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4 再戦の後に

2章4話です!

よろしくお願いします!

訓練所の扉を開き、中に入ると

そこに居たのは若干黒い肌をした

短い金の髪と燃えるような紅い瞳を持つ、

引き締まった筋肉質な体の男。


なんて言うか...


「驚くほど予想通りのいい男性になりましたね。ラーマン兄さん。」


俺の言葉にラーマンが振り向く。

数秒見つめ、俺たち3人の方に近づくと、

俺をまじまじと観察し、アイン兄さんに目を向ける。


「こいつはシーナか?」


「妹の顔を忘れたのかい?どこからどう見てもシーナじゃないか。」


軽く話して今度は俺に話しかける。


「シーナ、ちょっと来い。」


「なんです?」


「試合だ。」


急。


「でしたらアインお兄様に頼んだ方がよろしいのでは?」


「...結果が分かりきった試合なんかつまらねぇし興味もねぇな。それから、今のお前の実力を見るっつう目的もある。」


なるほど、納得。

俺もラーマン兄さんの実力は見ておきたい。

なんだかニコニコ具合が強くなったアイン兄さんに訓練用の剣を渡してもらい、位置につく。


「見せてみろ。今のお前を。」


「ええ、行きますっ!!」


上段に構え、ラーマン兄さんに向かう。

今の兄さんには、遅く見えるであろうスピードで。


そしてラーマン兄さんの剣の1歩外で全身を使い

グンっとスピードをあげる。

そのまま剣を振り下ろし、胴を薙ごうとするも、

ギリギリで避けられた。

だが、兄さんは少し浮いた状態。

さらに、俺の動きに冷静さを欠いているはず。


振り下ろした剣で逆袈裟を放ち、脇腹を狙う。

体をひねりかわそうとしたが、今度はかすめた。


「チッ...」


舌打ちし、若干開いた距離を即座に詰める兄さん。

振るわれた剣を自らの剣で受け止め、

無数の火花を散らす、激しい攻防が始まる。

全力の力、速さで振る俺の剣を冷静に対処する兄さんをはね飛ばし全力で近づく。

先程と同じ袈裟斬りの構え。


俺の目は兄さんの胸を見据える。

そして、兄さんが剣を胸に持ってきて、防御の構えをとろうとしたのを確認し、剣を足に向けて振るう。


目を見開き、驚いた顔をした兄さんは、

しかし、とんでもない速度で蹴りを放ち俺の剣は戻される。


それを利用し、背中から回して左手に剣を持ち替え

無造作に突きを繰り出す。


その突きを剣で弾かれる。

俺も下から足を振り上げ蹴りをだす。

兄さんの顎をかすめ即座に振り下ろす。

ドゴーン!と自分でも驚く大きな音と衝撃がおき、

周りに砂埃がまう。


俺のかかと落としを避けた兄さんが砂埃の中から姿を見せ、

横薙ぎに剣を振る。

俺は上段に構えそれにぶつけるように振り下ろした。


ガギンと衝突音が鳴り、

兄さんは背後から俺に向け、言葉を発する。


「腕あげたじゃねぇか。」


賞賛の言葉。変わらない優しさ。


「だが...」


その瞬間俺の剣が砕け散る。


「俺の方がまだ強ぇ。」


「ふぅ...。まだまだ、頂きは遠いみたいですわね。」


多分結構手を抜かれていた。

それでもラーマン兄さんにはまだ届かない。

精進せねば。


「まぁ今言ったが、あの時よりもかなり腕を上げてる。おめぇはまだまだ強くなれる。」


「ありがとうございます、ラーマン兄さん。」


「...フン、もう行きな。学園の入学試験に備えるこったな。」


入学試験か...。やっぱりあるんだそういうの。


「さて、ラーマンもこういっているし、戻ろうか。」


アイン兄さんに連れられ、上階へ戻る。


「アインお兄様、入学試験というのは?」


「ん?ああ、うん。戻ったら説明するよ。」


「では、私はそろそろお夕飯の準備を。帰る時の買い出しで作る料理も決まりました!」


「楽しみね。アインお兄様、ミリアの作る料理はそれなりに美味しいですよ、それなりに。」


「なんでそこ強調したんですか!?」


「あははっ、楽しみにしてるよ。」


腹も減ってきたし、涎を飲み込み階段を登る。


━━━━━━━━━━━━━━━


でかいテーブルに並べられた料理をアイン兄さんとミリアと談笑しながら食べる。


ラーマン兄さんはまだ鍛錬を続けているようだ。


食べ終え、少し食後の休憩をとり、

話を聞くことにした。


「それで、お兄様。騎士学園の入学試験についてお聞かせ願えますか。」


「うん。まぁ入学試験といってもどの学科に分けるかを決める試験みたいなものだよ。」


「学科ですか。」


「そう。ランブル騎士学園には3つの学科が存在する。騎士科と魔法士科と学術科だ。試験では、魔法を扱う技術を見るエリアと騎士科の教員と戦うエリア、そして、受験者全員が受ける筆記試験がある。筆記は全員絶対に受けなきゃいけないけど、そのほかふたつは参加自由だ。」


つまり、本当に入学試験と言えるのはその筆記だけか。


「しかしなぜ筆記以外は参加自由なのですか?」


「さっきも言ったけど、あくまでどの学科に行かせるかを決める試験だからね。筆記で合格ラインに入っていれば入学は決定だ。」


「それでは他の試験をやる理由がないのでは...」


「そうだね。でも一応やるメリットはあるよ。」


「それは...。」


「入学後の評価だ。」


「入学後の評価、ですか。受けたから真面目な生徒だねってことでしょうか。」


「ないことはないかもしれないけど、基本、受ける人は自分の技術に自信を持っている人達だ。彼らが見せた技の出来や威力によって、教員からの評価が上がる。それによって、卒業後に騎士団に入りやすくなったり、高位の魔法士や学者からさらなる指導を受けやすくなったりする。」


なるほど、要はやって結果を残せば卒業までは期待の生徒として手厚いサポートを卒業後は希望の進路に進みやすくなるというわけだ。


確かにやるメリットはある。


「お兄様、自由参加ということはどちらも受けることはできると言うことですか。」


「できるよ。まぁ両方受ける人はそういないけどね。僕もラーマンもそうだったし。」


やればやるほど発言力が増すといってもいい試験かもしれない。

よし、そうと決まればまずは勉強!

その後はいつもの鍛錬だ。

先輩が2人兄にいるこのアドバンテージ、存分に発揮しようじゃないか。

読んで頂きありがとうございます!

キャラの登場タイミングとか頻度とか上手く調整できるのでしょうか!

今から少し不安です!

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