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6 王女ルティア-2

4章6話です!

よろしくお願いいたします!

「やぁ、シーナ君。調子はどうだい?」


「順調とは言えないですね...未だに声すらお聞かせくれません。」


殿下はやっぱりそうかと言い苦笑する。簡単にいくとはやはり思っていないのだろう。

そもそも、ガレス王はともかく、アルレス殿下がルティア様を放置していたとは考えにくい。俺と同じように、何度もここへ足を運び、妹に話しかけていたのだろう。どんな頻度か何回来たのかは分からないが、それでもルティア様は心を開かなかった。


「せめて、中で何をやっているのかぐらい分かるといいのだが...」


「ええ。しかし、声も聞けない以上中でやっていることを聞くのは夢のまた夢、ですね。」


「......。すまないな、本当に。こんなことに付き合わせてしまって。」


「殿下が謝ることではありません。ここにいるのも私の意思です。それに、まだ終わったわけではありませんよ。成功すれば、私にとってはいいことずくめの案件ですから。これでも、他人と仲良くするのは得意ですから。(多分)」


「...たくましいな君は。じゃあ、僕はこれで。」


ふっと笑い、彼は去っていった。


このところずっと忙しそうに動いているようだ。理由はおそらくガレス王だろう。現在、ランブル王国は隣国リーデッヒ帝国の使者をかかえているらしい。ガレス王はあまり関わろうとしていないらしい。そのしわよせがアルレス殿下やキリム宰相に来ているらしい。


「王族の息子も大変だな。」


まだ齢15の少年が隣国との関係との外相をしている。かなり、というかめちゃくちゃ責任重大だ。

リーデッヒ帝国の特徴はその武力。力こそパワーな荒くれ物たちが日夜その自慢のパワーを知らしめるために鍛え、競い合っている。

当然関係悪化なんてすればすぐにでも攻め込んで来るだろう。それくらいの脳筋帝国ということだ。

そんな国の使者を扱う仕事をしているのだから内心は穏やかではない。それを周りに悟られないようにと立派に振舞っている。

ただし、ガレス王がそんな重要な役目を子供に押し付けるバカアホ無能という訳では無い。いやそれは否定出来ないかもしれないけど、そうじゃなくて。

彼は自分がそれに向いていないと自覚している節がある。自分が出来ないこと、そして誰がそれを補うにたる能力を持っているのかをキチンと分かっている。

内政に関してはたしかにできるとは言えない人だが、自分を含めた人を見定める能力に関して言えば、見事の一言に尽きる。アルレス殿下が生まれてきてくれたことは、ガレス王にとっては僥倖だったのかもな。


さてと、俺は自分の仕事を見つめ直すとしますかね。

今日も聞いてくれているのか分からないルティア様に永遠と話しかける1、2時間を過ごしてから寝た。


━━━━━━━━━━━━━━━


ルティア様引きこもり解消計画始動よりはや1週間。現状報告としては、変わりなし。そろそろ不味いか?いやまだだ。まだ終わらんよ。

アプローチの仕方を変えてみよう。自分の身の上話で俺自身に興味を持って貰えないかと話続けてきたが、

今度はルティア様が興味を持ってもらえる話題を話してみよう。


というわけで、今日も来ました!ルティア様のお部屋〜!


「さて、今日お話するのは〜...魔工学の話〜!」


異音が止む。今までと違う話題に少し引っかかりを覚えているらしいな。よし、このまま!


「知っていますか?ランブル王国より北、と〜っても寒〜い地域にある国、カスマリノ王国。なんでも工業が盛んな国らしいですよぉ〜?馬がいないのに何倍も早く走る馬車とか、どんな絵師よりも成功に景色を描き出せる箱とか!そんな不思議なものに魔法を使い、さらに高性能なものに仕上げているとか!気になりますよねぇ〜⤴︎⤴︎⤴︎!!!」


話している間も音はならない。よしよし。


「どうです?行ってみたいですよねぇ?さぁ!そこから羽ばたき、未知なる世界への扉を開こうではあr」


カチャカチャ


...ダメかぁ...。でも手応えはあった。かなり効果あるみたいだな。まだまだやっていくぞっ!


━━━━━━━━━━━━━━━


「ルティア様!今日は魔法のお話をしましょう!」


俺は授業で学んだ興味深いものを抜粋して聞かせた。最初はなっていた異音もやがてなくなり、こちらの話を聞いていたようだ。その日の時間もすぐに過ぎ去り、俺はそそくさとその場を離れるため立ち上がる。


「ねぇ」


声?どこから?


「もういない?」


扉の、向こう側?向こう側?!?!


「ままま、まだいますよ!ええ!!」


「...なんで、そんなに、私に、構うの?」


「お友達になりたいからです!」


即答する。嘘じゃない。その裏に色々面倒なことが絡んでいるだけ。本当に。


「なんで、私なんかと?」


「...私の直感です。きっとルティア様とは仲良くなれる。それに、お友達になるのに理由なんていりません。好きだと思ったらどんな方でもお友達になれます。私たちはまだお互いに気になる人止まりかもしれませんが、これからもっとお話して、お互いを知れば、きっとお友達になれますから!」


「......そう...」


ルティア様はその言葉を最後にまた作業に戻られたようだ。

しかし、進展だ!初めて会話出来た!

やる気出てきたぞ!あと5日、最後まで頑張ろう!

読んで頂きありがとうございます!

次回更新予定日は火曜日です!

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