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15 変われない女(おとこ)-2

2章15です!

よろしくお願いします!

今日の授業も終わり、カノンと歩く帰り道。

俺の話を聞いた彼はめずらしいほど笑っていた。


「ふふっ、あっははは!それは災難だったね」


「笑い事じゃないわ、本当に大変だったんだから。」


アイン、ラーマン両名がキレたあの後、

当然注目を浴びていた俺たち。

それほど軽率な行動をとることはなかっただろうが、

あの時の2人の雰囲気は何するか分からないような末恐ろしさを感じた。


俺もその状況に焦り、兄ふたりの頭を思い切りぶん殴り気絶させ、引きずって退場。

そのことは当然ながら学校側に知られ、

呼び出しを食らい、俺にアイン、ラーマン、俺に突っかかってきた女子とその取り巻き2人がだいぶ絞られ今に至る。


「でも、少し意外だったよ。ラーマン先輩は1匹狼みたいな人だと思ってた。」


「まぁ、あの人を知らないとそう見えるか。うちの両親は家族愛強いから、あの二人の子供である私たちも自然とそうなっちゃうのよ。」


あの二人に育てられて、まだ隠そうとしているぶん、ラーマン兄さんはマシな方だろう。


俺とアイン兄さんの次に。


「で、そのおふたりは?」


「もう“帰らせた”わ。家で大人しく正座してるでしょうね。」


「......あんまりやりすぎちゃダメだよ?」


「それは2人次第ね。」


カノンと別れ、家に帰る。

玄関につき、扉を開けると、しんみりした顔のミリアがお出迎え。


「お、おかえりなさい、シーナ様。」


「ただいま、ミリア。兄さんたちは?」


「お二人共、広間でお待ちです。」


静かな廊下を進み、広間の前に到着。

緊張した空気の中、扉を開け、広間の中へ。


中では我が兄2人が黙って長テーブルに着席していた。


「ただいま戻りました。」


「...やぁ、おかえり...。」


「......。」


「とりあえず1番言いたいことから言わせていただきます。」


一呼吸ためて、兄たちに向け一言。


「次問題を起こせば兄妹の縁切りますからね。」


「ぐっ...?!」 「ぐはっ...!!」


同時に胸をおさえテーブルに突っ伏す2人。

まるで本物の刃に心臓を貫かれたよう。


「私のために怒ってくれたことは一応感謝していますし嬉しく思います。しかし限度というものがあるでしょう。10分間にわたり魔力を放出し続け、年下の女の子を威圧。あげく2人して決闘を申し込むなど言語道断。おふたりは自分の実力ちゃんとわかっておいでですか?」


学園最強レベルのふたりが新入生相手にガチの決闘を申し込んだ。勝敗なんて火を見るより明らかだろう。

どんな闘いをするのかも分からない。


「もうひとつ。あなたたちは私の学園での目標のひとつをご存知ありませんね?」


「「は、はい...。」」


「私はこの学園で、一番達成させたい目標のひとつに、お友達を多く作ることを掲げています。」


昔のような灰色さえもつかない、色のない青春を回避するために必要なことは、まず友人を増やすことだ。

友人が増えれば、その人の友人とも関係をもてる。

交友関係の輪を広げ、さらに多くなれば、放課後にどこかに出かけたり、休み時間にくだらない話しをしたり、充実した青春を送れるだろう。


だが俺は早々に友達作りに失敗。

気持ちを切り替え、これから頑張ろうという時にこの兄ふたりは問題を起こしてしまった。


俺と周囲の溝は決定的になってしまった。


「おふたりは自分のクラスで、(あの人のお兄さんあんな人なんだって。あんまり近づかないようにしようヒソヒソ)という視線を向けられた妹の気持ちが分かりまして?」


「ご、ごめん。シーナを侮辱しているのを見たらなんだか無性に腹が立って...。」


「はぁ...もういいです。残念ですがどの道あの子とは仲良くなれなかったでしょうし、友人は1人いますし、周囲の評価はこれから変えることもできるでしょう。アイン兄さんもラーマン兄さんも私の学園生活のために私の周りで問題は起こさないようお願いしますよ。」


話の終わりを察したのか席を立とうとする2人。

俺はテーブルのラーマン兄さんのすぐ隣に思いっきり拳を打ちつけ、ラーマン兄さんに笑ってない笑顔を近づけ圧をかける。


「なにか、言わなければならない言葉があるのではないですか?」


びっくりして席に尻もちをついたラーマン兄さん。


「...悪かった。もうお前に迷惑はかけねぇよ。」


目を逸らし、気まずそうに謝罪をのべる兄さん。

それを聞いた俺はゆっくりと離れ席に座る。


「おふたりとも食事は?」


「まだだけど...」


「では食べていかれては?今食べておかないとそのまま食べずじまいになってしまいますよ。」


「そうだね。食べていくよ。ラーマンは?」


「俺も食ってくよ。」


2人の言葉を聞き、手をパンパンと2回鳴らす。

すると扉があき、ミリアが食事を持ってきた。


手馴れた手つきで配膳し、配り終えると俺の右斜め後方に立つ。


「さ、いただきましょう。」


その後は俺からアイン兄さんに会話を振ったりしていつも通りの風景に戻した。

家族愛が過ぎるのも困ったものだな本当に。

読んで頂きありがとうございます!

ちょっと短くなりましたかね?

でもこの話はもう少し、あと1話?続くので!で!

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