5 準備、対策はしっかりと
5章5話です!
よろしくお願いいたします!
クラス別の班わけがきまり、次は他クラスとの合流。
先生方が20組のくじを引いていくだけの作業になるため、俺たち生徒は結果発表まで待つだけとなる。
...それにしても
「暑い。いえ、熱いですわね...」
真夏に南方領土の浜辺に放置されているのだから当然か。唯一の救いは麦わら帽子などの熱中症への対策物が許されていることか。
「おいおい大丈夫か?これから4日あるんだぞ?楽しめきれるか?」
ソルケットくんが顔を覗き込んでくる。表情や声色から普通に心配してくれているのだろう。こういう所が静かにしてればモテるだろうと言われるところなんだろうな。
「えぇ。少し気温にやられているだけですから。時期なれますわ。」
「...ならいいけどよ。」
それから少しして、ようやく班決めが終わったらしい先生方が浜に立てられた大きめのパラソルの中から出てくる。
こういうの、前世の運動会とか持久走を思い出す。
自分たちだけバッチリ暑さや寒さに対して対策して、生徒達には我慢してねと強要する。
始まる前は皆基本教師に対して殺意を持ったもんである。
こっちの生徒は特別普段と変わった様子は見られないが、内心どう思っているかは分からないな。少なくとも俺は早くしてくれと思っている。
1番から順番に班が発表される。俺とソルケットくんは最後の20番だった。
「よし、じゃあ行きますか。」
「ええ。」
班ごとに集まったらまた整列である。この虚無の時間キライ。20班が並ぶ1番右に到着すると既に他クラスの生徒は集まっていた。
「あ、シーナ!」
剣術科からはカノンが選ばれたらしい。友人がいると安心出来る。他のメンツはまじで知らない。
ここで、第20班のイカれた(イカれてない)メンバーを紹介するぜ。
魔術科、シーナ、ソルケット
騎士科、テレス、カノン
学術科、ジーマ、ネガ
騎士科のテレスさんは勝気なタイプの女子みたいだ。凛々しい顔で握手を求めてきた。
「テレス・ノブレイカだ。貴殿とは1度話してみたかった。よろしく。」
「シーナ・ヴォルフフォードです。こちらこそ、よろしくお願いします。」
学術科の2人はどちらも見たままの真面目な人のようだ。丸ぶち眼鏡をクイクイと上げながら自己紹介。
「魔術科1年出席番号15番ジーマ・カクセイです。」
「同じく出席番号32番ネガ・ケルカです。」
「「よろしくお願いします。」」
「よ、よろしく...。」
最後に俺たちが自己紹介。
「シーナ・ヴォルフフォードです。よろしくお願いいたします。」
「ソルケット・マーズだ!これでも海には何度か来ててな。頼れるリーダーにもなれる男だ。よろしくなっ!」
「カノン・セルニダスです。よろしく。」
全員の自己紹介が終わったところで、整列の合図がかかる。そして俺達の前に1人の男性が立った。
「今回君たちのインストラクターを務めることになった、ネリト・ルセンユです。よろしくね!」
短めの金髪に浅黒い肌。筋骨隆々とまではいかないもののいい体つきをしている。
なんだろう警戒した方がいい気がしてくる。
ネリトさんについて行き、まずは海に入る前に、注意喚起と緊急時の対応についての話があった。
「いいかい、海はみんなが思っている以上に危険な場所だ。まだまだ僕達だって分からないことだらけだし、地上に比べて数段動きずらくなる。動くために込める力もずっと大きい。それなのに波の力はそれを超えてくる。沖に流されたら危険だから、なるべく浅瀬での行動を心がけてくれ。」
「「はい!」」
「よし!次は緊急時の対応についてだ。この辺に魔物は現れないけど、海は危険な生物が多い。現れた際は速やかに浜に上がって来てね。それから、もし、溺れてしまった際、誰も気づかないと危険だから、常に2人1組で行動してくれ。一応蘇生術を教えておくよ。」
蘇生術、小学校から習う心肺蘇生術のことだ。
胸骨圧迫30回の後、人工呼吸2回。それを先生や救護員が来るまで、または患者が自発呼吸を始めるまで続けること。
細かなやり方を教えて貰い、次のステップへ。
「よし、次は準備体操だ。しっかりやらないと足がつったりして溺れる可能性が高くなるからしっかりやってね。僕の動きを真似てやってみてくれ。」
準備体操をやってみて思ったが、前世の体操第一と動きが非常に似ていた。どういう動きをするのが良いのか、考え方は世界共通らしい。
準備体操を終えた俺たちは、ようやく海へと足を踏み出す。
「冷たッ!」
これは...想像以上だな。ソルケットくん以外は皆同じような反応をしている。
「急に全身入ると色々良くないからね。少しずつ浸かっていってね。」
前世では海なんてしこたま行ったもんだが、やっぱり水に浸かる時の最初の冷たさは、いつになっても慣れる気がしないな。
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