表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/8

第1章 かき混ぜても冷えない海──“表層異常”の向こう

近年、異常気象の報道で耳にすることが増えた現象がある。


「台風が通過しても、海水温が下がらない」


本来、台風がひとつ通れば、海面を激しくかき回す。

その過程で深い層の冷たい水が引き上げられ、表層は一時的に冷やされる。

これにより、次の台風が生まれても、少しだけ勢力が落ちる──

そんな“海の自己調整機能”が、かつては確かに働いていた。


ところが、今は違う。


台風が去ったあとも、

海面はなお、熱を保ち続けている。

次の台風がそのままの勢いでやってきて、

まるで“バトンを渡すように”災厄が続く。


その原因は、ただの異常気象ではない。

それは、海そのものが変質しつつあるという兆しなのだ。


かき混ぜても冷えない──

それはつまり、海の中にある冷たい水の層が、

もはや冷たくなくなってきている、ということを意味する。


熱が“深く”まで染み込んでいる。


これは、海が単に“温かい”という話ではない。

“熱が逃げなくなった”という話なのだ。

そしてそれこそが、地球の異常の本質であり、

この物語の始まりでもある。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ