来世は決まってないそうです。~if~
「いらっしゃいませ。初利用でいらっしゃいますか?」
突然の出来事に呆然としているところに後方から話し掛けられ振り替えるとそこはどこかの事務所だった。
そこの事務机に金髪美女が受付嬢の様にいる。
これは夢だなと自分の頬を思いっきりつねると
「いったぁぁーっい。」
ものすごい痛みが頬を襲った。
その様子に突っ込みもせず
「お客様、お気が済みましたらこちらへどうぞ。」
訳のわからぬ状態のまま席につくとよう促され席について机を挟んで金髪美女と向かい合わせに座る。
「おめでとうございます。お客様はランダムに出現する絶対願望成就エリアにて願いが叶うことになりました。」
と金髪美女は訳のわからぬことをほざいている。
「は?なにその絶対なんちゃらかんちゃらは私には関係なくない?」
とつっけんどんに言うと
「絶対願望成就エリアです。客様はお気づきではないですが実は先ほどたまたま出現したエリアをある希望をおっしゃりながら通られていたのでここに誠に勝手ながらお呼びしたのです。」
と私の都合無視で呼ばれる。
「勝手にそんなエリアをランダムで失言させもとい出現させ願望成就エリアだぁ?そんな大風呂敷を広げて大したことなかったら怒るからな。見ろこの買い物袋今から帰ってテレビでも見ながらゆっくりするつもりだったんだからな。この責任はどうとるんだ。」
と言うと
「今回の願望自体は大したことないので直ぐにお帰りいただくことは可能ですが、お客様が絶対願望成就エリアを通られたとき『あれ?かみはどこにやったっけ。』と言いながら通られたので私共といたしましてはかみとだけ聞こえ種類までは言っておられなかったのでおよびだていたしました。それと期限も期間も仰せではないのでこちらで勝手に判断させていただきまして一日に一回とさせていただきます。」
と言い何が一日に一回と思いつつ
「え?そんなこと言ってたっけ。かみ、かみ、かみ……思い出せない。それは変更できない?例えばお金持ちになりたいという願望とかに。」
と聞くと
「申し訳ありません。規則違反になってしましますのでそれは出来ません。規則を破るとここから2度と帰れなくなりますからお止めになったほうが宜しいかと、ところでかみといっても色々ありますしどうせならこのカードで選ばれると宜しいかと思いまして」
とさらっと怖いことを言われた上に訳のわからぬカードが目の前に並べられた。
「カードはかみの質、大きさ素材を各自引いてもらいます。それによってお客様は一日に一回だけそれを具現化することが出来ます。さあお引き下さい。」
金髪美女に言われるままカードを引く。
先ずは素材カードを、一枚引いてみると謎の文字が書いてあり金髪美女がそれを読み上げる。
「お客様がご使用されるかみの質は……極上と書いてあります。かみの極上……さてどのような物でしょうね。それでは大きさのカードを引いてください。」
と言われ適当に大きさのカードを引いてみるがこれもまた読めない。
横から金髪美女が
「かみの大きさですが……90センチ×1センチとなっています。そこそこ大きいようですが果たして最後の素材はなんになるのでしょう。では最後のカードを引いてください。」
使えそうもない大きさのかみ、ひょっとして紙なのかそんなこと考えながら最後のカードを引くと
「お客様、最後のカードですが素材は頭皮に生える髪です。他にもカードはあったんですが例えばかみはかみでも和紙とか色紙とかがあったのですがね。これで全てのカードが出揃いました。お客様は極上の90×1センチの髪を出すことが出来ます。使用についてはお客様自身で考えてください。それではお客様どうぞお帰り下さい。」
有無を言わさず言いたいことを言って金髪美女はさっさと私をもとの所に帰す。
試しに一房髪を出してみるとふぁさっと髪が出現した。
え?これをどう使えというんだ。
------数年後-------
まさかある意味願望のお金持ちになりたいが叶うとは。
世界的な最高級かつらの制作者になるとはな。