霧の中で(sideルーカス)
どうも雷鬼です。初投稿で未熟な点が多々ありますが、読んで楽しんでもらえたら幸いです。
side ルーカス
「ねぇ、人里を目指すといってもどこに人里があるかわかんないよ?どうするの?」
「私のスキルは基本戦闘系のものでして申し訳ないですが、あまり役に立てそうにありません。」
申し訳ない。はあ、私は戦神だが、私より強い者が隣にいると私は途端に役立たずになってしまう。どうしたものか…
「イーベルは?」
「わらわは…そうじゃ!ここは森なんじゃからあれが使えるな!『探査(森)』こっちじゃ!」
「どこいくの?」「いいから来るのじゃ」
〜〜数分後〜〜
「ここじゃ」
「ここは?」
ここはどこだ。奥に気配を感じるが…
「森の生物がいる場所じゃ。ちょっとまってるのじゃ」
イーベルのやつがそう言ってどこかへ向かった途端、森が深い霧に包まれた。そして師匠の姿も見えなくなった。
「イーベル!師匠!どこにおりますか!」
返事がない。代わりに奥から何者かがやってきた。
「おいおい…なんで本当にいるんだよ。めんどくせぇ。しかもよそ者かよ。でもよく生きてるな!」
「おい。お前は敵か?」
でてきたのはチャラチャラした犬人だった。こいつが敵か味方か、見極める必要がある。
「おい。いくら何でもそれはねーだろ。俺は敵じゃねえ。むしろお前を助ける人だ。」
「どういうことだ。そもそもこの霧は何だ?なぜか悪寒がする」
「あぁ、その感覚は正しいぜ。この霧はな、中にいる者の方向感覚を狂わせ、人々を殺してきた霧だ。で?お前が目指しているのはどこだ?里か?」
「あぁそうだ。だが師匠とイーベルがな…いや、師匠なら大丈夫であろう。」
「なんか言ったか?」
「いいや、ちょっと仲間の心配をしただけだ。その前に言っておくことがある。俺は異世界から来た。この世界のことを知らん。里へ行く途中に教えてくれ。」
「まぁ、それは薄々分かってはいたさ。了解。まずここはルリシア大陸という、この世界で一番大きい大陸だ。この森は大樹海と呼ばれていて、その中にある我々がいま向かっている里が、隠された獣人の里、レオナだ。この世界では獣人は差別対象でな。あんたが俺に襲いかかってこなかったから、アンタがこの世界のもんじゃないんじゃないかと思ってたんだ。まさか本当だとは思わなかったがな。あとはな………」
他の2人が呑気に話している間に、ルーカスはこの世界の常識を着々と学んでいったのだった。
読んでくださりありがとうございます。
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