「相変わらずつまらないなぁ。そんなんじゃモテないぞー?」
「モテなくて結構。そもそも恋人が欲しいと考えたことが無い。なんなら平穏な日々が、お前によって崩されること自体が不快だ」
「それ。わたしだから怒らないけど、他の人が聞いたら相当なひんしゅくだよ?」
「もう相当なひんしゅくを受けてるんだ。今さらだろう。誤差の範疇だ」
「そう。まあ、幼馴染みとしてはあんたのその姿勢はちょっと心配なんだけどね……」
幼馴染み、って言葉に思わず顔を上げる。そういえば、やたらとさっきからその言葉を何度も連呼する。確かにそれは事実ではあるのだが、子どもの時はともかく大人になった今、僕と眞子が進む道は全く逆の方向に進んでいるわけで。
それなのにどうしてこいつは、今さら僕をこの場に呼びつけたのだろう。幼馴染みという共通項をまるで大義名分にして。
「どうでもいいことだ。それより、話してもらおうか。僕を呼び出した理由を」
やぶへびかもしれない、とは一瞬思ったものの、それでもさっさと話を終えたくて僕の方から話を切りだした。その言葉に――。
「本当にさっきから愛想の一つも無くて嫌な感じ」
そう言って彼女は、飲み切った缶をちょっと遠くのゴミ箱へと投げつける。そして嫌な顔をしながら、彼女は本題を切りだした。
「あんたさ、いくら何でも最近の態度は目に余るわよ?」
「目に余る、とは?」
「自覚が無いの? あるいは自覚はしているけど見なかったフリをしてるだけ?」
彼女は話を続けた。いわく、いつも眉間にしわを寄せているだの。用事があって話しかけても、ロクに話も聞かないだの。常にイライラした雰囲気をまとわせ、クラスの人たちを戸惑わせているだの。
「別にさ、いつも笑ってろとかいつも人当たりよく接しろとかは言うつもりは無いよ? けどさ、せめて周りの人を嫌にしないように振る舞うくらいはできるでしょ。あんたもう中学生なのよ?」
「はいはい。それは僕が至りませんでしたよ悪かったです」
またその手の道徳的なお説教か。本当に周囲の人間は、僕の気持ちなんかちょっとも考えないで好き放題言ってくれる。
周りを嫌にさせないように? もちろんそんなの人として当たり前だし、出来るならそうしたいさ。
けど、そんなことを言うお前たちがそれを出来ているって言うのか? 人にそんな聖人君主を求めるクセに、自分たちは平気で人を無視して嫌なことを言ってくるじゃないか。
そういう言葉が聞きたくない、って分かってるクセに身長が低いだの声が高いだの。もっと真剣に歌えだの走れだのやる気あるのかだの。
出来るならば、そうしたいに決まってる。でも、身体の能力上出来ないものは仕方ないじゃないか! 性能的に限界を迎えているのにそれ以上を要求されたってできるわけがないじゃないか。
そうやって僕を散々困らせて傷つけたやつらをぞんざいに扱うことの、何が悪い? それとも僕は、そんな酷い奴らに対しても誠意をもって接しないといけないのか?
「何その態度? 親友だからこそ心配して言ってるのに……そんなことされたら、さすがのわたしも本気で怒るよ?」
「では聞くが、僕は僕を酷く扱うような輩に対しても誠心誠意模範的な態度を取れと、こう言いたいのか?」
「誰もそこまでは言ってないでしょ? そうじゃなくて、もうちょっと人当たりは穏やかにしたほうが良いってそう言ってるだけじゃない!」
「では、そこだけは改善することを約束しよう。話は以上だ」
これ以上は面倒な展開になる。ゆえに僕はさっさとベンチを立って踵を返した。
正直これ以上の議論はどうあがいても平行線だ。そもそも噛み合わない以上、互いの時間の無駄でしかない。眞子もそこはバカでないはずだし、僕が立ち去れば話は終わるだろうと思い込んでいたのだが。
「待ちなさい」
いつもはこうやって撒くことが出来るはずの彼女が、今回ばかりは撒くことを許さない。
ドスの効いた声と共に、立ち去ろうとする腕をしっかりと掴まれてしまった。振りほどこうとかなりの力を掛けたつもりだが、それでも振りほどけない。足元に映る眞子の影には、写るはずのない眼差しが僕を射抜いているようだった。
「離せ。時間の無駄だ」
「嫌よ。だってあんたには、わたしの気持ちが全く届いてないじゃない」
「お前にも、僕の気持ちは届いていないではないか。だとしたら、互いに本心を理解できてない。以上でも以下でも無いはずだ」
そう言って、徹底的に冷たいことを言って彼女を引き離そうとするのに――なおも彼女は食らいついて来る。
「どうしてそんなにいじわる言うの? わたし、これ以上あんたのことを見ていられないのよ」
「ならば見なければ」
「どうしてそんなにも、あんたは周囲を。周囲だけじゃなく自分さえもを傷つけて痛めつけて――それでなおも平然と振る舞ってるの?」
その言葉に、僕はつい足を止めてしまった。
いや、ダメだ。そんなことをしたら、僕に残る僅かな情けが出てしまう。
僕は決めたんだ。周囲がそうやって僕を貶めるのであれば、僕は誰に対しても冷たくあろうと。ただやられるだけでは済まないんだって。
それが、あの地獄を生き残る――お互いにこれ以上傷つかないたった一つの処世術でしかないってことに。
「わたしだって気づいていないわけじゃないんだよ? 確かにあんたを悪く言う人が何人も居るってことくらい。それで辛くて心を閉ざしかけているってことも」
彼女はそうやって、声を震わせながら続けた。さっきまでの明るい口調とは一転とした言葉遣い。さすがの僕も、眞子の真剣な気持ちを切り捨てることは出来ず、いったんは聞くことしか出来ない。
「でも、だからと言って……それを誰に対してやっちゃうのはさすがにどうなのかな? あんたを酷く言うやつにそうするのは別に良い。あたしが気に食わないなら、あたしに向けても構わない。でもね、それを全く関係の無い人にまでぶつけるのって――後々自分の首を絞めることになっちゃうんだよ?」
それはたぶん道徳的な意味での模範解答なのだろう。確かに全く関係の無い人にまでこの態度は、少々酷いという可能性はある。
だがしかし、その全く関係ない人が全く関係の無いように見せかけた悪人だったとしたらどうする? だいたい全く関係無いとしても、今まで誰一人として僕のことを庇ってくれなかったじゃないか。
「そうか。それは育ちの良いことで結構。だが現実に、僕を一ミリでも庇ってくれた人間はあの空間に居ただろうか? 彼は無害だから丁重に接する、彼は有害ゆえにきつく接するだなんてフィルタを掛けるのは現実的か? いやそれ以前に――」
「申し訳ないが、僕はもう疲れたんだ。至る所から責められ誹られ。もう誰かと関わり合いを持つことも持たれることも。というよりも、生きることそれそのものに」
眞子にはきっと分からないのだろう。
クラスの中心人物で、人気者で、美人で、頭も良くて――。もちろん人並みの身長、体格を有していて目立った欠点などあるはずもない。そんな、普通以上の人間に僕の気持ちなんて絶対に理解しきれないのだ。
「それでもなおも僕に、気を遣えとのたまうか? だとすればそれはもう、僕に死ねと言っていることと同義ではないか?」
そんな環境でもう擦り切れそうなのに、これ以上に何をどう頑張れば良いというのだ。
身体と精神の性能的に、もう既に限界を振り切れているのだ。それなのにそれ以上を求めるというのなら、それはもうそれが出来るものに身体と精神と差し替えるしか方法は無い。
……あぁ、そうか。やっと今になって気づいたよ。
「ちょっとあんた。死ぬだなんてそんな不吉な例えなんて」
眞子は明らかに震えていた。目線は凛としているが、それも作った表情に違いない。
だがその一方で、きっと僕の目線は久々にしっかりと据わったものになっていたのかもしれない。
「良いではないか。なかなかに妙案だぞ」
そう言って、わざと掴まれている眞子の右手をはたく。
女性に手を上げることは最低なことだとは分かってる。女性に手を上げ、心配して説得しに来た眞子に不安を覚えさせて。本当に、どこまでも最低な人間だ。謝ろうにも感情の整理がつくわけもなく。
でも――それもきっとこれが最後だ。
「ゴメンな。こんな幼馴染みで」
そうとだけ言い残すと、今度こそ眞子を見ないまま逃げるように立ち去った。いや、見れなかったのだ。助けに来てくれたであろう幼馴染みを、結果的に一番ひどい形で裏切ってしまったのだから。
『初めてではないTSモノ。書くにあたって、一つのテーマを定め、それにTSというものを絡めて書くようにしました』
そんな書き出しで始めた前作品「僕は女の子になりたい。」。
そのタイトルの通り、安藤春樹という少年が抱える悩み事に性転換という要素を織り込んで作った作品です。紆余曲折を得て半年前に何とか完結したのですが――
ちょっと待ってほしい! まだまだ書き足りないことはたくさんあるではないか。
ということで、前作では書き足りないことも踏まえて大幅パワーアップして帰ってきました。主人公や世界観も前回と変わらず。出だしだって前回と同じ。ただし、内容やストーリーは大幅に改稿しておりますし、登場人物も大幅に増えました。もちろん、心情面も一切隠しませんしオブラートに包みはしません。泥臭い面はさらに増えたかもしれない。
そんなわけで、全く新しい「僕は女の子になりたい。」が帰ってきました。タイトルは前回と全く同じままですが、内容は完全に新規で作っています。安藤春樹という平凡な少年が少しずつ成長してゆく姿をともに見守っていただけたら幸いです。