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5 王女ルティア-1

4章5話です!

よろしくお願いいたします!

王様からの罰ゲーム(?)つき依頼を受けた俺は早速ルティア様の部屋に向かっていた。来る途中も異様な音がしたし印象に残っているので迷うことなく部屋の前に到着。

気になったので扉に耳をつけて中の様子を探ってみる。扉が厚めのため非常に聴き取りずらいが、かすかに聞こえる。ザクッ、グチュグチュと明らかに同年代の女の子の部屋からなってはいけない音が。

これでは心配されるのも無理は無い。その上あの爆発音ときた。俺が父ならすぐさま部屋に突撃してる。

それをしていないのは娘が熱中していることの邪魔をしたくないという親バカ精神か...

そんなこと言ってる場合じゃないと思うんですよ。

中で行われていることが気になった俺は意を決して話しかけてみることにした。


コンコンコン


「もし、ルティア様。ごきげんよう、私はシーナ・ヴォルフフォードと申します。よろしければお部屋に入っても?嫌であれば扉越しにでもお話しませんか?」


......無


もう一度扉に耳をつける。

先程までの異音がしない。聞こえてはいるし聞いてもいる。しかし少しするとまた謎の音が聞こえ始めた。


受け答えも無しか...。この場合ルティア様はおそらく、他人と関わることを嫌っているか恐れている。どちらにしても無理やりいくとさらに周りとの関わりを拒絶してしまうだろう。


耳を扉に当ててウンウンと唸る俺の姿は非常に滑稽なものだろう。なんだか廊下を通る全員に見られてる気がするけど今はどうでもいい。後で羞恥心に苛まれることになっても今はルティア様優先だ。俺はもう一度声をかけることにする。


「もしも〜し?ルティア様ぁ、お話しませんかー?」


扉に耳をつけたまま話しかける。やはり音は少しの間ピタリと止まる。だがすぐにまた鳴り出す。


これは...今日中の攻略は無理だな。でも受け答えはないが反応はしている。毎日しつこく来れば何かしらのアクションは起きるだろう。どんな人も話してみなければ人間性というのは分からない。まずは俺を知ってもらうことから、始めるとしよう。


━━━━━━━━━━━━━━━


シーナが王宮に召集されてから1日が経過した。

その影響かヴォルフフォード家の広間は混沌を極めている。ミリア、ナイーダが和気あいあいと仕事をこなす傍ら、それをチラチラと見ながら朝食をとっているラーマン。その横では親2人がこの世の終わりのような顔で娘の名前を呼んだり神に祈ったり。長男はニコニコといつも通りに見えるものの、持っているティーカップをガチャガチャと鳴らし、中の紅茶が全てこぼれている。


どうせすぐ帰ってくるだろうと思っていたら何の連絡もなく1日がすぎたことで、頭がパニック状態となっているらしい。


「なぁミリア、お前は心配とか思わなかったのか?」


家族がこんな調子の中、一人いつも通りのミリアにラーマンが尋ねる。


「それはもちろん心配ではありますよ?でもアリア様やユーリ様、セルカ様も大丈夫だと仰ってましたし、私よりもまだ関係は深くない皆様がそう言っていたのに、私が信じない訳にはいかないじゃないですか。」


それを聞いたラーマンははぁとため息をつき、今度はパニック状態の3人に言う。


「なぁ聞いたかよお前ら。ミリアがこう言ってんだぞ?そろそろ落ち着けよ。あいつは大丈夫だって。どうせ面倒事押し付けられただけだろ。」


声はかけたがまるで耳に入っていないらしい。ラーマンはまたはぁとため息をついて席を立つ。普通に学校である。アインは登校も出来ないかもしれないなと兄を哀れんでから玄関に歩き出す。


「行ってくる。」


「「行ってらっしゃい!」」


従者2人の元気な挨拶を背に受け、今日も次男坊は一日を頑張るのである。


━━━━━━━━━━━━━━━


王宮に来てから2日立った。

俺は一昨日、昨日と暇な時間があればルティア様の部屋に来て話しかけている。今はまだ話す気がなさそうなので俺が永遠とここに来るまでを語っているだけなんだけどな。話している間もルティア様の部屋からは異音が続いている。


今日も無理か。そろそろいい時間だと判断し、部屋に戻る。まだたった3日だ。時間はある。ゆっくりやっていく。



4日目。今日も今日とてルティア様への一方的な思い出話聞かせ。一向に振り向いてくれる気配は無い。

ああルティア様、なぜ顔を見せてはくれないのですか?なぜ声をきかせてくれないのですか?聞いてもいない質問に答えは返えって来ない。

1、2時間ほど話して退散。これの繰り返し。強行突破よりはまだ温情を残した手段だ。だが、ここまで意識を向けられないと逆に時間と体力を浪費するだけだったり。いや、話自体は聞こえているハズ!多分...

まだ焦る時間じゃない。



5日目。


「ルティア様ぁ〜、今日も来ましたよ〜。」


もちろん返事はない。お構い無しに話す。

話しかけて30分ほどたった頃、廊下の奥からこちらに歩いてくる人が。あれは...


「ごきげんよう、アルレス殿下。」


スカートをつまみ上げて優雅にお辞儀をする。

非常に優しい顔をした殿下は俺を見て、軽く微笑んだ。


読んで頂きありがとうございます!

相変わらずの行き当たりばったりの文ですな。

まぁそれもいいんじゃないってことでご容赦を。

次回更新予定日は明日です!

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