第30話:開幕!激闘球技大会 第一幕・死闘の末に…
作者はあまりスポーツのルールなどに詳しくなく、間違った解釈で書かれているかもしれません…ご了承ください。
―Side Kazuto Himuro
歓声と熱気が体育館を支配している…
「和人いけーーーー!!」
「か、和人君、頑張ってーーーー!!」
「負けたら承知しませんわよーーー!!」
「和!お前ならやれる!!」
…はぁ、好き放題言ってくれてるよ……
「ふふふ…氷室、此処でお前に引導を渡してやる!勝負だ!!」
こっちはこっちで睨んでるし…って、誰だこいつ?
異様なまでの盛り上がりを見せる体育館。
男子バスケットボール決勝戦。
時間は少し遡る…
朝…幸せに眠っていたところをお隣さんに理不尽に起こされ、これまた理不尽に送迎の運転手(自転車)をやらされた挙句、教室で再度惰眠を貪っていたところを、体育館に引き摺られた……ぐすん…今日は諦めよう…
この二日間に渡っての球技大会。各クラスは球技大会でのユニフォームとなるべきプリントTシャツを作った。その為、体育館では様々なデザインを施したTシャツ別に一列に並んでいる。
俺らのクラスも同様で、空と羽根をモチーフにしたデザインのTシャツを着ている。
水色の生地に、背中には天使を思わせる二対の羽根。その中央に『Fly High』の文字。腹部の辺りには雲、その上の右の胸元には小さい羽根が一枚。
このデザイン…実は俺が持ち込んだものだ。いや、正確には俺じゃなくて…電話で話題に出した際、霞大先生が筆を取り、ファックスで送ってきたデザインがそのまま採用されたのである。
soraデザインのTシャツ…琢磨が知ったら、喜びまた嫉妬に狂うだろう……うん、黙ってよう。
とにかく、このTシャツで開会式に臨み、狩谷校長の
「愛こそ全て!いいですか皆さん!ほとばしる汗、熱く火照った身体、そして恋する表情!!あぁ、青春とはなんと素晴らしい言葉でしょうか!今日は無礼講です!私が許します!いくところまでアタックあるのみです!私は恋する皆さんを全力でサポートすることを誓います、怪我の無いように気をつけて、意中の異性をゲットしちゃってください!以上をもって開会の宣言とします!」
球技大会と殆ど関係ないような開会の言葉で開始された…さて、初日の出来事をハイライトでお送りしよう。
エピソード1 ドッチボール
グランドで行われたドッチボール…その決勝戦だが…コートの半分は地獄と化していた。
「ひっ!?に、逃げ…ぐぁ!?」
「武くん!?武くん!?い、いや…来ないで…来ないでぇえええ!!」
生徒達の断末魔の叫び声が響き渡り、次々と屍が増えていく。ある者は恐怖に顔を歪ませ、またあるものは親しいものが血に(顔面直撃の鼻血)に染まり、絶望に浸りながら倒れていく。いや、ドッチボールだよな?これ
そして、全ての元凶たる魔王…もとい、屍を生産しているのは我らがクラスの担任。
「ったく、最近の腑抜けでなってねぇな。手ごたえ無さ過ぎだぜ…」
『魔弾の射手』御堂真希である。
クルクルと右手人差し指の上ででボールを回しながら、つまらなそうにボールを投げるのだが、速度が半端じゃない。的確に相手にあて、また計算しつくされているかのようにリバウンドしたボールが手元に戻ってくる。
まさに、リバウンドを制するものはゲームを制すってやつだな。意味合いが違うような気がするが…
ともかく、一回戦からこの繰り返して、まさにドッチボールは一種の惨劇と呼べるであろう結果となっている。
ちなみに、顔面直撃は無効となるのだが、喰らったものは起き上がれないのでまったく意味が無いルールである…いかに向こうだろうと起き上がらなければ、そこで試合終了となる。
二年や俺達三年は去年の経験からこうなることは目に見えていたが、一年生達は悪夢を見ているような感じだろう。この経験を来年の球技大会に生かし、逞しくなってほしい。
「流石だよね〜投げる競技だったら、お手のもんだ」
「…相手が気の毒でならないぞ……だが、チョークよりも若干軌道とスピードが落ちているみたいだ…やっぱりボールは専門外みたいだな」
「いや、十分すげーよ。ってか!あのチョークを避ける氷室も氷室だ!」
コートの脇から、ハジ、琢磨とともに観戦中…あんまり近づくと俺に向かって投げてきそうだしな…事実、一回戦では…
「ちっ」
「先生、コートとは反対方向なんですが?」
「いやー。わりぃな。手がすべっちまって…よ!!」
「……っと…はぁ、先生がコントロールをミスる訳無いでしょう…真面目にドッチボールをしてください」
と、何回かボールがこっちに飛んできた…避けて、そう言ったら分かってくれたみたいで飛んでこなくなったが…ぼそりと『ちっ、やっぱりチョークじゃねーと…』とか聞こえたのは気のせいだと思いたい。
そんな事を思い出していると、琢磨が人選についての疑問を口にする。
「で、なんで先生をドッチにしたんだよ?野球でも良かったんじゃねーの?」
「う〜ん、そうなんだけどね…先生は無意識に人間に向かって投げる傾向があるから野球だと死球…デットボールになっちゃうんだよ…文字通りね…」
……納得。流石に球技大会で死人がでるのは拙いだろう。ただでさえドッチボールで相手にトラウマになるほどの恐怖を与えているのに…
再びコートに視線を向ける…
「後、三人か…くっくっく…さぁて……誰から逝きたい?」
「く、くそ!さ、避けろ。なんとかして避ければ…「おせぇ!!」…ぐぎゃ!?」
一人…
「ったく、べらべら喋ってるんじゃねーよ。んな暇あったら逃げろ。もっとも…」
―ヒュ!
「ぐげぇええ!!」
「無駄なんだかな…」
また一人とアウトにし、あっと言う間にあと一人である。いや、しっかし、ここまで物語に出てくる敵の魔女だの魔王役がはまる人間はそうはいないな…。物語と決定的に違うのは、それを討伐するべき勇者が居ないことか…
慈悲も無く、奇跡も起こらず…
「お、おかあちゃーーーーん!!!」
最後の一人も地面に倒れ、ドッチボールはたった一人の魔王的存在のおかげで我がクラスの優勝が決まった。
エピソード2 テニス
女子テニスのシングルスは決勝戦を迎えていた。決勝戦はともに圧倒的強さで勝ち上がってきたうちのクラスの沙耶香とC組の華蓮の対戦となった。
ちなみに、男子テニスは早々にして負けてしまい隅っこで黄昏ている…うん、そっとしておこう…
「ふふ、少しはやるようですわね…」
「いえ、北條さんほどではありません」
コート上ではネットを挟んで互いに牽制し合う両者。
「…北條さん、一つだけ言っておきます」
「なんですの?」
「…やすやすと和人様には抱きつくという愚行はさせませんから」
「なっ、何を言って…」
「ふふ、あなたには分からないでしょうね…別のクラスになり、私にはその資格が無くなってどんなに絶望したか…」
「し、白樺さん…」
「ですが、あの人は応援してくれると言ってくれた…嬉しかった……でも…やっぱり、同じクラスであるあなた達が羨ましい!ですから負けません!!」
………な、なんか…
「な、なぁ、冬至。黒いオーラが華蓮から出てないか?」
「……俺には気持ちが良く分かる…何故、俺達が争う必要がある!?俺達は好き好んでお前の敵になったんじゃない!その辺の所は分かってくれ!!頼む!」
「…いや、質問の答えになってないから」
なんかさ…皆さん、テンションがおかしいぞ?いや…
「お嬢!やっちまってください!!」
「姉御!!いてこましたってくれ!!」
「沙耶香お姉様!そんなかた楽勝ですわ!」
「あーら、何を仰いますの?華蓮姉さまに勝てるわけありませんわ!」
…おかしいのは俺なのか?そうなのか?
周りで応援している男女ともに妙なテンションだ。
そして、試合が始まった…
「はぁ、はぁ…い、いい加減に降参したらどうですの?」
「はぁ、はぁ…さ、沙耶香さんこそ、そろそろ諦めたら如何です?」
す、すげぇ…
試合の内容は熾烈を極めていた。
生粋のお嬢様である沙耶香はテニスの経験も豊富のようでテニス部顔負けの動きで鋭いサーブ、きわどいリターンを決める。
だが、華蓮も負けていない。テニスとは違うが優雅でソフトな動きと、まるで勝利の女神を味方につけたようなコードボールを連続で決めている……
確か、日舞やってるって言ってたな……それに、運もここまでくると…まさか超能力か?奈緒先生というお人も居るわけだし、可能性は否定しきれない。先生曰く
『世の中結構そういう人…居る……みんな…気付いていないだけ…』
らしいからな…
そんな事を考えつつ、試合を見ていたが良い世大詰め。
ルールは6ゲームの一セットマッチで行われており、これまで互いに自分のサービスはキープしているのでタイブレークに突入。
先に7ポイントを取った方が勝ちなのだが、ここでも均衡した戦いを見せ、現在互いに15ポイント
互いに6ポイントを取った時点で2ポイント差がついた方が勝者となるのだが、決してそれを許さないで此処まで来たのである。
「も、もうやめて…」
「お姉さま…」
周りで見ている女子生徒の悲鳴と泣声…もはや互いにボロボロである。
「…白樺…エースだ…エースを目指せ」
「…おい、冬至。サングラスは校則違反だぞ。って!そもそもどっから出した!」
なにやら腕を組んでえらそうにそんな事を言っている冬至に突っ込むが。うぅむ。此処までくると二人とも知り合いだからどっちにも負けて欲しくないな…引き分けでいいだろと思う。
でも、そんな事になるはずも無い…勝者は一人、もう、技術は関係ない。気力の勝負…
「私は負けません…絶対に…あなたには…あなただけには!!」
サービスは華蓮。残りの体力を振り絞ったサービスは本来のキレのまま沙耶香のコートに突き刺さった…
「くっ」
ここでサービスエース。マッチポイントである。
「まだです…私も…負けられない…負けられないんですわ!!」
今度は沙耶香のリターンエース。決着はいまだ着かず…
まさに、気合と気合。意地と意地のぶつかり合い。けど…
「……冬至、ちょっと席外す。すぐ戻るから…」
「お、おい。最後まで見てろよ」
「大丈夫だ。2分で戻る…それにまだ暫くは決着つかねーよ」
そして…試合は決着の時を迎える。
21−20。華蓮のマッチポイント…
沙耶香のサーブを最後の力を振り絞り華蓮は打ち返すが本人はそのまま崩れ落ち…ボールはネットに当たり…コードボールとなって沙耶香のコートに吸い込まれていった…
『ゲームセット!ウォンバイ白樺!7−6』
「やばい!白樺さ…和人!?」
コールされると同時にコートに駆け込む。冬至を始め、固まっていた者たちも動きだし、騒ぎ始める。華蓮が倒れたまま起き上がらないのだ…
「は、はぁ…はぁ…か、和人さん?白樺さんは…」
「あぁ、大丈夫だ。なんせ暑いからな…涼しいところで水分とって横になってればすぐに良くなるさ…」
倒れている華蓮を抱き起こし買ってきたスポーツドリンクを額に当てながら告げる。こうなると思って買ってきたんだけど…水分を取れる状態じゃないな。とりあえず移動するか…っとその前に…
「ほら、お前も無理すんな。水分取らないとお前も倒れるぞ」
もう一本。沙耶香の分のドリンクを投げ渡し、華蓮を抱き上げる。所謂お姫様抱っこって奴だ。恥ずかしいが手っ取り早いし、一人では背負えないので仕方が無い。
「あ、ありがとうございますわ」
「じゃ、俺は保健室に華蓮を連れて行く。冬至、後ヨロシクな」
ギャラリーが騒ぎ出すが目もくれずとっととその場を後にする。後で噂になるかもな…華蓮に謝っとくか
「ん…んん……か…和人…様?」
「気がついたか。今、保健室に連れてってやるから…」
「あ、あの…試合はどうなったんですか?」
道中で華蓮が目を覚ました。なにやら困惑しているようだ。試合中と今の状況の記憶が繋がらないんだろう…
「…試合は終わったぞ。最後の打球が見事に入って華蓮の勝ちだ。けど、そのまま倒れちゃったんだよ。で、保健室に搬入中だ」
――Side Karen Sirakaba
目を覚ますと…和人様の顔が近くにありました。
話を聞いてるうちに、私は試合に勝ったらしいのですが倒れてしまったらしいです。
私は抱きかかえられたまま保健室に運ばれて、クーラーが聞いた部屋でゆっくりと水分を取って横になっています。
和人様は暫くは居てくれたのですが、自分の出る種目だからと一言謝って行ってしまいました…
けど…
「…頑張ってよかったです」
彼の優しさ…冷たいドリンクと暖かい温もりを感じることが出来ました…
他のクラスになったのにまさかこんな形で念願が叶うとは思いもよりませんでした…
「今度はこちらが和人様を応援する番ですね…」
表立ってはできないかもしれませんがそれでも応援をしようと思います。
ちょっと休んで…きっと和人様なら決勝まで勝ち進むでしょうから……
――Side Kazuto Himuro
困った…
バスケットの初戦で勝てたのはいいが、それよりも厄介な相手がいた…
「グス…なんですの?」
涙声混じりの不機嫌声で睨んでいるのは沙耶香である。
テニスで負けてしまい、悔し涙を浮かべたという事や不機嫌なのは分かる。
だけどさ…
「いや…なんでもない」
俺を睨むのはおかしいんで無いかい?
「なら、何処かへ行ってしまえばいいでしょう!私の事はほっといて下さいな!」
「じゃ、お前も一緒に行こうぜ。こんなトコで不貞腐れてないでさ」
そう、俺達は体育館裏に居るのだ。
試合を終えた俺に冬至が沙耶香が此処で落ち込んでいる。フォローしろ。お前の責任だと若干強めに言われ、ほっとけないので体育館裏の段差に座り込んでいる沙耶香の元へやってきたのはいいが…
正直、困っている。
沙耶香は負けたからといって塞ぎ込んだりはしない。むしろ燃え上がり、努力して必ずリベンジをしようとする。俺にテスト云々で色々言ってくるので、そういう人間だというのは分かるのだが…
何故、今回に限ってこんな状態なのかが分からない。
とりあえず隣に座って愚痴を聞いているわけで…
「…グス…ま、負けた私よりも勝った白樺さんの所に行けばいいじゃありませんの」
「はぁ?何言ってんだよ。そんなの関係ないだろ?」
「…どうせ、私は負けましたわ。役立たずですわ…」
「誰も、んなこと言ってないだろ…」
…駄々をこねている子供を相手にしているような錯覚に陥る。普段しっかりしてるのに案外ガキっぽいとこもあるんだなコイツ。
「あのなぁ…俺にとって勝ちとか負けとかはどうでもいんだよ。別に球技大会で優勝しようが最下位になろうが興味ない。つぅかさ、準優勝だろ?何が不満なんだよ…」
「…優勝できませんでしたわ」
ったく、この娘さんは…
「……自惚れんな阿呆」
「なっ!?」
俺の言葉に俯いていた顔を上げ、表情には怒りが浮かんでいる。だが、反論するよりも先に俺は言葉を続ける。
「自分が何でも一番になれるなんて思うな。どんな奴でも負けるんだ。勝ちだけの人生なんて奴は居ないんだよ。第一つまらないだろ…。いいじゃん、次ぎやる時に勝てばさ、今までもそうやって来たんだろ?」
ポンポンと頭を撫でつつ…
「落ち込むとかよりもやることあるだろが。他の連中を応援するとかさ…分かってるか?お前はうちのクラスの委員長…いわばリーダーだ。頭がそんなんじゃ勝てる勝負も勝てなくなるだろ。落ち込んだところで結果は変わらない。なら、今自分に出来る事をしろよ」
彩花機嫌回復用のノウハウが功をそうしたのか、またガラにもない言葉が届いたのか沙耶香の怒りの表情は笑みに変わり…
「……そうですわね…その通りですわ……すいませんでした。私らしくありませんでしたわ」
「まったくだ。一体何事かと…」
「お、お黙りなさい!そ、そういう事もありますわ!」
撫でていた手を振り払いキッと睨みつけてくる。うんうん、こうじゃなくっちゃ
「じゃ、行こうぜ」
先に立ち上がり沙耶香の手を取り立ち上がらせるたが…
「…お、おい!?」
「………」
そんなに強く引き上げたつもりは無いのだが、沙耶香は勢い良く立ち上がり、そのまま抱きしめられた。
そして、トンと軽く突き飛ばされ…ピッっと指を指し
「こ、これは…先払いです!私がこうして抱きしめて差し上げたのですから、必ずバスケットで優勝しなさい!」
「んな、無茶苦茶な…」
「無茶じゃありませんわ!真面目にやればあなたなら出来るはずです!ですから、不真面目にならないように激励です!それに言いましたよね?私に今、出来ることをしろと」
「いや、言ったけどさ…」
「いいから!!優勝しなさい!!………それに、勝てたら続きを…」
ボソボソと小声になる沙耶香
「何?後半のが聞き取れなかった」
「な、何でもありませんわ!か、勝たなかったら許しませんわよ!!」
「って、おーい」
言いたい事だけ言うと、足早に行ってしまった…
「…ま、元気になったからいいか」
そう自己完結し、それも沙耶香の後を追った…
番外エピソード
グランドの端っこに設置された黒い大きなテント。そう、そこは救護テントだ。
毎年、どっかの魔女が大量の犠牲者を出すので熱射病関係以外はそこに収容され治療される。
中は怪我をした人間がところせまじと横たわり、まるでどこかの戦場を思わせるようだ。
「…マッキー……おしおき…」
「ま、待ってくださいよ!えっと…わ、ワザとじゃないんすから!それに奈緒先輩のお手を煩わさずともそこら辺に転がしときゃ大丈夫……すんません」
視線がきつくなったのを察し謝っているのは、この惨状を起こした張本人である御堂真希。そして、きつい視線を送りつつ治療に当たってるのは黒衣の堕天使、黒羽奈緒である。
といってもそれほど重い怪我の生徒はおらず、寝かせとけば勝手に起きるといった感じで別段忙しくは無いのだが、元来、人を避ける奈緒はすごぶる不機嫌だ。
毎年、手を抜くようにしろと言い聞かせてるのにこの始末。
「…覚悟……いい?」
「えっ!?ま、待ってください!!後生っすから!!って、なんすか!?そのおどろおどろしい液体の詰まった注射器は!?」
「…痛くない…と思う?」
「って、なんで疑問系!?う、うわ!や、止め…止めてええぇぇぇ!!!」
普段の彼女からは考えられないような悲鳴が上がり……そのままパタリと崩れ落ち、ピクピクと痙攣している。
「…悪夢君試作三号……2時間後には目が覚める……ふふ…いい夢を…」
強制的に悪夢を見せるという恐ろしい効能、しかも限りなくリアルなので本人は夢と認識できず、また睡眠薬をブレンドしてあるので、目が覚めることもない…
時折上がるうめき声を気にする事無く奈緒はコーヒーを啜り、暫く休憩をする事にした…
更新終了!
霞「また、出番ないよ…ボク…」
ん?そんなことないでしょ?
霞「あるよ!出たの名前だけじゃない!それも数行!!おまけに…あ、あんなに先輩とくっ付くなんて!!許せないよ!破廉恥だよ!ボクだけがやっていいことなんだよ!!」
どーどー
霞「はぁ、はぁ…」
ほ、ほら、その代わり、感想の返信には霞ちゃん出たじゃん!
霞「そうだね…。それは嬉しいよ。それに、いつも感想書いてくれてる人にはいい加減、久遠での返信は飽きるからね。って、話逸らすな!!次はボクでるんでしょ?」
あ〜それはねーよ。さらに誠に言いづらいけど次回はもっと辛いかもヨ?
霞「えっ!?ま、まさか…あのアマ……ボクが居ないからって…好き放題……大体からして、毎日のように先輩の家に行ってるだけでも万死に値するのに……」
あ〜ダークモードになってしまった…では、今回は此の辺で…感想よろしくお願いします。