15 会敵
5章15話です!
よろしくお願いいたします!
先生方がシーナたちの救出に向かって5分ほどたっただろうか。今頃はダンジョン内を奥地まで走っている頃だろうか。
「さてと...」
アリアは沖に視線を向ける。先程から嫌な視線を感じていた。今までの不穏な空気、時折感じた気配と視線。そして今先程“聞いてしまった”。
「どうした?アリア嬢。」
騎士科のテレスが沖合をじっと見つめるアリアのことが気になり話しかける。アリアは彼女を一瞥すると言った。
「皆に伝えてください。宿から武器を持ってこいと。」
「なに?どういうことだ?」
「あなたは感じませんか?そろそろ誰か気づいてもおかしくないと思ったのですが。」
そう言われたテレスは沖合へ意識を向ける。そして感じた。何か強大なものの気配。段々とこちらに近づいて来ている。
「なん...だ...これは。」
「おそらく、先日の巨大鮫がここに現れた理由なのでしょう。サメはあれから逃げてきた。」
「とてつもないプレッシャーだ...たしかにあのサメの比じゃあないな。」
テレスは走り出し、近くにいた同じ班の学術科のジーマとネガに状況を簡潔に伝える。2人はそれを聞くと生徒全員に伝達を始めた。
「乗り切れるかしらね...この大波に。」
接敵まで長くは無い。あっても5分程か。
「アリア!」
名前を呼ばれ振り返る。魔術科の友人たちが走ってきた。
「セルカ、みんな。」
「なんかヤバいことになってるって?」
「簡潔に、しすぎ。」
「おっきなタコさんだったっけ?!」
「シーナ様もいない時にぃ〜!どうしましょ〜!!」
「落ち着きなさい。とりあえず、死ぬ覚悟がある人だけ残してあとは退避。迎撃するわ。」
「本気!?」
「当然よ。ここから近い街でも数キロ離れてるとはいえ、あのサメが逃げてくるほどのバケモノ。たどり着くまでそう時間はかからないはず。ここで少しでも足止めしないと...!」
「......勝算、あるの?」
「さぁね。まだ見たこともないヤツだし。分からないわね。」
「.........帰ってもいい?」
「ここで逃げたら、騎士の名折れだと思わない?」
「別に...騎士、目指してない...」
「なら別の理由を与えましょう。ここで逃げたらシーナに怒られるわ。」
「.....怖くないし...」
「なら悲しむ。」
「......」
「呆れられるかしら?」
「......ハァ...わかった。戦ってあげる。」
「ありがとう。」
「私も頑張ります!」
「せっかくの旅行台無しにされたツケ払って貰わないとね!」
「みんなで頑張ろー!」
自分、いやシーナの周りの者は恐れ知らずな人達ばかりだとアリアは思う。自分もその1人なのだろう。まだ見ぬバケモノを前にして、怖いと思っているのか分からない。怖いのかもしれない。死が恐ろしいと感じているかもしれない。ただ、それを覆い隠すように、目の前の敵を捻りつぶせと脳みそが自分を動かす。
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「どうするよ?」
目の前でジーッと止まって動かない巨大蜘蛛を見てソルケットが問いかける。こっちが聞きたい。ただでさえ苦手な蜘蛛の巨大バージョンときている。止まっている分にはまだかっこいいとも思わなくもないが、ひとたびあれが動き出せば即座にキモいに早変わりだろう。
「正直、戦いたくないですね...必要性も今のところ感じられません...」
「そうだね。アレを倒したら外に出られる訳でもないし...」
「......いや、あいつどうにかすれば外に出られっかも知れねぇ。」
「「え?」」
マジ?何を根拠に...?視線で問うと、ソルケットは蜘蛛の後方上側を指さした。
「あれは...」
よく見るとそこからチョロチョロと水が流れ出している。縦穴付近まで続いていた水はここから来てきたらしい。
「潮の臭いがする。海から来てんだアレ。あの辺をぶっ壊せば海に出れるはずだ。」
「そのためにはあの蜘蛛が邪魔だと?」
「そういうこと。」
「......何とかバレずにやれませんか?」
「無理だな。多分アイツはもう俺たちに気付いてる。敵意を向けられてねぇ、ナワバリに入ってねぇからオヤツにもならなそうなアリの3匹は放って置いてるってだけだ。近づけば殺られる。」
「なんでそう思うんだい?」
「アイツは俺たちがここに来る前から視線をコッチに向けてた。何かが来るって分かってたんだ。何でかは知らねぇが...」
......もしかして俺のせいだったりする?確証は無い。だが、多くの蜘蛛は振動で他の生物を感知する。さっきの崩落は恐らくコイツのせいだろう。ここに来るまでにいた子蜘蛛は恐らくコイツの子供。それを殺した俺の魔法は割と抑えてたとはいえここに振動を届けるのには十分だったはずだ。
やっぱり最初の原因は俺かぁ...?イヤイヤ!汗まさかそんなことは...ない、ハズ!うん。ナイナイ!もう考えないようにしよう!自分のせいでスパイダーマザーに気づかれて帰れなくなったとか愚かすぎるからね!...はぁ、あたしってほんとバカ...。
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