第35話:遥かなる高みへ… 動き出した白き少女
――Side Kasumi Misora
社長達に休止を宣言して、ボクは夢のために動き始めた。
そして、その第一歩。
「…着いたよ……先輩…」
ボクは春ヶ丘の地を再び訪れた。
今回のボクの格好は過去のとは違い、先輩がくれた帽子とお古の服で完全に男装。
コンプレックスの胸が大きくない…というのが役に立ったのか、見事に男の子に見えるはずだ。
かといって小さいわけでもない。形も良いし、感度も抜群…
「って、これじゃ!ボク変態さんだよ!」
ツッコミを入れ、ブンブンとおかしな自分の考えを振り払って、ボクは歩き出した。
「おじゃましまーす…」
家主の居ない氷室家。先輩は、学校に行っている筈だ。
ボクは昔に玄ちゃんから貰った合鍵で家の中に入った…
抱えるように持ってきたボストンバックを居間に置いて、ボクは二階に上がる。
そして、先輩の部屋でハンガーに掛かっていた、お目当ての物を発見する。
「先輩の…制服だぁ」
手にとって…クンクン…
洗濯したのだろうか?洗剤の匂いとほのかにフローラルな香り…香水かなぁ…
「って、これじゃ、ボク変態さんだよ!!」
駄目だ駄目だ…おかしいぞボク。自重しろ
自分を戒めてから、ワイシャツも引っ張り出して、袖を通していく。
「ぶかぶか…」
だが、当然のようにサイズがあわず、ぶかぶかだ。
とりあえず、裾を折って、穿いているズボンのベルトを使ってウエストを強引に止める。これで下はオッケー
上は…
「このままで行くしかないか」
着替えを終えたボクは家を後にして、先輩の通う学校……光琳高校に向かった…
――Side Misuzu Kariya
早めの昼食を取り終わり、私はもう一度資料に目を通す。
今日、編入試験である面接を受ける国民的にも有名な女の子……
「Sora…いえ、美空霞さんか…」
顔はもちろん知っている……だけど…
「ふぅ…何を考えているんでしょうね彼女は」
隣で頭痛薬…いや、胃腸薬かも…を飲む教頭の姿を横目で見つつ…私は敏感に彼女からあるオーラを感じる。
「…ラヴ……とてつもないラヴ臭がするわ!」
ふふ、私の目は誤魔化せないわよ。
私の恋を見抜く眼力は伊達じゃないわ。ちょっと頑張れば相関図だって作成可能な程……
何より、アイドルとしての立場を蹴ってまでわざわざ学校に通うなんて愛…以外に理由があるわけがないわ!
「教頭先生、急いで彼女の制服と教科書を手配して。サイズはこれに書いてあるから」
資料から必要事項を書き写した紙を教頭先生に渡しながら、私は告げる…
「は?あ、あの…面接はまだ…」
「合格に決まってるじゃない♪私が恋する乙女を応援しない訳が無いわ!」
ふふ、詳しくは本人から聞くとして…さてさて…一体、お相手はどんな子なのかしらね。
アイドルと…普通の高校生の恋……あぁ、考えただけでもぞくぞくするわ!
――Side Kazuto Himuro
「――っ!?」
昼食時、屋上で購買のパンを食べていると物凄い悪寒を感じた。
絶対に良くないことが起きる。俺はこの手の感を外したことがない。
「…だからといって…どうすることも出来んがな…」
何故なら、この手の危険を回避できた事が無いからだ……せめて、最後となるかもしれない昼食を楽しもう。
「…おまえ、さっきから何やってんだ?」
隣で食べている琢磨に怪訝そうに見られる。ちょっと…傷ついた……
――Side Kasumi Misora
光琳高校の校長室。そこでボクは編入の為の面接を行っていた。
「すいません。こんな格好で…」
部屋に入って帽子を取って謝る。こんなぶかぶかの…しかも男物の制服で面接に来るなんて自分でも前代未聞だと思う…
でも、私服で着ちゃったら目立つし…彩花さんに制服を借りるわけにもいかなかったし…変装には丁度よかったっていうのもある…
「いいわよ。ふふ、アイドルも大変ねぇ」
校長の狩谷美鈴さんは気さくな人らしく、そう言ってくれた。
「それじゃ、いくつか質問させてね?」
「はい」
何聞かれるのかな?やっぱり志望動機かな…
「…ほほー。これはこれは……中々な有能物件を狙ってるわね…」
「?」
何の話だろ?
「んじゃ、一つ目の質問ね。和坊の何処に惹かれたの?」
……いきなりの質問に私は驚いた。
「あ、あの!どうしてそれを!?それに普通、最初は自己紹介とか!」
「そんなのつまらないし、時間の無駄じゃない。資料で分かってるんだし。で、なんで私が和坊…氷室和人君にあなたが好意を抱いているか分かるかって言うとね?見えるのよ。私には、その人の想っている人がね…」
…は?
「写真とかじゃ駄目なのよ。直接会わなきゃ、あ、でも、その人が恋しているかどうかは写真で分かるわよ。すごいでしょ?」
すごいも何も…まだ、ちょっと混乱中……
「でもね、あの子は競争率高いわよ」
けど、その言葉に思考がクリアになる
「勝ちます…」
「霞さん?」
「誰にも…誰にも先輩は渡しません。そのために…ボクは此処に来たんだから」
そうだ…この人がどんな力を持っていようと関係ない。私の恋の相手を知られたところで意味が無い。
誰が来ても…先輩をボクだけの先輩にする。彩花さんにだって負けるつもりは無い。
少し熱くなってそう叫んじゃったんだけど…拙い…面接だって事忘れてた…
校長先生はプルプルと肩を震わせて俯いている。
そうとう怒らせちゃったなぁ…面接も駄目かも……
目尻に涙が浮かぶ…ボクってだめだなぁ…
だけど…
「うふふ…合格!!素晴らしいわ!!愛のために全てを棄てる…ふふ、ラブ…これぞラヴよ!!」
ガバッと俯いていた顔を上げ、そのまま一気に立ち上がり、歓喜の笑顔で私の傍まで来て、肩をガシッと掴んで力説する。
「そうね。橘さんや他の娘達もモタモタしててヤキモキしてたんだけど…ふふ、これで面白くなりそう。良い?一気に行きなさい!和坊は鈍いからね、間接的なアプローチは駄目。ゴーゴーゴーっよ!押して駄目なら引いてみろ!?ぬるい!!押して駄目なら、もっと押せ!押し倒せよ!!」
暫く、固まっていたが徐々に言葉の意味を理解し、ヒートアップする狩谷校長に触発されてボクもテンションが上がっていく。
「そうなんだよ!ボクもね、色々とアプローチはしてきたんだけど、全然気がつかないんだ。だから、家に押しかけちゃった。先輩にはまだ内緒だけど…」
「同棲!?いいわ!ナイスな攻撃ね!だけど安心しちゃ駄目よ。チャンスを生かして一気にもってかないと」
意気揚々とまるで友達のように会話する二人。もはや、面接は頭に無い…そもそも、面接前から合格が決まっていたのだから……
傍らで言われたことを終え、面接を静に見守っていた教頭先生はため息を吐き、ピルケースから不本意ながら愛用している薬を取り出し、お茶で流し込むのだった…
――Side Kazuto Himuro
放課後……今日は琴乃と彩花が二者面談を受ける。
なのに、なんで俺まで教室に残っているんだろうか…
面接が始まるまでの少しの時間、俺は何故か?二人に詰問を受けているのだった…
「そ、それで?和の…」
「志望する大学は何処なの!?」
……んで、なんでか俺の志望する大学を聞いてくる二人。
「い、いや…志望も何もさ…」
「か、和の成績なら一流大学ですら合格できるだろう」
「けど…、私だって頑張るんだから」
なんでかやる気満々の二人。つーかさ…
「なして、俺が進学と決め付けてるんだ?言っておくが、俺は大学には行かないぞ」
「なっ!?」
「な、なんですって!!」
驚く二人。むぅ〜そんなに驚くような事だろうか?
「ど、どうして!?こ、今度こそ一緒に入学して卒業できる…そう思ってたのに!」
「そ、そうよ!!私の幸せラブラブキャンパスライフ計画をどうしてくれるのよ!!」
…あの〜何を言ってるんでしょうか?つか、なんで攻められてるんだろう…俺。
「だってさぁ…金、無ぇし」
今の家を売るなりなんなりすれば、授業料+安いアパートで何とか成るかもしれない。
けど、あの家を手放すつもりは無い。あの家は、俺の夢の舞台。あの家で暖かい家族…家庭を築きたい。
爺ちゃんの残した…あの家で…
「け、けど!!奨学金とか!?」
「ええ!後で働いて返すって言う手もあるわ。ここから通える春ヶ丘大学を狙えば良いじゃない。公立だし」
「でもなぁ…学びたいことなんて無いからなぁ。なのに大学行ってもお金が勿体無いじゃないか」
つか、昔は中卒で高校には行かないで働こうとすら思っていたほどだ。涼香お姉さんが断固反対して、高校出なさいと笑顔で脅…コホン。説得の末に今、此処にいるのに。
「そんな訳で俺は就職するつもりだ。じゃ、俺は帰るぞ。あぁ、受験勉強で分からないところがあったら、俺でよければ教えてやるからな」
それだけ、言い残して席を立ち、家に向かう。
さて…今晩は何を作ろうかなぁ……
――Side Maki Midou
はぁ…こいつ等は……
今日も面接。最大の懸念事項であった氷室を終えた今、スムーズに進むはずだったのだが、まだ問題児が居た…いや、正確には問題児共だが…
「てめぇもか……ったく、どいつもこいつも…」
本日最後の面接…橘に怒鳴りつける。
こいつは春日とまったく一緒の事をほざいたのだ。
二人の進路は進学が第一志望。具体的な志望校は成績を見つつ、面接で決めるという事だった。
だが、方面…つまり、文系とか理系とかを聞いとかなきゃ、志望校どころじゃない。
なので、最初にそれを聞いたのだが…
言うに事欠いて、氷室と同じところがよかった……とほざきやがった。
氷室は関係ないだろ。成りたいものを言ってみろ。と言ったら…二人揃って…
『お、お嫁さん…』
と、きたもんだ。
こんなのあたしにどう指導しろっつぅんだ。そもそも!なら、家で花嫁始業でもなんでも勝手にやれって感じだ!!
色恋沙汰は校長の管轄だっつぅの!!
そして、氷室と同じように三者面談までにやりたい仕事を見つけてそれについてちゃんと調べろ!ってなことで面接は終了。
あぁ…頭痛ぇ……教頭に頭痛薬でも貰ってくっかな…
――Side Kotono Kasuga
「はぁ…先生に怒られちゃったよぉ…」
ため息を吐きながら帰り道を歩く。
でも、和ちゃんのお嫁さんになるのか小さい頃からの夢だ。
それに、和ちゃんがいるから転校してきたのに、和ちゃんの進路が違っちゃ意味が無い。
「今年中に…告白するしかないかなぁ…」
でも、それは凄く怖い…
断られたら…きっと、和ちゃんと話せなくなる。
それはとっても嫌だ…
だから、時間が…欲しかった……
大学に行けば、今まで一緒に居られなかった時間を少しでも取り返せると…そう思った。
「はぁ…」
私にはまだどうすればいいか…道が見えない…。
――Side Ayaka Tatibana
「ただいま…」
自分でも不機嫌な声だと思う。
それも仕方が無じゃない。てっきり進学と思っていた和人が就職なんだから…あんだけ頭良いのに…
でも、良く良く考えてみれば分かることだった。あいつは中学の時も高校に行かないで働くと言っていた事だし。
「そうだ!」
母さんに頼めばまた、説得してくれるかもしれない。
そう思って、鞄を置いて、着替えをして台所で夕飯を作っているお母さんのところに行き、お願いしてみたが…
「彩ちゃん、甘えないの」
そっけなくそう言われた。
「あの時は和人君はまだ子供だった。でも、今年で18よ。あの子の人生に私が口出しする権利は無いわ…」
「で、でも…」
「それに…三年も時間があったじゃない。今まで何してたの?彩ちゃん」
その言葉に、ビクッと身体が震える。
「和人君が好きなんでしょ?中学の頃から…ずっと見てきた私は知ってるわ」
「…………」
「仮に一緒の大学に行ったとしても同じ事になるわ。だらだらと一緒に居るだけで肝心な告白が出来ない…」
「そ、それは…」
「丁度いい機会なのよ。和人君と一緒に居られるのは今年いっぱいだと思えば…そうすれば、けじめがつけられるでしょ?」
どうして?
どうして、そんなに冷たいの?
「お母さんは…私の味方じゃないの!?」
思わず、そう叫んだ…でもお母さんは…
「味方に決まってるじゃない。娘の幸せを願わない親が何処にいるの?」
と、そう言って近づいてきたお母さんは、微笑みながら私の髪を撫でる。
「それに…和人君の本当のお母さんになりたいしね。だから…そのために彩ちゃんに頑張ってもらわないと…」
ひとしきり私の頭を撫でた後、その手を肩に置いて、まっすぐに私を見て…
「踏み出す勇気を持ちなさい。動かなきゃ何も変らない。怖いのは分かるわ…誰だってそうだもの……怖がらないで告白できる…そんなの本当の恋じゃない。断られたらもうあの人と元の関係で居られない、気まずくて話しかけることも出来なくなるかもしれない。本当の恋をしたら誰もがそう思うの…でも、そこから一歩踏み出したものが、欲しかった幸せを得る資格を持てるのよ?」
「資格…」
「えぇ、このままじゃ誰かに先を越されて和人君とられちゃうわよ?それでもいいの?」
「それは嫌!!絶対に嫌!!」
「それじゃ、踏み出しなさい」
そう言って、お母さんは踵を返し再び夕飯を作り始める。そして、私は部屋に戻って一人で自分の気持ちを考えてみることにする。
台所から出る直前…
「彩ちゃん、後悔だけはしないようにね」
後ろからお母さんのそんな言葉が聞こえてきた……
お母さんに言われて、一人考える。
勇気を出して告白か…
私は和人が好き……それは偽りの無い感情…和人には私だけ見ていて欲しいと思う…
だけど、拒絶されるのが怖い。和人と気まずくなったら、これまでどおり一緒にはいられなくなる。
けど…今、和人は私の傍にいる……卒業したら離れてしまうかもしれない。なら、卒業式の後で告白して、今は一緒の時間を共有するだけで良いのではないかとも思うのだ…
「そうよね…うん。まだ時間はあるわよね…」
臆病な私は未だ、動き出すのを戸惑っている…
この時の私は気がついていなかった。すでに、一歩踏み出した人が居ることを……
――Side Kazuto Himuro
時間は少し遡る…
放課後、詰め寄られた二人から解放されて、俺は家に帰ってきた…
「ただいまー」
返事が返ってくるわけでもないのに、ついそう言ってしまう…
だが、今日は違っていた…
「おかえりー」
リビングのほうから聞き覚えのある声がしたのだ。
現在、この家の鍵を持っているのは家主である俺と彩花、そして保護者である涼香さん…その誰とも違う…
で、残っているのは…
「おまいか」
リビングでだらしなく足をパタパタさせながら、ポテチなんぞを頬張りつつ…寝っころがってテレビを見ている白き歌姫…こと、霞がいた。
しかも、ブラウン管の中にもその少女の姿…どうやら、コンサートの時の映像らしい…。
そして、テロップには
『人気歌手Sora活動休止!?』
の文字がでかでかと…って、なにぃい!?
「おい、霞よ…これはどういう事だ!?」
テレビでは病気や事件などの様々な憶測がされているなか、話題の張本人は事もあろうに俺の家に居る…
俺は着替える時間も惜しく、制服のままで霞の対面に座ってTVを消してから、そう問い詰めた。
「先輩、制服が皺になっちゃうよ。着替えてきなよ」
「だまらっしゃい!!さぁ、話せ、やれ話せ」
深い事情があるなら、俺も問い詰めはしない。けど、こいつのこの能天気な態度からはそれは推測できない。
こいつの癖は知っているため、隠し事をしている可能性もない。なので、強気な態度に出る。
そんな俺の追求は…
―ピンポーン
来客を告げるチャイムで遮られた。
「えぇい!何処のどいつだこんな時に!」
まったく、家への来客は毎回間の悪いときにきやがる。
ブツクサ良いながらも、玄関に向かおうとする俺を…
「あ、いいよ。ボクが出る」
と、霞に制された…。
霞の関係者?あぁ、そうか。マネージャーだからプロダクションの誰かが迎に来たのだろう。
そう結論付けて、自分の部屋に戻って着替えることにする。
まぁ、後で話を聞けば良いか…と思いながら……
そして、私服に着替えて階段を降りてくると…
「あれ、お前まだ居たの?……」
帰ったと思っていた霞がまだ居た…
「あ、先輩。ちょっと手伝って」
しかもダンボールの荷物を抱えて……
急速に嫌な予感がしてきた……
「か、霞ちゃん。それはなんなのかな?」
ダンボールを指差しそう問いかける。
「中身?えっと…これはねぇ……あ、せ、先輩のエッチ!でも…先輩なら…ぼ、ボクの下着…そんなにみたいの?」
とりあえず、妙なことをほざく霞の額に…中指を十分しならせて
「ていっ!」
―バシィ!!
「はぅ!?…い、痛いよぉ…」
デコピンをお見舞いした。
額を擦りつつ…涙目で睨む霞…
「うぅ…顔はアイドルの命なんだよ?」
「お前、アイドル休業中だろ?それに…顔じゃなくてデコだ」
とりあえず、話が進まないので玄関先にダンボールを放置して霞の手を引いてリビングに連行…
だが、リビングについても霞は俺の手を離さず…
「えへへ♪先輩と手を繋いじゃった♪」
「………もう一発喰らうか?」
その言葉に、慌てて手を離して正座で座る霞。
それを満足げに眺めて、俺は対面に座る。
「さて、説明しろ」
霞の説明はこうだ。
今までは芸能プロダクションの寮に住んでいたのだが、アイドルを休業したので当然、住んでいるわけには行かず、かといって両親はアメリカに居る。
その結果、家に来たというわけだ。
「先輩、前に言ってくれたでしょ?家だと思ってくれって…」
「…言ったが……」
しかしな…あの時は爺が生きてたしなぁ…
現在は俺だけで、住むなら当然、俺と二人きり。
若い男女が二人きり。俺にその気が無いつもりでも、どんな間違いが起きるか分からない。
それになにより…お隣に住んでいる彩花の反応が恐ろしい…
霞が絡むと物凄く機嫌が悪くなり、その矛先は俺に向かう。さらにそれに呼応するように霞の機嫌も悪くなり、累乗効果で俺に危害が及ぶのだ…
「駄目かな?」
ここで上目遣い!?
ぐっ、精神的ダメージが大きい…
さらに…
「でも…そうしたらボク行くところがないし…近所の公園とかに住むしか…」
霞の追い討ちでダメージ加算。もう、俺の精神は虫の息だ…
そしてトドメ…
「うぅ…きっと、そこらへんの浮浪者か柄の悪い人にボクの純潔は奪われるんだ…そしてボクは絶望の中で一言…『せんぱい…』と呟いて…「…わかった。好きにしろ」…やた♪」
完敗。うぅ…こいつ、黒くなってやがる。
芸能界か!?あの白い純粋だった霞を変えたのは!?恐ろしい世界だ…
しかし…
「けどなぁ、なんで休業なんて…これからどうするんだ?」
理由は聞かないといけない。
「うん…ボクはね……もっと高く飛ぶための翼を…得るために此処に来たんだ…」
静に語り始める霞の言葉に黙って耳を傾ける。
「先輩はボクに勇気と歌っていう翼をくれた。だから、此処まで来れた……でもね…足りないんだよ。もっと高く。大空に羽ばたくためには……」
「…何が足りない?」
俺には霞の望む物が分からない…
「そ、それはね…」
顔を赤くし暫く俯くが、やがて意を決したように……
「先輩だよ…ボクには先輩が必要なんだ!」
は?俺が必要?
今より高みに行くのに俺が必要?
……まさか…霞は……
――Side Kasumi Misora
言っちゃった…言っちゃったよ!
じっくり先輩にアピールするつもりが、その場の勢いでいきなり最終局面!
不安と期待で心臓の鼓動が速まり、ややパニックくる。
そして…
先輩がゆっくりと口を開いた…
更新完了。
美鈴「あら♪感心ね。早いじゃない」
うぃっす。書いてて楽しっす。
美鈴「そうよね!ラヴは楽しいわよね!?」
そして、今回も活躍した美鈴さんですが次回も活躍予定です。やっぱ愛の伝道師は伊達じゃないっすね!
美鈴「しばらくは、進路指導と霞ちゃんとの話が平行で続く予定よ!」
とりあえず名前順で…となると次は……
美鈴「それよりも、私は和坊の言葉が気になるわ」
TV風に良いところでカットしてみましたからねぇ。これで更新の間が空いたら…怒られますよねぇ俺。
美鈴「むしろ、私が殺るわ。社会的にね♪」
……(汗)
美鈴「あ、早速書き始めた。ではでは、皆さん次回の更新をお楽しみにぃ〜♪」