9 待ちに待った洞窟探検-2
5章9話です!
よろしくお願いいたします!
「よし!じゃあみんな、しっかり僕に着いてきてね!」
「「はーい。」」
と、言うことで始まりました。洞窟探検という名のダンジョン調査。
入口はかなり大きい。縦にとんがっていて横も10人は並べる程の広さがある。
「思ったよりも広いですね。」
皆一様にキョロキョロと周りを見ているとカノンが言った。
「そうだろ?でも、ダンジョンっていうのが全部こういうものって訳じゃないんだ。ここが1番簡単なダンジョンだと言われていた理由がそれだ。分かるかい?」
ネリトさんがカノンの疑問に応え、俺たちに質問する。
「......これだけ広いなら、騎士としては非常に動きやすいでしょうね。」
「ええ。加えて地面も平ら、ある程度の人数で組めばタンクが並んで後ろから魔法で攻撃すれば、それだけである程度は処理できるかと。」
答えたのは学術科の2人である。2人ともメガネをクイクイして答えた。それのやり方が2人で違うところに少し興味を覚える。
「その通りだよ。ここの調査をする人達からしてみれば、ここの広さっていうのはちょうど良すぎたんだ。それに...おっと、ちょうどいい所に...!」
ネリトさんが右側の壁に近づいていく。そこにあったのはうちの扉と同サイズ。頑張れば2人通れるだろうぐらいの横穴だ。
「これがダンジョンの分岐点。この穴もどうやってできたか分かって居ない。ひとつ言えるのは、今まで僕たちが歩いてきたのはここに住んでいた魔物たちの共同空間、廊下みたいなもので、本当の住処はこの穴の中であると言うことだ。今日は1箇所だけ入ってみようか。」
ネリトさんがその横穴を潜り、俺達もそれに続く。先程と比べるとかなり狭い。縦は3メートル程度、横は4人が限界か?壁の凹凸も大きくなった気がする。
「こりゃあ武器振んのも楽じゃあねぇな。」
「うん。魔法主体の戦闘になるのも頷けるよ。」
「私は基本拳だから問題ないが...なるほど。たしかにソルケット殿のような長物使いは厳しいだろうな。」
「さすがは騎士学園の生徒だね。皆が言うように、調査隊はその部分で苦戦を強いられたらしいんだ。魔法を多用すれば、魔力切れを起こす。かといって魔法を使用しない戦いは得策じゃない。でも、ある理由が調査隊を助けた......見えて来たよ。」
ランタンに照らされ、見えてきたのはドーム状の広々とした空間だ。一体なんのものか分からないが、血痕が辺りに飛び散り、こちらもなんのものか分からない骨が散乱している。加えてここだけ異様に生臭い匂いがする。思わず顔をしかめる。
「ここは、“ゴブリン”の住処だったみたいだ。ここで狩ってきた動物を捌いて食べてを行っていたらしい。この広々とした空間が騎士達に武器の使用を許した。」
「このダンジョンを住処にしていた魔物はゴブリンだけなのでしょうか?」
「いや、“リザードマン”もいたらしいよ?ゴブリンと比べればかなり少なかったみたいだけどね。見に行くかい?」
ネリトさんの提案に全員賛成し、引き返す。広い廊下まで抜けてさらに奥へ。
『シーナ、大丈夫かい?』
カノンが小声で話しかけて来た。先程から俺の様子が気になっていたようでチラチラと見てきていたが、どうやら完全に我慢するのもキツくなってきたか?
『大丈夫...。少し寒いだけよ。ありがとう。』
そう答えてなんでもないように進む。まぁ実際寒い。太陽の光が届かず、そうでなくてもどこかヒンヤリと空気が冷えている。元から体調が悪い俺はともかく、ここにいるだけで体調不良になる人もいるかもしれない。
「あ、あったよ!」
ネリトさんが今度は左の壁を指さし、近づく。穴のサイズ、中の広さ共に先程よりも広い。周りの凹凸も少なく感じる。
「ここがリザードマンの住処だった場所だ。おそらく元々はさっきのゴブリンの住処と同じ程度の大きさだったけど、自分たちで広くしたものと考えられている。」
「リザードマン自らがやったのでしょうか?」
「そこまでは分からないね。もしかしたらゴブリンたちと協力したのかもしれないし、ゴブリンたちをこき使ってたのかもしれない。でも、これで分かったことがひとつある。ゴブリンは魔物の中でも知能が高い。武器を作ったりなんかがいい例だね。でも、ゴブリンに限らず、魔物は狭いと感じたら広くするとか、そういう事を考えられる知能はやはり有していると言うことさ。」
ゴブリン立ちから奪い取ったという線も考えられなくはないが、ゴブリンたちがここの広さを先の住処と変える理由が分からないな。ここに来るまでもチラチラと横穴は見えていたが、1番最初の穴と変わった様子は見られなかったし、中の構造も先程と違う。ゴブリンの住処にあったような空間が、いくつかあった。中の構造も違う。
「さ、行こうか。最奥はもうすぐだよ。」
ネリトさんが歩き出し、俺たちも続く。体調が悪くても興味深いな。ワクワクする。ホント、体調が悪くなければ、心の底から楽しめたと思うんだけどなぁ…
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