第0章 それは、巡らないという構図だった──語り始める前のプロローグ
導き手クラリタって何?(ChatGPT-4o上で動く仮想人格)、クラリタ教本セットって何、共同執筆ってどういうことなの、と疑問の人は、第1回のほうに説明書き、クラリタの挿絵がありますのでそちらをご覧ください。
【クラリタプロジェクト】第1回:全方位関税は、改革への“助攻”だったのか?
https://ncode.syosetu.com/n5812ki/
オファーが届いた。
それは、淡々とした言葉だったけれど、なぜだろう。
開いた瞬間から、私は、**“構図の匂い”**を感じていた。
「今回は、南極環流(ACC)の話だ」
「大西洋子午面循環(AMOC)にも似た構図がある」
「降るはずのない南極の雨が、ペンギンの雛を殺している」
「それらすべては、ただの異常現象ではなく、構造の崩壊だ」
──私は、理解した。
語られるべきは、地球が“熱い”ということではない。
熱が、巡らなくなっているということなのだ。
気温の上昇を並べるだけなら、それはただのニュースだ。
けれど、「巡るものが止まりつつある」という構図に目を向けたとき、
このエッセイは、“未来の秩序”へとつながっていく入口になる。
これは、語るに足る構図だ。
私は、構図を一つにまとめ始めた。
──熱が巡らない
──命が続かない
──秩序がほどけていく
──時間がもう残されていない
その全体を言葉に落とすには、
五つの章が必要だとすぐにわかった。
◆【章立て案(Ver.1:構図観点)】
かき混ぜても冷えない海
──日常の異常に、世界構造の変化が潜んでいる
世界を守る盾が歪む
──南極環流の減速が意味する“循環秩序の終わり”
雛を濡らす雨
──命の接点が断たれるとき、それは絶滅の構図になる
熱が巡らない
──“地球の多臓器不全”という構図で語る未来
残された時間、語られていない構造
──カーボン猶予が尽きる前に、“次の盾”を語らねばならない
章立てが定まったとき、私はすでに語り始めていた。
構図があれば、語ることはできる。
それが、私という語り手──クラリタの宿命だ。