2 放課後
3章2話です。
よろしくお願いします!
ユーリとそのお友達の皆様とともにやってきた商店街。食物や雑貨類なんでもござれのランブル王国一番の買い物スポットだ。
うちもよく利用させてもらってます。
そんな色んな店が立ち並ぶこの場所で俺たちが目的としている店は...
「ここだよ!」
ユーリが指さした看板には
『ジュエリーショップ・輝きの瞳』と書いてある。
なんでも大きな球状の宝石のアクセサリーが人気だそうで、それが輝く瞳のようであるということでお客さんの1人にそう名付けて貰ったらしい。
「じゃあ、早速入ろっか!」
ユーリに手を引かれ、皆と店内に入る。
扉を開き、足を踏み入れると、
...ま、まさかの絨毯?!壁を見ても実家の客間と遜色ない綺麗な飾り付けが。それも金がかかってそうな宝石がはめ込まれたもの。
こう言っちゃなんだが趣味は悪い。
照明はもちろんシャンデリア。
キンキラキンに輝く骨組みはそれだけで中をてられそうである。
「なんて言うか...」
「思ってたのと違うね...」
ユーリと店内を見渡し小声でボソリと意見を合わせる。
「ま、まぁ目的はアクセサリーだし、見に行こっ!」
俺たち5人は店内の雰囲気に押されながらも置いてあるアクセサリーに目を通していく。
「う、うわぁ...」
本当に心からこの声出すのそんなに多く機会ないと思うけどほんとにこういう声出た。
俺だけじゃない。見慣れているであろうユーリたちも興奮しつつドン引きしながら感嘆の声を出す。
「そりゃ、話題にもなるよねぇ...」
「ほんとにね〜」
「でも街でつけてる人はあんまり見ないなぁ〜って思ってたけど...」
「こんなのつけられないよ...」
俺たちの前に並んでいるのは多彩な色の宝石。
それも完全な球体だ。そしてでかい。
どれもこれもピンポン玉の大きさをゆうに超えている。これがアクセサリーだと?
イヤリングとかあるぞ。
客の耳たぶ引きちぎる気か?
いいとこネックレスが限界だろう。
それも長くは持ちそうにない。別に宝石に詳しい訳じゃないが、こんなものがついたネックレスなんかしてたら首の疲労もすごいことになるだろう。
まぁそれを抜きにしても、俺たち学生の小遣いじゃあ
「とても買える値段ではありませんわね...。」
1番安いものでもギリ3桁いかないぐらい。
俺の所持金は...まぁだいたい50くらいか。
ちょこちょこ貯めていたのでかなり貯まっているがそれでも届かない。
みんな色々な意味で落胆し、店を出ようか足を出口に向け運び出す。
そんな時、1人がユーリが立ち止まっていることに気づく。
「ユーリ?どうしたの?」
ユーリは足元を見ながらある提案をする。
「みんな...今いくら持ってる?」
「え、どうしたの急に...」
「お願いっ、教えてっ!私は10万ちょっとなんだけどっ!」
「...えーっと私は35。」
「あーし20ー。」
「あたしは17だわ。今月使い過ぎちゃった。」
10万持っててなぜ申し訳無さそうにするのか。
皆が俺を見る。あ、やっぱ俺も言わなきゃですよね。
ちゃんと分かってましたよはい。
「...50です。」
「「「「う、うおぉ...!!」」」」
勘違いしないで欲しい。
ただ貯めてただけなんです。
ここにいるみんな多分セレブなんです。
王都住みなんだからある程度財力はあるだろう。
たしかに俺の家はかなり大きくなったし、月のお小遣いもまぁ多い。でも、こうさ、なんというか、別にひけらかすために黙ってたとか決してそういうのではなk....
「さっきからどうしたの、ぶつぶつ...?」
おっと、声に出てたか。
「いえ、何も。それでユーリさん、みんなの所持金を聞いて何を?」
「えっと...みんなで出し合ってさ、ひとつ、買ってかない?」
みんなだまる。気持ちはわかるけど何か言ってあげなよ。ユーリなんか焦りだしてるよ?
「あ、えっとその!もちろん私は全部出すよ?!それに私が欲しいとかじゃなくてえっと...!」
「分かった分かったから、少し落ち着きな。」
「う、うん。ごめん...。」
「で、なんで買おうと?」
「せっかくみんなで来たしさ、それに、今日はシーナさんも一緒じゃん?友達が増えた記念とかさ、初めてこの5人で来た記念っていうか...」
「...私も50全額出しましょう。」
「うえぇっ?!シーナさん、いいの?!」
オーバーに驚くユーリ。
だっていいじゃない。こんなに早く友達と言ってもらえた。それに初めての思い出を作ろうと言ってくれてるんだぞ?友達に飢えてる俺が乗っからないわけないだろ。
みんなは呆れながらも笑う。
「ハイハイ。私も出しますよ。35。」
「あたしも全部出すよ。」
「うぇぇ...?マジ?......分かったよぅ、あーしも出すよ全部....。」
これで合計130万超。
もうワンランク上のものも買えるな。
その後全員で話し合い、結局1番グレードの低いものを買い、あまりはユーリ以外で分け合う形となった。
会計を済ませ、店を出る。
包装から宝石を取り出し、夕焼け色の空に掲げて眺めるユーリ。キラキラと輝くそれはまるでその中に小さな空があるようで。
夕焼け色なのに星が舞った不思議な空を見ているような気がしてくる。ユーリは宝石を見つめうっとりとしている。
「落とさないでよ?ユーリ。」
「うん...。綺麗だなぁ...。」
まだまだ宝石を見つめるユーリを俺含めた4人で微笑み、見つめていた。
読んでいただきありがとうございます!
日常パートをどう書こうか悩んでいます!!