安いから買ってきた(二百文字お題小説)
沢木先生のお題に基づくお話です。「安いから買ってきた」をお借りしました。
今年もあとわずか。
新年に向けて必要なものがあったので夫に買い出しを頼んだ。
「メモに書いてあるのだけ買って来て」
五歳の子に言い聞かせるように念を押す。
「わかってるよ」
夫は笑いながら出かけた。
お金はギリギリな額だから変なものは買って来ないだろう。
しかし、甘かった。
お釣りを受け取り、袋を確認するとケーキがワンホール入っている。
「安いから買ってきた」
クリスマスで売れ残ったものらしい。
頼んだ私がバカだった。
お粗末でやんした。