25 暗い闇の彼方から-2
4章25話です!
よろしくお願いいたします!
『やっと私の声に気づいてくれましたね。』
シーナ────
彼女に触れると光が広がり、暗く寒かった空間が暖かく、居心地のいい場所へと変わる。
『ルティア様、帰りましょう?』
カロンを、ミーゴを殺した人達のところには...戻りたく、ない────
『ずっとそうしていれば、あなたはじき耐えられなくなる。私も長くはここにいられない。また、1人になってしまいますよ?』
分かってる!────
だが、受け入れ難い事実だ。2年一緒にいた友達はもう居ない。それを殺したのが身内ときている。
やっぱり私は、人が嫌い────
『...私も嫌いですか?』
......嫌い────
『そうですか。私は好きですよ?ルティア様のこと。人形みたいに可愛らしくて、ワイバーンだろうとどんな小さな命でも見捨てない、優しくて、慈悲深いところとか。』
私は、あなたの事が、嫌い────
『どこが嫌いですか?』
拒絶してるのに無視してこっちにズケズケ入り込んで来るところとか────
『ん?』
自分勝手なところとか────
『アレアレ?』
人が苦手だって言ってるのに強引に街に連れていったのも嫌────
『わ、わぁあ...』
泣いちゃった────
『ルティア様らしくない早口で思ったよりも嫌われててショックです...!私!』
わかったなら、早く────
『でも、こうも思います。こんな私だから、ルティア様とお友達になれたんじゃないかって。』
......
『相手のことを考えずに自分のペースに巻き込んでいくノンデリ野郎だから、こんなに親しくなれたんじゃないかって。』
自覚あったの?────
『んーまぁはい。』
最悪────
『ゆゆ、許してください!汗普段はあんなじゃないんですよ?!ただ、あの時は時間に追われてたと言いますか、仲良くなろうと必死になってただけで』
自然と笑みがこぼれる。そう、たしかに彼女は少し強引で、他人の事情に首を突っ込むような人だが、彼女といた数日は楽しかったのだ。このままこの時間がずっと続けばいいと思っていた。
でもやっぱり、簡単に戻るって、言えない────
『......』
どうせ誰も受け入れられない。だから私も他人を拒絶する────
『ルティア様?』
何?────
『私と熱ぅーい抱擁交わしながら言われても説得力ありませんよ?』
シーナ嫌い────
『じょ、冗談ですよぉ!でも、私は受け入れられますよ?今こうしてるように。』
他の人は?シーナだけ受け入れても、どうにもならない────
『私では力不足ですか?いえ、多分力不足ですね。けれど、世界にたった一人でも自分を受け入れてくれる。そんな人がいれば、意外と人生楽になるものですよ?受け入れられようとしなくてもいい。私という友達がいます。今友達ではなくても、そう慣れるように私が全力を尽くします。だから、私を受け入れてくれませんか?』
ああ、やっぱりこの人は少し強引だ。でも不思議と悪い気分じゃない。これぐらいが丁度いい、この強引さが頼りになって、暖かいと感じる。
良いよ。あなたという友達がいるなら、この世界を受け入れてあげる。その代わり、あなたは私の前から居なくなっちゃダメよ?────
『ええ、もちろんです。私はずっと、あなたの友達ですよ!』
視界が眩い光で覆われていく。閉じられた目を開ける。自分の部屋はほぼ崩壊し、天井や壁が半分程消えてなくなっている。月明かりに照らされたその少女は自分の膝に私の頭を乗せ、優しく撫でながら微笑む。
「おはよう、シーナ。」
「おはよう、ルティア。いい夜ね。」
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夜が明け、次の日の早朝。玉座の間に昨日の出来事の関係者や重役が集められていた。集められた理由は当然昨夜のゴタゴタについてだ。
まぁゴタゴタと言っても色々あるが、1番の理由は...
「この者、キリム・ネイスン。ルティア・ランブル王女殿下を襲撃し、その命を脅かしたとして国家反逆罪の罪を問われている。被告、貴殿の罪になにか異論はないか?」
「ありません。」
毅然とした態度である。それにしてもキリム宰相、今は元か?苗字ネイスンって言うんだ。
「国家反逆罪、それも王女の命を狙ったとあれば無論死罪となる。異を唱えるものもいないだろう。」
「承知しております。命を懇願することも致しません。それほどの罪を犯したと、私自身が1番理解している。」
「...では、被告、キリム・ネイスン!国家反逆の罪を認め、死罪とすr」
「待て。」
この場でたった1人キリム・ネイスンの死罪に異を唱えるものがいた。
「陛下...」
「俺の意見も聞かずに死罪はないだろう?」
「しかし陛下!この者はあなたの娘を!」
「分かってる。...なぁキリム、お前はここに来て何年だっけ?」
ガレス王の言葉に鎮まりかえる玉座の間。
キリムはその質問に間を置いて答えた。
「.........20年程でしょうか...」
「もうそんなにか...几帳面なお前が年月を正確に覚えてないとは、お互い老けたもんだな。」
「......」
「分かってるぜ?リアとの約束を守ろうとしてたんだろ?」
リア...多分というか確実に故マルゼリア王妃のことだろう。
「あいつは死ぬ前に俺に子供たちを、お前に国を託した。その約束をお前はずっと守ってくれていた。俺は守れなかったってのにな。」
「そのようなことは!」
「いいんだ。ルティア、娘との2年を無駄にして。息子にはなんにも教えてやれることが無い。そんなやつがいい父親なわけない。浮かばれねぇなって思ってたんだ。でも、お前は違った。リアとの約束を守ってくれた。お前自身を犠牲にしてまでだ。ありがとう。」
「ガレス様...」
「キリム・ネイスン。お前を国外追放とする。2度とこの国の門をくぐることは許さん。」
「......承知...しました...!」
「子供たちにも感謝しておけよ。お前の処分を打診したのはこの子たちだからな。」
「殿下とルティア様が...?」
「キリム。あなたの話を聞いてから、私は少し何が正しいのか考えた。そして妹とともに至った結論がこれだ。私達はもう思い出すことすらできない母だが、それでも、あなたの想いは十二分に伝わった。ありがとう。」
「私は、正直...まだ、許してない。でも、あなたも、譲れないものが、あったってわかった。だから、これくらいに、してあげる。」
「ありがとうございます...本当に、ありがとうございました...!」
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