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9 半端ないって!

3章9話です!

よろしくお願いいたします!

従者試験、実技。

だいたい半分の方が終わりました。

試験室から出てくる人の顔を見ると、概ね半分の方が肩を落とし、落胆の表情を浮かべています。


従者としてのノウハウは既に自らの主によって叩き込まれているはず。

それでも半分が落とされている?

やはりかなり厳しい審査と見ました。


しかしこのミリア、既に怖いものはございません。

どんなに厳しい試験でもかかってこいなのです!


「次、レグルス・リグリオス。」


「はい。」


あ、あれは先程の美青年さん。

レグルスさんというのですね。きっと彼は合格するでしょう。次に会った時のために名前を覚えておかないと。


試験時間は1人25分程度。

3部屋使って行われます。


最初の部屋で料理。次の部屋でお掃除。

最後の部屋で給仕。


5分という短く、限られた時間の中でどれだけその仕事をこなせるかが重要です。


...15分後。


すました顔でレグルスさんが出てきました。


...5分後。


本当に掃除したのかと聴きたくなるほど綺麗なレグルスさんが部屋から出てきました。


...5分後。


先程と何も変わらない様子のレグルスさんとどこか悔しそうな試験官さんが部屋から出てきました。


何があったのか想像にかたくないです。

おそらくは完璧レベルの試験だったのでしょう。

私も負けてられません。

作る料理は既に考えてあります。


お掃除も1番シーナ様に厳しく見てもらっていたので死角はありません。


最後は少し分かりませんが、とにかく、あとは私の番を待つのみです!


「次、ミリア・ヴォルフフォード。」


「はいっ!」


あっ、そうそう、私実はヴォルフフォード家の養子として迎え入れられてました!


ゴルドリッチにいたころ、戦いにより親を無くした私は孤児になっていました。

あの日シーナ様に救われ、孤児であることが知られると、旦那様や奥様にうちに来ないかと誘われそれに甘えた次第です。


つまり、シーナ様は敬愛する主であり、

愛する姉でもあるのですよ!!


羨ましいでしょ?でしょでしょ?


コホン。気を取り直して、

早速私は最初の部屋、料理の試験を行う場所に足を踏み入れます。


待っていたのは、気品を感じさせる立ち振る舞い、鼻の下にあるおヒゲがチャーミングな...


えーと確か、シーナ様にこのような方をどう呼ぶか聞いていたのですが...なんだったでしょう。


「ミリア・ヴォルフフォード君ですね?」


「あ、はい!すみません!ボーッとして...」


「構いませんよ。では、この試験の説明をさせていただきますね。」


にこやかに微笑む、あっ!思い出しました!

イケおじさんです!


えー、そのイケおじさんは料理試験の説明を始めました。


ここにある食材は何を使ってもOK。

調理時間は15分。

作るだけではなく、その出来栄えや味も当然審査対象。


「さぁ、君は何を作ってくれるでしょうか。」


のぞむところです!

すぐに突破してやりましょう!


「よろしくお願いします!」


15分後。

私の作ったものは...パンケーキです!

1、2枚焼くのにそこまでの時間を使わない。

盛り付けもやりやすく、美しくしやすい。


何より、以前シーナ様に私の作るパンケーキが美味しいとお褒め頂いた!

この試験で使わない理由がありません!


さあイケおじさん、ご賞味あれ!


ナイフとフォークを使い、優雅に食すイケおじさん。


半分ほど食べた後、静かに食器を置き、ふぅー...とため息。


あれれ。もしかしてまずかったですか?


「ふふ、そんなに不安にならなくても大丈夫ですよ。」


はっ!顔に出てしまっていたでしょうか?!


「す、すみません。あの...どうでしょうか...?」


「...私から言うことはありません。」


「え、えっと...それは...」


「合格ですよ。手際も味も完璧に近い。あなたの担当に慣れて良かったと思います。」


「はぁぁぁぁ...!ありがとうございます!!」


シーナ様ぁぁぁ!!!みてますかぁぁ!!!

ミリアはやりましたよおぉぉぉぉ!!!!!


「...ふっ。ヴォルフフォードのメイドは面白いですね。」


よしっ!次のお掃除も頑張るぞ!!


━━━━━━━━━━━━━━━


第2の試験、掃除。


1人終わる度にまた汚していくという斬新な用意をする試験です。


「さて、では試験の説明を。試験時間は5分間です。完璧に仕上げる必要はありません。やれる所までで大丈夫です。限られた時間でいかにこの部屋をパッと見綺麗にできるかを見させていただきます。」


「え、パッと見でいいんですか?」


「ええ、構いませんよ。お客さんを招く自宅ならいざ知らず、5分しかないのにこの部屋を完璧に綺麗にしろなどあまりに馬鹿げていますからね。」


自分の学校の試験なのにそこまで言っていいのでしょうか。


でも、やらなくてもいいということは、やってしまっても構わないということでしょう?

やってみせましょう。私の得意分野はお掃除ですから!!


「それでは、始めてください。」


「うおぉぉぉぉぉ!!!」


ここで止まる訳にはいきませんよおぉぉぉぉ!!!


というかホコリすごい!!

半端ない!!!

読んで頂きありがとうございます!

ミリアの試験話はサブのお話なんですよ知ってました?

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