16 ボス戦開始
5章16話です!
よろしくお願いいたします!
戦うもの以外の避難が完了してから2分ほど。それの姿が露わになり始める。本体の大きさはサメとさほど変わらなそうだが、8本生えたその腕がさらに大きく見せている。
「アレなんて言う生き物なの?」
「タコに近いわね。」
「タコって何?」
「アレに近い生き物よ。」
アリアも本で知っているだけに過ぎないが、そのタコという頭足類と姿が酷似している。違いといえばこの怪物には目にあたる器官が8箇所存在することと、タコはここまででかくはならないことくらいだろうか。
「んで、ルティアも言ってたけど、どうやって戦うのよ?」
セルカがアリアに尋ねる。正直彼女らには友好的な手段は思い浮かばない。思いつくのは力押しくらいだ。
真っ先に戦う意志を示したアリアなら巨大蛸の弱点でも知っているのではないかと思い至る。
「そうね...まずはあの目をひとつ残して全部潰しましょうか。」
「なんで全部潰さないの?」
「全部潰して必要以上に暴れられたら厄介よ。ひとつ残っていれば生物の本能がそれに頼ってしまう。隙は必ず生まれるはず。」
「なるほど...では目を潰したあとは?」
「いやちょっと待って誰この人。」
突然話に入ってきたテレス。いや元々この場にはいたが、アウェー感が強すぎて黙っていた。アリアはテレスのことを皆に説明する。
「騎士科のテレスよ。彼女もあのタコと戦ってくれるわ。」
「自己紹介が遅れた。テレス・ノブレイカだ。よろしく頼むよ。」
「で、目の後はどうするかって話だったわね。当然あのうねうねした気持ち悪い腕を落とすわ。」
「どう落とす?剣で切り落とすか?」
「それが1番無難かもしれないわね。でも1度遠距離から魔法を放って様子見よ。タコほど柔らかくもないかもだし。」
「なら、私の風魔法を使おう。敵の身を切り裂くことも可能だからな。剣が通用するかも分かるだろう。」
「便利ね。是非お願い。」
「その後はどうするのー?」
「あとは...」
鋭い目つきでタコを見据えるアリアは口角をあげて一言。
「全員で何も出来ない本体をリンチして終わりよ。」
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「んで、どうするよ?アイツ。」
スパイダーマザーを指さしてソルケットが言う。
「あなたがやろうって言い出したんでしょうに。」
「いやー作戦立案とか俺苦手だからよ...頼めねぇか?」
ハァ...やれやれだぜ。
仕方なく考えてみる。
先ず落とすべきは脚か?アイツは女郎蜘蛛に近い姿だ。女郎蜘蛛相手に視界を奪いにいくのは得策じゃない。奴らは振動で相手を感知する。目はついでに過ぎない。加えてあの巨体を支えている脚だ。蜘蛛の足は本来頑丈じゃないが、あのサイズだと少し暴れられて足が当たるだけでもかなり痛いはず。次は...
「ブツブツブツブツ...」
「なんかスイッチ入った見てぇだな。」
「そうだね。」
「...なぁカノン。」
「なんだい?」
「お前ってシーナのこと好きだったりするか?」
「うぇ!?えっ..え、え?」
「動揺しすぎだろ...どうなんだよ?」
「う、う〜ん...えっと、嫌いじゃあ...ない、よ?」
「.......お前隠し事苦手なタイプだろ?全部顔に書いてあるっつーの。」
「うっ......」
「で?どこに惚れたんだよ…!」
「い、言えないよ...!」
「良いじゃねぇかよ...!ここには俺たちしかいねぇんだしよ...!な?」
「いや、シーナがいるのが1番話しづらいって!」
「そのための小声だろぉ?大丈夫だって小声で話せば聞こえなi」
「ちょっとうるせぇので静かにして貰えます?」
「「ご、ごめんなさい...」」
しっかり聞こえとるわい。まぁ、大体の工程は決まった。出来ればやりたくないが俺も仕事がある。覚悟決めなきゃあな。
「2人とも。アイツをぶっ殺す作戦をお話します。」
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宿から持ってきた剣を携え、浜辺に揃う計8名。
アリア、セルカ、ユーリ、ルティア、ミリア、テレス。そして学術科ネガ、ジーマ。
1人触腕1本、目1つ担当だ。ヘイトも分散できる。生存確率はだいぶ違うはずだ。
「じゃあ、始めましょうか。ミリア。」
「はい!」
ミリアが土魔法を発動する。海岸から約100メートル付近にいた巨大蛸の周りに岩の足場が出現。取り囲む。円状の足場の中心にタコがいる形になった。
「戦闘開始!必ず生きて終わらせる!」
「「了解!」」
アリアの合図で一斉に飛び出す騎士たち。彼女らの事実上初めての実戦が始まった。
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「作戦は以上です。」
「OKOK。了解だぜ。」
「ああ、始めようか。」
「ええ。決闘開始ですわ...!」
ダンジョン内の3人も静かに動き出す。2つの戦場でのボスバトル。勝利の女神はボスか主人公サイドか、どちらに微笑むのか
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