1 そこは真夏のシーパラダイス!-1
こんにちは!神代レイこと零式NINGENです!
第5章スタートです!よろしくお願いいたします!
ザザァン...とどこか懐かしいと感じる音を立て、白い砂浜に波が押し寄せる。ジリジリと照りつける太陽はキラキラと海を光らせる。同時に体力を奪っていくが、そんなものは気にならないらしい。みんな初めて訪れる広大な水源にキャッキャウフフと騒ぎ楽しんでいる。そんな中、1人パラソルの下腕を組み、仁王立ちでそれを見つめる少女が1人。
そうです、俺です。シーナ・ヴォルフフォードです。
時は7月。まだ王都に来てから3ヶ月しかたってないのかぁ...と感慨に浸ったりしている午後1時。ランブル騎士学園1年生は王国最南端のアベレージ領に来ていた。
「シーナ様、行かれないのですか?」
隣に立っているのは俺の従者であるミリアだ。彼女も当然ついて来ている。黒ベースに白のフリフリが着いた実にメイドらしい水着だ。カチューシャもつけている。それ要ります?ちなみに正式名称はホワイトブリムって言うらしい。
「...うぅん...あまり行く気になれないわねぇ〜」
「そうですか?お友達の皆様も楽しまれてますし、シーナ様こういうイベントは嫌いじゃないのかと思ってました。」
実際嫌いじゃない。何も変化の無かったあの時、前世でも、祭りやクリスマスなどのイベントはほんの少しの非日常を味わえる数少ない機会だった。時間に追われてたから参加なんかできなかったけどね。ではなぜ時間に余裕がある今あそこに行かないのか。それは俺の、俺たちの格好のせいである。
夏。海。学生諸君。先程ミリアの格好を紹介したが、当然ミリアだけじゃない。全員水着だ。それも大抵ビキニ。俺もそう。貴族の女性として第2の生を受け15年。女性らしい振る舞いや格好にも慣れている。というかもう日常だ。だが、流石にこの格好を人前に晒すのには若干の抵抗があったのだ。
縁の大きい麦わら帽子にHYD〇かよといいたくなるようなデカいサングラス。臙脂色のシンプルなビキニ。下には薄いアシンメトリーのスカートみたいなデザインが付いている。バスタオルを肩に羽織るという小さな抵抗をして何とか羞恥心を打ち消している状態である。
「意外でした。シーナ様は水着恥ずかしがるタイプなんですね。」
「まぁね。人には意外な弱点があったりするものよ。」
「シ・ー・ナ・ー!!!」
横から勢いよくぶつかられ砂浜を滑る。パラソルから出てしまった。暑い。俺にイノシシのごとくぶつかってきたのはユーリである。白ベースにカラフルな水玉模様がキュートな水着だ。ちなみに眼帯装着。他クラスに魔眼のことは秘密だからな。
「何してるのシーナ!遊ぶよ!」
「遊びに来たわけじゃないはずなのだけど...」
「そうよ、ユーリ。目的を見失わないで。」
そう言い現れたのはアリアだ。シンプルな淡い水色の水着である。これといって言うことがない。強いて言うなら小さい方かな。
「何か失礼なこと考えてない?」
「ンー?一体なんの話かしら?」
分かってるんだぞ言ってる気がする圧を受け目をそらす。それはさておいて、なぜここにいるのかの説明をしよう。
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話は遡って1週間前。教室でホームルーム開始を待っていた俺たち。チャイムの音とともに扉が開き、リーン先生ともう一人入ってくる。
「はーい、みんな席について!今日は皆のお友達が増えるとっても素晴らしい日よ!」
ザワザワと小うるさくなる教室。ザワついてないのは俺くらいだ。まぁ知ってたんだから当然だな。
「ほらみんな静かに!じゃあルティア様、自己紹介お願い出来ますか?」
「......いや。」
「ゑ?」
急に鎮まりかえる教室。慌てて紹介する先生。
「え、えーっと今日からこのクラスの仲間になるルティア・ランブル様です!みんな仲良くねー!」
みんな「お、おう...」という反応しかできなかった。
そんな空気の中平然と歩き、俺の右隣、セルカの隣に立つルティア。
「そこのあなた。」
「え、わ、私?ですか?」
「そう。その席を、譲りなさい。」
「はいぃ!?」
「聞き分けが、いい。」
「いやそういうワケじゃ」
「私は、王女殿下で、あるぞ。」
「うっ...」
「立ち退き、なさい。」
「ルティア。入学早々何やってるの?」
流石にフォロー入れないとまずいと判断して口を挟んだ。
「シーナ。私はあなたの隣以外、認めない。」
「そんなこと言っても簡単に変えられる訳じゃないのよ。みんなだって仲のいい人と固まりたいのを我慢してるんだから。」
「シーナは?」
「私は両隣が仲良いし。」
「......仮に、シーナの隣じゃ、なくても、空いてる席が、最前列というのは...おかしい。」
まぁ、それについてはちょっと同情する。俺たちと同じ時期に来たのなら諦めも着いたのかもしれないが、途中編入で最前が空いてるっていうのは文句もいいたくなる。さてどうしたものかとみんなが困り果てていると、俺の真後ろから声がした。
「あの、私が変わりましょうか...?」
そう助け舟を出したのはマイナ・スーネリカさんだった。少し地味目のかわいい子である。最近は少し明るくなった気がする。
「ルティア、私の後ろで問題ないわね?」
「...少し、不満。でも、いい。」
「ふぅ...ありがとう、マイナさん。助かりました。」
「い、いえ!ちょうど、授業をしっかり受けないとと思ってましたから!」
「私からもお礼言うわ。ありがとね。」
「は、はい...!」
入学当初はいじめっ子といじめられっ子の立場だった2人は、最近は普通のクラスメイトとして仲良くやっている。
ホームルーム前のちょっとした揉め事も落ち着き、先生がきりだす。
「さて、じゃあ今日のホームルームは、1週間後に控えた、学年全体水練合宿及び、初のダンジョン調査についてのお話です!」
読んで頂きありがとうございます!
次回更新予定日は明日です!




