表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/93

6 今度は私の番-4

3章6話です!

よろしくお願いいたします!

「それから10年。アイン様が家事の代行を探していると言う話を聞いて、もしかしたらラーマン様とまた話せるんじゃないかって、あの時のことを聞けるんじゃないかって思って、ここに来たんです。」


「...なるほどね。」


おおよその事情は理解できた。

それにしても、7歳の頃のトラウマを持っておきながらわざわざ話をしに来るとは、強いなこの子は。

普通は顔も見たくないくらい思うもんじゃないか?


それに比べてうちの兄と来たら...


「はあぁぁぁぁ....」


「シ、シーナ様...?」


「なんでもないの、気にしないで。」


おそらく、いや十中八九あの時の2人は想いあっていた。そう、ラーマン兄さんもナイーダのことが好きだったはずだ。


仮にも好きな女の子が自分のためにおめかしして来たんだぞ?それの感想求められて最初にかける言葉が

似合わねぇって何?そりゃトラウマにもなるわ。


200回ぶん殴られても文句言えないだろ。


まぁとにかくだ。

ナイーダが女の子らしい服が苦手っていうか着ようとしない理由は分かった。

これなら話は簡単だ。


「ナイーダ。」


「はい。」


「あなたはまだ、ラーマン兄さんの顔を見られる?」


「え...」


ラーマン兄さんの方も真意を確かめておかないとな。

まぁ今日は疲れたのでもう寝ますけどね。


━━━━━━━━━━━━━━━


翌日、いつも通りの日常を過ごし、いつものふたりと下校中。

ふとあることが気になり周りを見渡してみる。


「シーナ、どうかしたの?」


「何か気になることでもあったの?」


「いや、そういえばこう見てみると....従者を連れてる人ってあまり多くないのね。」


あまりというかほんとに少ない。

1年が連れてないのは当然だが、2、3年でも従者がいるのはパッと見た感じ50人に1人程度だ。


「ああ、そういうこと。学校まで家のことに縛られたくないって人が多いらしいわ。ここでくらいひとりで自由にさせろってね。」


アリアの説明を聞いて何となく納得する。

たしかに、俺もあの人のままだったら着いてくんなって言ってたかもしれない。

ミリアだから許しているというのはあると思う。


「従者かぁ...僕は着けられたことがないからちょっと憧れるよ。」


カノンの自虐に苦笑いで返し、家路につく。

今日の予定は、色々済ませたあと、ミリアの勉強を見てやる。

それからラーマン兄さんに話を聞く。

久しぶりにやることが増えてきているが、何これくらい。パパッと済ませて、いつもの日常に戻るとしよう。


━━━━━━━━━━━━━━━


家に帰り、鍛錬と風呂、食事を済ませ、

ミリアの自室へ。

昨日さんざんアイン兄さんにしごかれ、もう嫌になっているんじゃないかと思っていたが、俺が部屋につき、ノックをすると、はーい!と非常に元気のいい返事が帰ってきた。


扉が開かれミリアの顔が見える。

その顔は、なんというか、うん、子犬、だな。

後ろでぶんぶんと激しく振られている尻尾が見える。


「シーナ様!早く始めましょう!!」


「え、ええ。そうね...。」


一体どこからこのやる気が出てきているんだろう。

俺はアイン兄さんのスパルタ教育がなくてもここまでのやる気は出せないぞ。


まぁないよりはいい、か...


その後、2時間ほどミリアの勉強を見てやった。

参考書などの問題を解かせ、分からないところを俺が教えてやる。

その後テストを解かせ採点。間違っていたところをもう一度教えて、再テスト。


効率のいい勉強法とか俺には分からない。

これが合っているのかも、そもそもそんなものがあるのかも。


でもミリアは一生懸命にやってくれている。

着いてきてくれている。


そのおかげで、かなりいいペースで頭に入って来ているようだ。覚えもいい。


まだヴォルフフォード領にいた頃からちょこちょこ見ているが、ドジなところがあったりするが、昔から覚えるのは早かったな。


物思いにふけってたいると、ペンの走る音が止まる。

意識を戻してミリアを見ると、スースーと寝息を立てて寝ていた。


可愛らしい寝顔からヨダレが垂れてしまっている。

ハンカチで拭いてやり、俺が持ってきたタオルケットをかけて静かに部屋から出る。


さて、今度はラーマン兄さんのところだな。

無駄に長い廊下を歩き、ラーマン兄さんの自室の前に到着。扉をノックし返事を待つも、返事がない。


ソッと扉を開ける。

静かで暗い。...いない。広間か?


また廊下を歩き、大広間の前に。

開けようとドアノブに手をかけると、中から声が聞こえた。


「分かってる。話さなきゃいけないってことは。でも、あいつを見ると、なんつーかこう...上手く言葉が出てこねぇっつーか、なんも言えなくなっちまうんだよ。」


「全く、1番こじらせてたのがお前とはね。ラーマン。素直になればいいだろうに。」


「多分お前には一生分かんねぇよ。」


...アイン兄さんが代わりに聞いといてくれたみたいだな。その言葉が聞けただけで目的は達成できた。


今日はもう寝るとしよう。

まだその気持ちが2人に残ってるんだ。

あとは伝えやすい場面を作ってやればいいのさ。

読んで頂きありがとうございます!

3章の主役って誰なんだろう(´・ω・`)?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ