4 こうなる予感はしてたんだ
5章4話です!
よろしくお願いいたします!
「......」
先生方の話し合いというか会議が少し長引いており、暇な生徒たちはみな波打ち際ではしゃいでいる。あたりはそれなりに騒がしいが、その会話は俺の、いや、俺たちの耳にしっかり届いていた。
「男ってやーねー。」
「よくあんな会話で盛り上がれるわね。」
「皆さんなんの話をなさってるんですか?」
分かっていないのもいた。渦中のミリアちゃんである。ちなみに俺は無言を貫いている。中身は普通におっさんなため、仮に男でも彼女らが恋愛対象になることは無いが、男たちの気持ちも分かってしまうためである。
そんな俺たちに近づいてくる男が1人。
「や、やぁ。シーナ。」
銀髪緑眼のさわやかチェリーボーイ、カノンくんである。俺の初めての友達の彼は目の前の光景に頬を赤らめてタジタジになっている。
「こんにちはカノン。長旅の疲れは残っていない?」
「あ、うん...大丈夫だよ。こんなでも丈夫な方だから。」
そう言い自分のお腹をさするカノン。こんなでもねぇ...自虐したのか定かではないが、少なくともこの場にいる全員がいい体だと認識している。黄金比の細マッチョである。
「良い体ね。少し見惚れたわ。...こう言うとセクハラかしら...?」
「セク...?えーと、ありがとう。...シーナも、その...似合ってるよ...///」
さっきより顔赤い。耳まで赤くなってる。悪い気はしないので礼を言っておく。
「ありがとう。」
カノンは俯いたままである。
「ウブね。」「ウブ。」「ウブですね。」
女子からのこの評価は良いのか悪いのか。さっきはしゃいでたやつらよりはいいだろうけども。友人たちと喋っていると、遠くの方で声が聞こえた。
「おーい!皆ー!」
目をやると、これまた男子には目に毒な姿のリーン先生が手を振っていた。
「待たせてごめんねー!もうすぐだから、各クラス事に整列して待っててー!」
この長い待ち時間も終わりか。俺たちは言われた通り、整列を始める。3分後、アリのようにバラけていた生徒たちはピシッと整列し、その時をまつ。
ロッジがある丘の方から先生方がやってきた。生徒の前に立つと、騎士科の男性教師が声を上げる。
「ではこれより、水練合宿及び、ダンジョン調査の説明を始める!」
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今日から4日間の説明。と言っても基本的には来る前にリーン先生が言ってくれたものだ。それに補足説明が入るかたち。
まず、今日から3日間。つまりダンジョン調査が終わるまで、3クラスから2名ずつ6名の班で行動することになる。まぁそれも授業、水練やダンジョン調査の時だけだが。班にはそれぞれ講師がつく。現地のガイドくらいの軽い感じらしい。
「4日間の行程の説明は以上だ。何か質問のある者は?......よし、では各クラス2名ずつに分かれてくれ!その後はくじ引きで班を決める!」
さてと、誰と組んだもんかねぇ。周りを見回して見る。ルティアはマイナさんと、ユーリは俺が入る前の4人組で分かれるらしい。ということは俺の選択肢は...。ミリアはそもそも選べない。なのであと2人。アリアか、セルカだ。せっかくだからセルカを誘ってやろうと近づくために足を踏み出した瞬間、先生から一言。
「あ、男女1人ずつの2名でお願いねー!」
そういうことは先に言ってくれ...
一同揃って「え〜(´д`)」と分かりやすく萎える。
しかしただ1人、テンション爆アゲの男がいる。
そう、うちのクラスのソルケット・マーズくんです。
ヒャッホーィと雄叫びをあげて次々と魔術科の女子に声をかけている。結果?みんなが考えている通りだ。
OKなんて貰えるわけないよっ!!
クラスメイトとして数ヶ月共にしているんだ。当然みんな彼のことは知っている。
組んでくれっ!と下げる頭を一瞥し、「無理」。
もはや可哀想になってくるほどのバッサリとした一撃。それでもめげずに声をかけまくるソルケットくん。見習いたくなるほどの忍耐力と精神力である。そして一通り声を掛け終え、最後は...
「頼むッ!シーナ!俺と組んでくれ!!!」
先程遠くから見ていた限りでは強気に頑張っていたように思えたが、今俺の目の前で頭を下げるソルケットくんは懇願するような顔で目がすごく潤ってる。
はぁ...全く、こうなる予感はしてたんだよなぁ...。
「......分かりました。共に頑張りましょう。」
可哀想が勝った俺は彼と組むことに。まぁこれで1人の青年の精神と信頼が助かるなら安いもんだろう。
後はまぁフツーに決まっていった。全体のペアが決まるまでソルケットくんは
「ありがとう...!ありがとうッ...!」と涙ながらに言い続けていた。
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