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3 愛しの

2章3話です!

よろしくお願いします!

服屋を出たあとも色々な店に入ったり。

割と長いこと王都を楽しんだ。


「日が落ちてきたわね。」


「そうですね、そろそろ戻りますか?」


「そうね。もう結構楽しめたし。」


別邸の屋敷に戻るため、来た道を引き返す。


「.........。」


「どうしました?シーナ様、早く戻りましょう?」


「ミリア。」


「はい。」


「来た道ってどっちかしら。」


「はい?」


「もう一度言ってあげるわね。来た道はどっちかしら?」


「はいぃ!?」


うーん参った。割と遠くまで来たし、帰り道分からないとなると本格的に帰れない。


「聞き込みしようにもねぇ。屋敷の住所とか分からないし。」


「どどど、どうするんですか!迷子なんて!」


「落ち着きなさい。別に地獄に放り込まれたわけじゃないんだから。」


ワタワタしているミリアをなだめつつ、考える。

でも、やっぱり分からないね。思い出せん。


「どうしたのかな?そこのお嬢さんがた。」


途方に暮れていると、後ろから謎のイケボが。

振り返るとそこには、


この世界では高い方の身長、

焦げ茶色の長髪を後ろでひとつにまとめ、それを前に持ってきている。

そして、特徴的な蒼の瞳。


「もしかして...アインお兄様...?」


「久しぶりだね、シーナ。」


優しく笑うその顔は、幼い頃何度も見た顔。

見ると安心出来る、そんな顔だ。


思わず駆け出し随分大きくなった胸に飛び込む。


「お久しぶりです!お兄様!随分大きくなられましたね!」


「うん。シーナもとても綺麗になったね。一瞬分からなかったよ。」


「はわわ...!あれがアイン様!美男美女兄妹...!!」


俺たちを見ながらミリアが興奮してる。


傍から見たらほんとに美男美女兄妹なのかもしれない。

しかし、当の俺から見ると、

口調こそ女性っぽくしてはいるが、中身50近いおじさんなんです。

15年やり直して自分の精神も年相応になっては来たけど。

だから、兄さんに対しても、小僧とか思ってない。

ちゃんと尊敬する兄なのだ。


「お兄様、学園にいらっしゃるとお聞きしたのですが、もう終わったのですか?」


「ああ、今日はもう終わりだね。それで、屋敷の場所が分からないんだったかな?」


「はい。お恥ずかしい話です。少々街めぐりに夢中になってしまいました。」


「ハハッ、シーナのそういうところは変わっていないみたいだね。夢中になると周りが見えなくなる。」


「からかってますか?」


「半分ね。あと半分は懐かしい気持ちだよ。さ、そろそろ帰ろうか。屋敷はこっちだ。」


雑談を交え、アイン兄さんについて行く。


「ミリア?早く行くわよ。」


「あ、はい!」


なんか固まっていたミリアを呼び、3人横並びで帰路を辿る。


━━━━━━━━━━━━━━━


屋敷に戻り、リビングのソファーに座り

ミリアが入れてくれた紅茶を飲みながらアイン兄さんと話す。


「お兄様、改めて、お久しぶりです。お元気そうで良かったです。」


「うん。シーナも元気そうでよかった。ずっと心配してたんだ。ゴルドリッチと戦争になったって聞いてね。」


「王都にも話がいっていたのですね。」


「ああ。戻れない自分が歯がゆかったよ。ラーマンも同じ気持ちだったろうね。」


「なぜ戻れなかったのですか?」


「うん。実は騎士学園の生徒に、王の勅命が下ってね。」


「勅命とは?」


「散歩の護衛。」


は?


「え、さ、散歩...ですか...?」


「そう...。全くふざけてるよね。いいとこ5人もいればいいくだらない命のために学園の生徒全員が駆り出されてね。散歩っていえるものでもなかったよ。」


「誰かに言っても無駄だったのですか。」


「うん。王に直談判したかったけど、学園の教師に止められてね。彼らは自分の保身と学園の外面のためにひとつの領土を捨てたのさ。」


なんだか、こっちでも結構な苦労があったらしい。


アイン兄さんとしては珍しく怒ってるようだ。

まぁしょうがないか。

最悪捨ててもいいもののために自分の故郷や家族を捨てろと言われたんだ。苛立ちを隠せなくても誰も何も言わないだろう。


「そういえば、ラーマン兄さんは...。」


「に、兄さん...?ええと、ラーマンならそろそろ...」


言いかけたその時、ガチャリと玄関の扉が開く音が聞こえた。離れていても聞こえる防犯対策バッチリの扉です。


「もしかしてラーマン兄さんでしょうか。」


「...かもね。多分すぐ地下に行くと思うよ。行ってみるかい?」


「はい。実は地下には入ってないので、少し楽しみです。ミリア、行くわよ。」


「はい!」


「よし、ついてきて。こっちだ。」


アイン兄さんに案内され、地下に続く階段へ。

石レンガの洞窟のような空間。

灯りはついているが空間が狭く、窮屈感がすごい。


「私、あんまり好きじゃないかもです。」


「うーん、私はまだ大丈夫だけど。」


「ここは嫌な人は嫌だろうね。狭いのは階段だけだから、もう少し我慢してね、ミリア。」


「は、はい!」


ミリア、頬を紅らめないでくれないか。

チョロイン認定してしまうぞ。


ゆっくり降りているのもあるが、それなりに長い時間歩いた気がする。


やがて少し広い通路に出た。

目の前には大きめの扉。

その奥からはドカン!ガゴン!と何かが爆ぜ、何かを打ち付けるような音が聞こえてくる。


「さ、入ろうか。ラーマンはここだよ。」


扉を開け、入っていったアイン兄さんに続き、おそらく訓練所と思われる空間に足を踏み入れる。

読んで頂きありがとうございます!

日常パートも書くのは難しいですよね!

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