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19 何事も全力で

2章19話です!

よろしくお願いします!

遂に開幕した学園総合大会。

スケジュールだが、

まず、学術部門の戦いだ。

勝負の方法をおさらいしよう。

学術部門では、1組4~5人での戦いとなる。

出題者から出された問題を解き、早かった順から多くポイントをもらう。5題ほど行って1番得点の多いものが次のトーナメントに進めるという形だ。

最終的には一対一の決勝になる。


次に魔法部門。

この種目は一人ずつの戦い。

まずは的当てで威力と発動速度をみる。

ある程度の火力で破壊可能なターゲットに魔法を放ち、壊れるくらいの威力の魔法を打つ時間が主に試されるようだ。

壊せないのは論外ってことだな。

次にフリーパフォーマンス。

魔法を使い、いかに目を引く魔法を魅せられるかが試される。


以上の2つの合計得点で勝ち負けを判断する。

魔力の扱いにたけていれば他が平均でも勝てる可能性がある戦いとなっている。


そして最後が、剣術部門。

シンプルに1on1で対決。勝った方が次に進出。

うん、実にシンプル。故に1番盛り上がるのもこれ。

トリにふさわしい種目となっている。


現在、闘技場ではチープともいえないが豪華ともいえないセットの中、熱い()戦いが繰り広げられている。


俺でも数秒かければ解ける問題ばかりだが、出場している生徒たちはものの一瞬で回答を導き出している。


ちなみに俺たちのクラスからアリアさんが出場してたりする。出場選手の中でも上澄みレベルと言えるだろう。


コンマ数秒の戦いが繰り広げられているこの種目でも、その一瞬の壁を乗り越えているうちの一人だ。


涼しい顔でスラスラと問題を解いているその姿はまさに優等生。


あっという間に終了した1回戦を楽々突破となった。


それにしても、意外と盛り上がっている。

回答者が答えを出す度に歓声が上がっている。


あれだ。テレビでやってるクイズ番組をテレビ前の視聴者が一緒にやってるみたいな感じだ。

家族で見てると割と盛り上がっちゃうやつ。


ひと仕事終え、帰ってきたアリアさん。

その様子はいつもと変わりない。


「お疲れ様。なんか随分余裕そうに見えたけど、勝てそう?」


「ありがとう。そうねぇ、まぁまだ1回戦だからなんとも言えないけれど、今のところは問題無さそうね。他の選手の実力次第でもあるけどね。」


そりゃそうだ。

ま、実力に偏りがあるとも思えないし、中盤まではサラリと勝っていけそうかな。


その後、やっぱり苦もなく勝ち進み遂に決勝戦。


いやはや、まさか決勝まで進むとは。

アリアさんも驚いていた。

「決勝戦なんて心臓が飛び出そうなくらいよ」

なんて言ってたアリアさんは闘技場で1人だけニコニコと微笑み余裕をかましている。


対戦相手は学術科3年の男子生徒。

アイン兄さんと同じクラスの生徒という訳だが、

これまで学術科の先輩の威厳をまざまざと見せつけ勝ち進んで来ていた。


そして決勝戦の舞台でアリアさんとどんな勝負を見せてくれるのかと期待し、固唾を飲んで見守っていた観客は、皆一様にこう思ったことだろう。


あれ?と。


先程も言ったが、この決勝戦の舞台でただ一人、微笑みを浮かべる余裕がある人間がいる。


そう、勝負するまでもないくらいにレベルが違かったのだ。現在まだ2問目が終了した状態。先輩にも勝ち目はあるかもしれないが、先輩の目には既に負けの2文字が写り始めているだろう。

互いに決勝まで駒を進めた強者同士、たとえ一瞬の攻防だろうとどちらが優勢か、分かってしまうのだろう。


だがここで、予想していなかったことが。

先輩が2問取ったのだ。これでイーブン、次を取った方が勝ちとなる。

しかしなんだろう。違和感がある。

俺の目はある一点に注がれていた。

アリアさんの顔だ。彼女はこの状況でも微笑みを崩していない。その表情は何一つ変わっていない。


最終問題。

第34代目 ランブル王国国王を答えよ。


簡単を通り越した常識問題。

この答えは国民であれば誰もが知っていて当然だ。

国外の民でも知っているものは多いだろう。


34代目は現在の国王。

つまり答えはガレス・ランブル。

ここに来て反射速度を試して来たか。


緊張しているであろう決勝選手の2人は一瞬の戸惑いが出るかもしれない。そこを制した者がこの戦いに勝つことができる。


2人はほぼ同時に回答をボードに書き込む。

そして最初に答えをあげたのは─────


「いやー、楽しかった♪」


上機嫌で帰ってきたアリアさん。

優勝をきっちりともぎ取って来た彼女に俺とカノンは労いの言葉をかける。


「お疲れ様、優勝おめでとう。」


「おめでとう、どうだった?先輩は。」


「うーん、見てきた限りでは、1番頭の回転も早かったし、まぁさすがは3年の学年1位と言ったところだったかしら。」


「...1つ聞いてもいい?」


「どうぞ。」


「あなた3、4問目手を抜いてたりした?」


「え、ほんとに?」


「ふふっ、流石はシーナ。よく分かったわね。」


ほんとに手を抜いてたのね。


「何となくね。でもなんでそんなこと...」


「ストレートで勝っちゃったら、可哀想でしょ?」


悪意が微塵も感じられない笑顔で可愛らしく首を傾けるアリアさん。


いや、もしかしたら俺が会った中でもかなり性格悪い方...かも...?

読んで頂きありがとうございます!

意外とこの章も短く終わるかもしれない!!!

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