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29 表彰

2章29話、最終話です!

よろしくお願いします!

セルカとともに、闘技場へ戻ってきた俺。

出迎えてくれたのは地に落ちた巨大な竜の死骸である。


「くさっ!酷すぎる臭い!」


「現れた時から凄かったですけど。なるほど、これならまぁ納得ですわね。」


所々の肉がなく、骨があらわとなっている。

魔法の力とは言え、先程まで動いていたであろうはずなのに小バエやウジが無数にたかっているその姿はまさにゾンビ。もう動かないけど。


「あ!シーナ!」


入口で竜を眺める俺たちに気づき、カノンが近づいてきた。


「心配したよ!どこ行ってたの?」


「ちょっと森に散歩にね。」


「そんなわけないこと位はわかるつもりだよ。」


無傷で帰ってきた訳じゃないからな。

セルカは立てないレベルのやつだし。


「まぁ何があったのかはおいおい話すわ。とりあえずセルカを医務室に運ぶから、手を貸してくれる?」


「う、うん。分かったよ。」


カノンの手を借りセルカを医務室へ。

美人だけどそこはかとなくダメ人間感が漂っている保険医にたくし、闘技場に戻る。


道中、何があったのかをカノンに話していた。


「闇魔法使い...やっぱりそうか...。」


「ええ。流石特殊魔法と行ったところね。やれることはまだ多くありそう。あの男がそれに気づく前に何とか捕らえたいけれど...。」


「向こうの目的もシーナを捕まえることなんでしょ?シーナが動くのは危険なんじゃ...?」


「そうも言ってられないわ。今度はどんな危険がこの学園に、生徒に迫るか分からない。それを守るのが騎士の役目。私が動かない訳にはいかない。」


実力もあるし?

そして、俺目的で来るんだから、他の生徒を巻き込んでしまう。そんな迷惑はかけられないし、何より、そんな事が広まってしまえばまた友達が出来づらくなる。


「二次被害は避けなければいけない。」


「え、今なにか言った?」


「いえ何も。」


カノンと言葉を交わしながら歩き、闘技場へ戻ってきた。

竜の死骸は相変わらず健在だが、避難していた観客がちらほら戻ってきている。

辺りの臭いに悶絶している人もいるが、

竜を人目見ようと集まってくる人が多いらしい。

おとぎ話とか、歴史の本でしか存在を確認できなかった幻の生物が目の前にいるんだから見ようとするのは当然か。


俺とカノンが竜に近づいていくとそれに気がついたアリア、アイン兄さん、ラーマン兄さんが駆け寄ってきた。


「シーナ!どこ行ってたの!」


「少しね。後で話すわ。兄さん、あの竜はどうするんです?」


「今、学園の先生が話し合ってるよ。多分一部を残して焼却処分じゃないかな。」


ちゃんと懸命な判断をしているようで何より。

俺たち5人が話し込んでいると、1人の男性教師が近づいてきた。


赤茶の髪をしたイケメン優男、サベラ先生である。


「君たち、観客席に戻っていてもらえるかい?あの竜の死骸を片付けたら、大会の表彰式を始めるそうだから。それまで客席で待機していてくれ。」


「表彰式、やるんですね。」


「まぁ、せっかく優勝した子もいるのに今年だけ称えないって訳にはいかないんじゃない?知らんけど。」


知らんのかい。


「しかし、それなら後日でいいのでは?」


「僕もそう思ったんだけどねぇ。今からやるぞの一点張りだよ。生徒たちも色々あって疲れてるだろうに。」


学校側には何か意図があるのだろうか。

とりあえず、サベラ先生の指示にしたがい、俺たちは観客席へ。


そこで雑談しながら表彰式の開始を待つ。

竜の死骸は角やキバ、翼など、体の各箇所の一部を切り取り、それ以外は炎魔法で大胆に処分された。


骨だけになったそれを大人たちが必死に運び出していた。おそらく外で爆破でもされるのだろう多分。


そんなこんなで、表彰式が始まった。

受賞者は開始前に集められ、学術部門の者から順番にメダルと賞状が与えられた。


学術部門ではアリアが。

魔法部門では知らない先輩が。

剣術部門ではラーマン兄さんが。


そして、特別栄誉章なるものがラーマン兄さん、アイン兄さん、アリア、そしてカノンに授与された。


なんでもあの4人が竜を無力化していたらしい。

へぇすごい。いや別に?裏では自分も活躍してたのになぁとか羨ましいなぁとか?全然そんなことおもってませんけど?


俺の頑張りが称えられなかったことはさておき、

表彰式はつつがなく終わった。これで本当に学園総合大会の全てが終了となった。


表舞台の裏で何かが動いている。

その事があきらかにはなったが、まだまだ謎なことは多い。


何かがこの学園に、俺に迫ってきている。

それの対策をしなければならない。


まぁ、なんとかなるだろう。

今まで多くの無理難題を根性だけでどうにかしてきた。それに比べればこんなことは食べようと思ってとっておいた冷蔵庫のプリンが妹に食べられてたくらいのハプニング。


結構やばいほうだって?

俺もそんな気がしてきました。


いや、大丈夫だって。

やっぱりあの頃に比べればまだ楽だと思うって。


俺を誰だと思ってる。

反神勇輝改めシーナ・ヴォルフフォードは

これくらいで音を上げる程、ヤワじゃない。

読んで頂きありがとうございます!

2章も完走出来ました!

次回から第3章です!ぜひ読んでやってください!!

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